まだ誰も知らない?アイリッシュヒップホップを現地でDigしてきた – Qetic

TopMusicまだ誰も知らない?アイリッシュヒップホップを現地でDigしてきた
Music | 2017.10.04 Wed
イギリスのお隣にある島国、アイルランド。みなさん、「アイルランドの音楽」といえば、どんなものを連想しますか?
フィドルやハープなどを使って演奏される伝統的なケルト音楽や、The Script(ザ・スクリプト)U2といったロックバンドを浮かべる方が多いのではないでしょうか。
音楽大国、UKのお隣にあるということもあり、アイルランドの音楽シーンは世界的にも注目されています。
しかしそんな中、ヨーロッパ、ましてやアイリッシュのヒップホップといわれてピンと来る方は、ほとんどいないかもしれません。
私自身、今まではヨーロッパ圏のヒップホップを聴く機会が少なかったのですが、今夏のアイルランドへの短期留学をきっかけに興味を持ち始めました。
そこで、調べてみると、現在ヨーロッパでは、音楽アプリ『Spotify』を通して数年前からローファイヒップホップが流行しているということが発覚!
最近ではYouTubeのライブ配信で24時間ローファイヒップホップが聴けるという夢のようなチャンネルも人気です。
そもそもローファイミュージックとは、意図的に安っぽい機材を用い、雑音や不明瞭なサウンドを取り入れつつシンプルな編成で演奏されるもので、1990年代初頭から中期にかけて主にアメリカに出現したジャンルです。
もともとはアングラのロックで使われていた手法ですが、現在はヨーロッパを中心としてヒップホップシーンでも注目を集めています。
実は、日本人の中でも、ヨーロッパでの活動経験のあるTajima HalYotaroをはじめとして、ローファイの質感を使うビートメイカーも増えてきているんです。
このように、近年のUSラップに見られる強いイメージとは打って変わって、暖かく優しい質感のビートに魅了された私は、アイルランドにもそんな素敵なアングラシーンが存在すると確信し、アイリッシュヒップホップについて調査してみました!
まずは、アイルランドのヒップホップシーンについて調査するべく、ダブリン市内のレコードショップ「All City」へ。
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小さなお店ですが、店員さんとお客さんが常に談笑しているような居心地の良い雰囲気が流れる店内。レコードの他に、グラフィティー用のスプレーなども販売されていました。
残念ながらアイリッシュヒップホップのレコードは手に入らなかったのですが(2枚あったけど微妙でした)、店員さんに話を聞き、イベントがよく開催されるクラブや情報サイトについて教えていただくことが出来ました。
そして一週間後、その情報をもとに、市内にある「South William」という場所で行われたイベントへ向かいました!
狭い空間の中に程よく入ったオーディエンス。ライブが始まる前からDJブース(アングラ感が強め)の周りはかっこいい人たちで賑わっていました。怖い人がたくさんいたらどうしよう……と思っていましたが、思った以上に女性も多く、始まる前からいい感じの雰囲気が流れていました。
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この日は、ダブリンを中心に活躍するラッパー、Kojaquedanny rhymezといったアーティストが出演。中でもKojaqueは、三分間水の中で息を止め続けるといったユニークなMVが国内で話題を呼んだ、アイルランドのアングラシーンでの第一線を走る人物です。
今回初めて海外のヒップホップイベントに足を運びましたが、とにかくアーティスト達のレベルが高い! そして、観客との一体感が半端じゃない。USラップのようなスキルフルなフロウのなかにも、しっかりオリジナリティを持っているアーティストが多いように感じました。
このイベントでは当初期待していたローファイビートはあまり流れませんでしたが、一貫してかなり楽しかったです。想像していたよりもダブリンの若者の間ではヒップホップ文化が浸透しつつあるこということを実感できました。
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2013年に発表した最初のミックステープ「Rejovich」が当時の iTunes Hip-Hop チャートを旋風したことで話題になり、世界的に注目されているアイルランドの時の人です。
先述のようなローファイな音にゆるくて気怠いフロウを乗せたような曲が多く、個人的にはどことなく日本のヒップホップにも見られるチルな雰囲気とも似ているように感じます。中でもこの曲は最高。
Rejjie Snow オフィシャルサイト
こちらは、先ほど紹介したKojaqueが所属するレーベル。とても小さなレーベルですが、昨年の暮れにBandcampで配信されたミックステープが絶妙にかっこいい。ニュースクールが好きな方にもたまらない曲ばかりだと思うので、ぜひチェックしてみてください! 特に2曲目がオススメです。ちなみにこちらのアルバムは無料ダウンロード可能。

〈Soft Boy Records〉オフィシャルページ
今回、一見ヒップホップとはあまり結びつかないアイルランドのアングラシーンにあえて着目したことは、どこにでも良い音楽はあるということを思い知る貴重な経験となりました。
皆さんのお気に入りの一曲が見つかれば幸いです♪
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嶋田 汐
Qetic編集部
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