1982年に発売されたアルバム・ベスト68:40年前に生まれた名盤たちをランキング【動画付】 – https://www.udiscovermusic.com/

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1982年の名盤アルバムのリストは様々なサウンドの作品によるユニークなミックスになっている。全体的には、この年はパンクやポスト・パンクの余韻が醒め始めていて、アーティスト達が新しいサウンドの世界にヒントを求めていた、ある意味では過渡期のように感じられた。
これによって、いくつかの素晴らしいシンセポップのレコードが登場し、UKのロックの最高の作品のいくつかは、アーティストの外見もサウンドの感じもゴシックなものだった(スージー&ザ・バンシーズやザ・キュア)。また何人かの素晴らしいシンガーソングライターたちの最高傑作が届けられた年でもあった(リチャード&リンダ・トンプソン、ブルース・スプリングスティーン)。しかし、この年の最高のアルバムはというと、地球上最大の2人のポップスター、マイケル・ジャクソンとプリンスのアルバムに止めを刺すだろう。
以下にお届けする1982年を代表する名アルバムの全リストをチェックしてほしい。そしてSpotifyでわれわれの80年代ポップ・プレイリストを聴くならここから。
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グルーヴィーなポップ・ロックを巧みに追求したクロスビー・スティルス&ナッシュの『Daylight Again』は、この3人のトレードマークとも言える豪華なボーカル・ハーモニーと見事に作り上げられた楽曲とを組み合わせたアルバムだ。
 
『Bitter Funeral Beer』は、スウェーデン生まれのジャズ・ドラマー、ベングト・ベルガーと、ジャズ・トランペット奏者のドン・チェリー、そしてビター・フューネラル・ビア・バンドの3組のアーティストが結集したアルバムだ。本作での伝統的なインド音楽とフォークやジャズが渾然一体となったサウンドは、畏敬の念に満ちた瞑想的なもので、精神的なパワーで光り輝いている。
 
ツェッペリンの全盛期にレコーディングされた未発表曲で構成された『Coda』は、このバンドのパワーを存分に披露している。中でも「Walter’s Walk」や「I Can’t Quit You Baby(君から離れられない)」は、ツェッペリン一流のエレクトリックなブルース・ナンバーの好例として特に抜きんでている。
 
フリーダの夢見るようなリード・ボーカルと幾重にも重ねられたハーモニーが特徴的で、様々なタイプの楽曲を含むアルバム『Something’s Going On』は、夢見るようなグルーヴに満ちたポップ・レゲエ曲「I See Red」からスイートなポップ・ロック曲「Baby Don’t You Cry No More」へといとも簡単にその表情を変えてみせる作品だ。
 
作曲家吉村弘による、夢見るようにソフトで控えめな『Music For Nine Post Cards』は様々なイメージを喚起する、驚くべきアンビエント・ミュージック作品だ。
 
このニューウェイヴ・アルバムのハイライトは間違いなく「Black Coffee In Bed」だが、アルバム全体を通して他にも多くの優れた楽曲を見つけることができる。
 
映画『イレイザーヘッド』のサウンドトラック盤は、その映画と同じくらいダークで一度聴いたら耳から離れない、そんなアルバムだ。デヴィッド・リンチ監督と作曲家のアラン・R・スプレットはピアノの不協和音と、アンビエント・ノイズを使って、この映画の持つゾクゾクする偏執狂的な雰囲気を更に高めている。
 
最初は1982年にレコーディングされ、何年もの後にリイシューされたチャランジット・シンの『Synthesizing – Ten Ragas To A Disco Beat』を聴くと、エレクトリックなクラシック・インド音楽の奇妙な世界に放り込まれてしまう。
 
『Abracadabra』がリリースされる頃までには、スティーヴ・ミラー・バンドは既に最高のベスト盤が作れるほどの長いキャリアを積んだベテランバンドだったが、この1982年のアルバムでまだまだあっと驚くような作品を作り出せることを証明してみせた。
 
『Toto IV』には「Rosanna」や「I Won’t Hold You Back」といったスマッシュヒットがいくつか収録されているが、それよりも未だにその魅力を失わないヒット曲「Africa」を生んだアルバムとして常に思い起こされることだろう。
 
静寂と流動性の両方のイメージを喚起するサウンドスケープを作り出す名人であるブライアン・イーノは、われわれが知るところのアンビエント・ミュージックを生みだした作曲家だ。イーノの1982年のアルバム『Ambient 4』は夢見るような、聴く者を包み込むような音像世界を経験させてくれる。
 
