Benlou、2人の音楽性が融合した新曲「ミラージュ」 ユニークなユニットの予測不能なポテンシャル – Real Sound

 仙田和輝と山本幹宗による新たなロックユニット Benlou(ベンルー)の2ndシングル「ミラージュ」が完成した。今年8月にリリースされたデビュー曲「Ripple Mark」同様、今回もソングライティングを仙田と山本、アレンジを山本が手掛けているが、その内容はこちらの予想を小気味良く裏切るような、このユニットのユニークかつ幅広い音楽性を垣間見せるものに仕上がっている。
 今一度、彼らのプロフィールを簡単に紹介していこう。1996年生まれの仙田和輝は、6歳よりピアノを始め、クラシックから洋楽、J-POPなど様々な音楽に触れる環境で幼少期を過ごした。大学院在学中にはロッキング・オン主催のバンドオーディション『RO JACK for COUNTDOWN JAPAN 20/21』にて優勝を果たした、“ポスト・ノスタルジック・バンド”を標榜するアオノオトシゴのボーカル&キーボディストを担当。同バンドのプロデューサーを務めていた山本幹宗と新たにBenlouを結成し、今年からバンド活動をスタートするに至った。
 一方、1984年生まれの山本幹宗は、The Velvet UndergroundやThe Beatles、The Beach Boysといった60年代ロックから、90年代のUKインディ/USオルタナまで様々な要素を融合した良質なバンドサウンドを鳴らし、コアな音楽ファンや同業アーティストに熱い支持を集めていたThe Cigavettesのリーダー&ギタリストである。バンドは惜しくも2013年に解散したが、その後も山本はくるりやBOOM BOOM SATELLITES、銀杏BOYZなど一筋縄ではいかないバンドのサポートギタリストを務め、最近もエレファントカシマシやnever young beachのバックを務めるなど、ジャンルや世代の垣根を軽く飛び越え精力的に活動をしている。さらに昨年は俳優・永嶋柊吾とともに新ユニット sunsiteを結成、今年はtricotやジェニーハイのボーカリストである中嶋イッキュウとのプロジェクト 好芻(スース)を始動させるなど、多忙を極める一方だ。
 Benlouは、そんな2人の音楽性が、全く無理なく融合した非常にユニークなユニットである。デビュー曲「Ripple Mark」は、すでに各メディアでも指摘されているように、その洗練されたコード進行とブラス系のシンセ、そして軽やかなエレピサウンドによって紡がれる音像が、シティポップやドリームポップ、ベイパーウェーブの内包する白昼夢的なそれを彷彿とさせるところもある。その辺りは、元Yogee New Wavesの上野恒星やnever young beachのメンバーらとの交流により形成されたであろう、山本の同時代感覚によるところが大きいはずだ。しかしこの「Ripple Mark」を繰り返し聴いていると、アレンジにはトッド・ラングレンやポール・マッカートニーらポップマエストロからの影響が、抑揚たっぷりに歌い上げるメロディにはアオノオトシゴ同様にスピッツからの影響が確かに窺える。時代や流行に迎合することなく、自分たちのルーツをしっかりと音に反映させることで、Benlouならではのオリジナリティを獲得しているのである。

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