KISS『Hot In The Shade』解説:激しいロックへの回帰と14年ぶりの全米TOP10ヒット曲「Forever」 – https://www.udiscovermusic.com/

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KISSを非難する人たちは、1983年に象徴的なメイクをしなくなった時にバンドの運気が下がったといつも言う。しかしながら実際の脅威はメイクを外したことではなく、その年代の常に変化するトレンド、そしてガンズ・アンド・ローゼズといった新しいタイプのハード・ロック・スターたちこそが、70年代から活躍しているKISSのようなバンドにとって大きな存在となっていた。
そんな時流が変わっていく1989年、KISSが『Hot In The Shade』のレコーディングを行ったときの彼らは、70年代の名作『Destroyer』や『Love Gun』のようなエネルギーとエッジを持ったアルバムをレコーディングする必要があることを十分に認識していた。
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いずれにせよ、メイクをしなくなったKISS が窮地に陥ることはほとんどなかった。シングル「Crazy Crazy Nights」のUKチャート4位という高実績に助けられ、1987年に発売したラジオ向けとなったアルバム『Crazy Nights』は大西洋を越えて大きな成功を収めた。しかし、シンセサイザーに依存した『Crazy Nights』はKISSとしては異例の作品であり、バンドとしては次のアルバムはギターとベースでのロックンロールを作るための熱意を注ごうとしていた。
そのため、KISSは『Hot In The Shade』をセルフ・プロデュースで制作することを選択した。また、1989年の夏にハリウッドのスタジオであるThe Fortressに移動してアルバムを制作する際、それまでに行っていた曲を再び録音するのではなく、既に録音したデモをオーバーダブすることを選択した。
 
ポール・スタンレーとジーン・シモンズが準備した楽曲たちは、ここ数年で最高の出来栄えだった。アルバムの冒頭を飾る「Rise To It」は、KISSが最高のロック・バンドに戻ったことを示すものであり、「You Love Me To Hate You」やポールによる感染力の強い「Love’s A Slap In The Face」などのアグレッシブな楽曲は、彼らの王座を狙うどんな若手とも渡り合う能力がまだ十分であることを示している。
当時のリード・ギタリストのブルース・キューリックは、「Prisoner Of Love」と「Silver Spoon」にてオリジナル・メンバ―のエース・フレーリーの代役を務めることができると証明するかのような泣きのソロを披露している。
ドラマー、エリック・カーは「Walk This Way」風の「Little Caesar」で生意気なリードボーカルを披露し、バンドは最後の「Boomerang」で驚くほどスピードメタルへの進出を果たしている。
 
しかし、皮肉なことに、『Hot In The Shade』の知名度を大きく高めたのは、アルバム唯一のバラード曲だった。マイケル・ボルトンと共作したポール・スタンレーの上品なセミアコースティック曲「Forever」は、MTVでヘビーローテーションされたビデオでプロモーションされ、全米シングル・チャートで最高8位にランクインし、KISSのシングルとしては1976年にピーター・クリスが歌った「Beth」以来の高いチャートとなった。
「Forever」 の成功により、KISSはファスター・プッシーキャット、デンジャー・デンジャー、ウィンガーのサポートを得て、アメリカ・パッケージ・ツアーを敢行することができた。「Forever」は『Hot In The Shade』を全米アルバム・チャートのトップ30に押し上げ、1989年10月のアルバム・リリースから2ヶ月でKISSにゴールド・ディスクをもたらした。
リリースから数十年経った今でも、『Hot In The Shade』がKISSの歴史において極めて重要な役割を果たしたことは見過ごせない。その商業的な成功はバンドを復活させるのに役立ち、1992年の攻撃的なアルバム『Revenge』にてKISSが再び全米チャートのトップ10に返り咲く軌跡となったのだ。
Written By Tim Peacock

KISS『Hot In The Shade』
1989年10月17日発売
CD / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music

KISS『Creatures Of The Night 40th Anniversary』
2022年11月18日発売
5CD 1Blu-ray Box / 2CD / 1CD / 1LP

KISS『Off The Soundboard: Live in Des Moines 1977』
2022年9月9日発売
日本国内盤2CD
公演日時:11月30日(水)17:30開場/19:00開演
会場:東京ドーム
チケット(税込)
SS席:¥25,000
SSバルコニー席:¥25,000(1ドリンク・軽食付き/専用トイレ/専用入場ゲート)
S席:¥20,000
A席:¥15,000
Ultimate KISS Army VIP Experience:¥400,000
KISS VIP Silver Package:¥150,000
KISS VIP SOUNDCHECK PACKAGE:¥20,000 ※公演チケット別
チケット発売日:9/10(土)
★8/3(水)正午より「ウドー・プレミアムメンバーズ」受付スタート!
■コンサートに関するお問い合わせ:ウドー音楽事務所 03-3402-5999  https://udo.jp


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