大ヒットアルバム『Beauty And The Beat』に続く作品を作るのは容易ではなかったが、Go-Go’sは見事なリード・シングル「Vacation」とこのアルバムでそれをやってのけた。
 
アルバム『Offramp』でギタリスト、パット・メセニーは自ら醸し出すドリーミーで靄のかかったようなサウンドが満載、そして味わい深いコンテンポラリー・ジャズ・アルバムをわれわれに届けてくれた。アルバムを通じて聴かれるメセニーのギターは、詩情と想像力に溢れていて、特に「James」と「Eighteen」は素晴らしい。

 
大音量でパワフルなKISS(キッス)による『Creatures Of The Night』はその完全無欠のタイトル曲と共に、今にも我々に戦いを仕掛けるかのように耳に飛び込んで来る。そして怒り狂う弾丸のように飛び出してくるリフ満載のロック・アンセムを休みなく叩きつけてくるのだ。
 
UKバンドのマッドネスは、80年代を通じてポップとロックとジャマイカのスカを一つにした巧みで聴きやすい楽曲で一時代を作った。1982年のアルバム『The Rise & Fall』は一時期どこに行っても聴かれた「Our House」のヒットに乗って大きく人気を集めた。
 
グループ全盛期のラインアップ最後のアルバムとなった『Famous Last Words』は本作を最後に脱退したリーダー、ロジャー・ホッジソンへのはなむけとしてふさわしい作品だった。
 
エンジン全開のシンセポップの名盤、『The Party’s Over』でトーク・トークはその初期のサウンドを完成形に近づけつつあった。
 
ロサンゼルス出身のユニークなパンク・ブルース・バンド、ザ・ガン・クラブは1982年のこのセカンド・アルバムでわれわれの前に戻って来た。本作収録の「Mother Of Earth」を注意深く聴くと、この曲がビリー・アイドルの「White Wedding」のヒントになったことに気が付くかもしれない。
 
後にホイットニー・ヒューストンによって超大ヒットとなった「I Will Always Love You」のオリジナル・バージョンを含む映画『テキサス1の赤いバラ』のサウンドトラック盤では、当時絶好調だったドリー・パートンの魅力が存分に楽しめる。
 
狂気じみていながら魅力満点の『Friend Or Foe』は、ポスト・パンク・バンドのアダム&ジ・アンツの元リード・ボーカル、アダム・アントのちょっとだけポップ寄りなソロ・デビュー作だ。
 
野心的なサウンド表現とプログレ並の高度な演奏技法を80年代のシンセ・ロックと結合させたラッシュの『Signals』は、宇宙で展開するドラマティックなロック・オペラのように聞こえる。
https://www.youtube.com/watch?v=xwOvvKnRsR4
 
大ヒットとなったソロ・デビュー作『Face Value(夜の囁き)』に続くアルバムで、フィル・コリンズは従来のプログレッシブなポップ・サウンドからより深くR&Bやソウル・ミュージック寄りのサウンドにその世界を広げていった。
 
壮大で骨太なギター・ロック曲が満載の『American Fool』は珠玉のアルバム。中でもロック・ラジオの定番となった「Jack And Diane」が収録されていることで有名だ。
 
荒々しくノイジーで、完全にユニークなアメリカ西海岸のベイ・エリアの伝説的パンク・バンド、フリッパーは、その後に続く、グランジやアメリカのアンダーグラウンドでの革命的ロックの進化への重要な基礎固めをしたバンド。『Album – Generic Flipper』は1982年リリースのどのアルバムよりもノイジーで薄汚れたアルバムだ。
 
軽快でアンセム的、そして祝福感に満ちているアルバム『Too-Rye-Ay』はポップとロックとソウルを渾然一体にした、楽しく賑やかなサウンドで作り上げられている。アルバム全体どこを取っても楽しいが、明らかなハイライト曲は、1982年に至る所で耳にした大ヒット「Come On Eileen」だ。
 
80年代で一二を争うヤバいデザインのジャケに収められた『Junkyard』は、エド・ロスとデイヴ・クリステンセンによるそのジャケデザインと同じくらい楽しくなるほどのグチャグチャさだ。
 
火を噴くようなギタープレイとフロントマン、デイヴィッド・リー・ロスの自己陶酔的な芝居がかったボーカルが再び聴けるアルバム『Diver Down』は、このバンドの豪華な作品集にまた新たに加えられた価値ある一枚だ。
 
