「悲しみ」の美追い求め 吉村宗浩さん県美で個展 謎めいた肖像画や風景画96点、公開制作も | おでかけトピック | 兵庫おでかけプラス – 神戸新聞NEXT

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更新日:2022年10月21日
「悲しみの星」(左)などの展示風景=兵庫県立美術館
展示室の一角で公開制作している吉村宗浩さん=兵庫県立美術館


 「悲しみ」を描けるまでにおよそ20年を要した。40代後半で自ら納得できる絵の技をつかみ、50代から注目を浴びた。神戸市垂水区の画家吉村宗浩(むねひろ)さん(61)による個展が、兵庫県立美術館(同市中央区)で開かれている。決して妥協せず10年以上、塗り重ね続ける作品もある。まるで美の求道者だ。粘り強く年月と手をかけた具象画は、視線を画面の奥まで引き込んで離さない。(小林伸哉)
 個展のタイトルは「画家とアトリエ-メチエの修行場」。メチエはフランス語で技術を意味する。吉村さんは「描くことはつらい。絶対美を目指す以上、修行でしかないですよね」。会場で公開制作し、表現する苦しみや喜び、創作の秘儀をあらわにする趣向だ。
 画家を志したのは、挫折して「絵しか道は残っていなかった」から。神戸市垂水区で育ち、中学校時代から独学で油絵を描いた。神戸商科大学を卒業後、会社でコンピューターを操作するうち、体調を崩して入社から3カ月で退職した。
 通信教育や武蔵野美術大学で油絵を学んだ。30代で神戸に戻り、複数の絵画教室の講師などを掛け持ちしながら、独自の表現を求めてもがいた。「めちゃくちゃあせって。石の上に3年どころじゃないから…」
 絵を描くなら「幼いころから抱いていた悲しみの感覚で勝負しよう」と決めていた。「僕の『悲しみ』は人情的なものではない。ぼんやりとした虚無感、ノスタルジックな感じなんですよ。漠然とした不安でもある。それを具体的に描けるまで20年ぐらいかかった」
 本展は、ここ10年ほどで一気に注目された吉村さんにとって公立美術館では初の個展。兵庫県美の「注目作家紹介プログラム チャンネル」として実現した。
     ◇
 二つの壁面などに油絵計96点が並ぶ。クラシックな肖像画や風景画に見えるが、不穏な空気を漂わせ、ユーモラスな動きもある。タイトルも「問題神父」「看護部長の恋」「パーティーの失敗」「極寒のラウンジ(ムンクさんこんばんは)」などと謎めいている。
 確かな技法や仕掛けをつかんだ記念碑的な風景画が「悲しみの星」(2008年)だ。灰色の空や奥行きある表現が寂寥(せきりょう)感を呼び起こす。吉村さんは「共感してくれる人が現れ、言葉ではなく、絵で人とつながれて、すごくうれしかった」と振り返る。
 ちょっと滑稽で弱そうでネガティブな人間を描く。気が弱かった幼少期の経験が創作の原点。「世の中の全員が何らかの弱さを持っている。社長やアスリートだって。弱さ、滑稽さ、愚かさに魅力を感じる。弱さがないと人間らしくない」
 展示室には尊敬する画家ベラスケスらの画集や大好きな曲の音源を持ち込み、本物のアトリエのようにして滞在制作中だ。先日はツイッターで「この絵を大改造したろか!」と発信し、ヘビーメタルバンド「アイアン・メイデン」の曲に乗りながら、草の描写を大胆に土色で塗りつぶした。
 美を求めて、絵に手を加え続ける。時に風景画の構図は跡形なく一変し、肖像画は別人のようになる。売約済みの絵画に「最善を尽くしたい一心」で加筆し、おしかりを受けたことも。しかし、塗り込められた表現は養分となり、絵に豊かな実りをもたらすようだ。
 「絶対美に向けて、妥協できないから、一枚の絵に執着している」と吉村さん。「一枚の絵は僕の人生に似ているというか…。無駄なものが入って、やっと仕上がる」とも語る。
 11月6日まで。午前10時~午後6時。月曜休館。観覧無料。兵庫県美TEL078・262・1011。今月出版された画集「悲しみの星」(4180円、888ブックス刊)も販売中。10月29日~11月16日、神戸・元町の歩歩琳堂(ぶぶりんどう)画廊(TEL078・321・1154、木金曜休み)で絵画展を開く。
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