フリートウッド・マックの輝かしいアルバムカタログに加えられた強力な作品『Mirage』は、彼らのユニークな力強いポップ・ロックの一面を見せているアルバムだ。中でも「Book Of Love」と、光り輝くようなソウル・ミュージック風な「Only Over You」は素晴らしく傑出している楽曲だ。
 
ファンクからジャズ、ディスコまであらゆる音楽を馬鹿馬鹿しさ満点のユーモアとミックスさせたキッド・クレオール&ザ・ココナッツは、80年代でも最もユニークなバンドの一つだ。
この『Tropical Gangsters』は彼らのアルバムカタログの中でも一際輝く宝石のような作品で、陶酔感とキャッチーさ満点の「Stool Pigeon(裏切り者かな?)」や「I’m A Wonderful Thing Baby(なんたって一番)」といった曲が収録されている。
 
リード・ボーカルのジム・カーの轟くように鳴り響くヴォーカルによって、スコットランド出身のロック・バンド、シンプル・マインズは80年代にたちまち大きな人気を集めた。『New Gold Dream』はこのバンドのキャリア絶頂期の作品の一つで、豪華でアンセム的な「Hunter And The Hunted(狩人の詩)」や名曲「Promised You A Miracle(奇跡を信じて)」などがどっしりとこのアルバムを支えている。
「You’ve Got Another Thing Coming」と「Electric Eye」は、『Screaming For Vengeance』がこのメタル・バンドの最高のアルバムの一つだと言われる理由となっている、本作で特に傑出した2曲だ。
 
ちょっとだけポップでハード・ロックの鋭さも持ったパンク・サウンドで、ビリー・アイドルのデビュー・アルバムは大ヒットとなる運命だった。「Come On Come On」と「Hot In The City」はいずれもエネルギッシュなアンセム曲であり、「White Wedding」は未だにメインストリー・ロック・ラジオ局での定番曲だ。
 
ザ・フォールの作品に馴染みのない者が彼らの作品集を整理して説明することはほぼ不可能だが、『Hex Enduction Hour』はこの完全にユニークなポスト・パンク・バンドを知る入門作品としてはうってつけの一枚だろう。
 
ローリー・アンダーソンの未来的で実験的なアルバム『Big Science』は、奇妙なエレクトロニック・サウンドと、アメリカ理想主義から懐古主義、そして戦争まであらゆるテーマと格闘する歌詞を合体させた作品だ。一風変わったヒット曲「O Superman」をきっかけにこのアルバムに触れ、アンダーソンの独得なアヴァンギャルドなポップ作品を楽しむといい。
 
ヒップホップ最初期に大きな影響力を持ったラッパー集団の一つ、グランドマスター・フラッシュ&ザ・フュリアス・ファイヴは、ヒップホップの歴史に確固たる位置を占めるグループだ。クラシックな名曲「The Message」でのメリー・メルのリリックは、都市部における現代生活の複雑さと欲求不満を如実に表現するラップの可能性を示している。
 
1982年、スコットランドのポスト・パンク・バンド、オレンジ・ジュースは『You Can’t Hide Your Love Forever』と『Rip It Up』の2枚のアルバムをリリース。どちらもこのバンドの親しみやすいカラフルなサウンドを更に大きく広げたものだった。弾むようなディスコ風のグルーヴの「Flesh Of My Flesh」から、豪華なファンクナンバー「Satellite City」まで、オレンジ・ジュースの楽曲はよく作り込まれていてかつ様々なスタイルを持っている。
 
80年代を通じて、カルチャー・クラブは彼ら独得のポップとロックとレゲエをミックスしたサウンドを作り出した。このバンドの素晴らしいデビュー作『Kissing To Be Clever』は、「I’ll Tumble 4 Ya(君のためなら)」や「Do You Really Want To Hurt Me?(君は完璧さ)」といった素晴らしい曲が満載だ。
 
アート・アンサンブル・オブ・シカゴのメンバーとしても、またはサン・ラのアーケストラのメンバーとして、ジャズ・トランペット奏者のレスター・ボウイは、ジャズ界で常に最も先進的な表現でその作品を作り出していた。アルバム『The Great Pretender』で、ボウイはスイングするラテンジャズ(「Rios Negroes」)から切り裂くようにファンキーなフリー・ジャズ(「When The Doom (Moon) Comes Over The Mountain」)へと軽々と行き来しながら、彼の多才さを見事に披露している。
 
このザ・ジャムの最後のアルバム『The Gift』には、ポール・ウェラーのノーザン・ソウル愛が満面に溢れている。「Town Called Malice(悪意という名の街)」は間違いなく大ヒットだったが、このアルバム自身もUKアルバムチャートで見事1位を獲得した。
 
一部の人々にはアルバムのオープニング曲(1990年代にNBAシカゴ・ブルズのテーマ曲として使われた)で知られている『Eye In The Sky』では、アラン・パーソンズが作りだした最高の楽曲を楽しむことができる。
 
やかましく生意気で、若々しいエネルギーで弾けそうなアルバム『Milo Goes To College』は、80年代パンクの名盤だ。
 
なめらかで緻密なポップ・ソウルな楽曲をクールに聴かせる『The Nightfly』はスティーリー・ダンの創立メンバーの一人、ドナルド・フェイゲンによる1982年のデビュー・アルバムだ。
 
アルバム『Midnight Love』でマーヴィン・ゲイは、興味深いスタイルの変更を行い、それが好結果を生んだ。ローランド社のドラム・マシーンTR-808(通称ヤオヤ)を使って、マーヴィンは「Sexual Healing」や「Turn On Some Music(愛の交歓)」そして「My Love Is Waiting(燃える情熱)」といったクールでエレクトロニックなソウル楽曲で満載のアルバムを作り上げた。

 
XTCの最高傑作の呼び声高い1982年の『English Settlement』は彼らの作品の中でも最もイギリスっぽい作品の一つだ。
 
このファンク・グループの2大ヒット「You Dropped A Bomb On Me(ハートに直撃)」と「Outstanding」を含む『The Gap Band IV』は彼らの作品の入門編としてはうってつけの作品だ。
 
挑発的なタイトルを持ったザ・キュアの1982年のアルバムは、「The Hanging Garden」や「One Hundred Years」といった楽曲が彼らのゴシック・ロック・バンドとしての節目となったという意味において、こうしたタイプのアルバムとしては最後の作品となった。これから数年後に、彼らはより明るくポップ寄りのサウンドで戻って来て、更に商業的に高い地位を極めることになった。
 
ジョージ・クリントン1982年のソロ・デビュー作『Computer Games』は,ファンキーであると同時に奇妙でかつ未来的な作品だ。アルバム全曲が素晴らしいが、強力な「Atomic Dog」一曲だけでもこのアルバムは歴史的傑作アルバムとしてその名を残すことだろう。
 
キャッチーであると同時にユニークな、ジョー・ジャクソンの『Night And Day』は鋭く微妙にひねりを利かせたポップ・ソング満載のアルバムだ。
 
過去発表された作品の中でも最も大きな影響力を持つメタル・アルバムの一つである、ヴェノムの『Black Metal』は彼らの後に続く無数のメタル・バンドたちに進むべき道を指し示した作品だ。
 
シンセポップの最高傑作である『Upstairs At Eric’s』は、「Don’t Go」や「Only You」といった楽曲で、血の通わないはずのエレクトロニックなサウンドに悲しみに溢れたドラマティックな雰囲気を醸し出させている。
 
未来的な日本のシンセポップの傑作である、細野晴臣の『フィルハーモニー』は革新的な作品だが、アルバム全体の音像が極めて複雑で、この作品を単に興味深いだけでなく一聴の価値のあるものにしている。

 
同時代における最高のボーカリストでバラードシンガーの一人、ルーサー・ヴァンドロスの2作目のアルバム『Forever, For Always, For Love』はほろ苦いラブソングが満載の作品。ただそれだけでなく、ルーサーは楽しいアウトドアでのパーティンなどにうってつけの名曲「Bad Boy/Having A Party(バッド・ボーイ)」といった変化も付けてくる。

 
洗練されていながらキャッチーでドラマティックなアルバム『The Lexicon Of Love』は、UKシンセポップの雄、ABCの素晴らしいデビュー作だ。
 
ロキシー・ミュージックの『Avalon』は壮大でエレクトロニックなアート・ポップの最高傑作だ。中でも「The Space Between」「The Main Thing」そして「True To Life」といった楽曲は抜きんでているが、このレコード全体が聴く者を包み込むような雰囲気と音で溢れている。
 
甘く豊かな質感の歌声を持ったグレゴリー・アイザックスは、レゲエ界では伝説的な存在になっている。『Night Nurse』は、「Sad To Know (You’re Leaving)」や「Cool Down Place」といった控えめながら美しい楽曲が満載の、彼の最高作品の一つだ。
 
ブルース・ディッキンソンによるオペラ的なヴォーカル、その威力が最も発揮されている作品の一つである1982年のこのアルバムで、アイアン・メイデンは初のUKアルバムチャート1位を獲得した。
 
アルバム『The Dreaming』はケイト・ブッシュのボーカリストとしての最高の瞬間が楽しめる作品というだけでなく、その華やかな音楽性と扱うテーマのドラマティックさでは、1982年にリリースされたどの作品にも勝るとも劣らない作品となっている。
 
高く舞い上がるようなロック・バラード「Man Out Of Time」から火を噴かんばかりのガレージ・ロック「Little Savage」まで、様々なサウンドを備えたアルバム『Imperial Bedroom』はエルヴィス・コステロのソングライターとしての成長と多才さをいかんなく見せつけている。
 
ボストンの伝説的パンク・バンド、ミッション・オブ・バーマはパンクというジャンルを更にノイジーでより実験的なレベルにまで押し上げた。彼らのフル・デビュー・アルバム『Vs.』は当時の他のアーティストの作品に勝るとも劣らないほど複雑で危険な作品だ。
 
間違いなく1970年代UKパンク革命から登場した中でも、最も影響力を持ったバンドの一つであるスージー&ザ・バンシーズ。彼らは、1982年までに彼ら独得のダークなゴシック・ポップ・ロックのスタイルを確立していた。「Cascade」「Obsession」そして「Painted Bird」といった楽曲は、聴く者を夢の海原のようなサウンドの中に沈めてくれる。
 
複雑に入り組んだアフロビートのリズムとおどろおどろしくも歓喜に満ちたメロディーを組み合わせた作風で、ナイジェリアのキング・サニー・アデは西アフリカ音楽シーンで広く知られたミュージシャンの一人だ。岩のように強固ながら軽やかに演奏するバンドと共に作り上げられたアデの1982年のアルバム『Juju Music』はまるで魔法の産物のようだ。
 
ダークで音数を極限まで削っていながらも詩的であるアルバム『Nebraska』はスプリングスティーンの最高の瞬間を捉えた作品の一つだ。アルバムの中でも特に優れた曲である「Mansion On The Hill」「Atlantic City」そして「Highway Patrolman」などはどれも耳について離れない、アメリカ現代生活を内省的に描写した楽曲だ。

 
このワシントンDC出身の四人組バンドは、ジャズ・プレイヤー並の高い演奏能力とパンクの怒り、そしてレゲエのスピリチュアルなベースを組み合わせて全く新しい何かを作りだしてしまった。「Banned In D.C.」「Pay To Cum」「Fearless Vampire Killers」といった楽曲はこれまで聴いたことがないくらいの激しさで燃え盛っている。
 
ザ・クラッシュのベストセラー・アルバム『Combat Rock』には「Should I Stay Or Should I Go」や「Rock The Casbah」といった彼らの有名なシングルが収録されている。
 
「Hungry Like The Wolf」や「Save A Prayer」などのヒット曲を含むデュラン・デュランの1982年のアルバム『Rio』はこの年最大のアルバムの一つだ。
 
アルバム『Shoot Out The Lights』はリチャード&リンダ・トンプソンにとっては、その作品集の中でもアーティストとしてのピークの作品となった。「Walking On A Wire」といったブルース・ロックから「Man In Need」のようにゆったりとして軽快な楽曲まで、このアルバムには二人の美しい歌声と演奏とパフォーマンスがふんだんに詰め込まれている。
 
広く知られた大胆不敵なキャラと、ロック、R&B、シンセポップを融合させた痛烈なサウンドで、プリンスは1980年代を支配していた。そして彼のアルバム『1999』は単なるヒットアルバムであるだけではなく、「Little Red Corvette」「Lady Cab Driver」や時代のアンセムとも言えるタイトル・ナンバーなどの強力な楽曲を含んだ、アーティストとして高いレベルを達成した作品だ。
 
疑いもなく1982年最大のアルバムであるマイケル・ジャクソンの『Thriller』は、あの時代の文化的雰囲気にうまく乗っただけではなく、それを再構築してしまった。「Wanna Be Startin’ Somethin’」「Beat It(今夜はビート・イット)」「Human Nature」、そしてタイトル曲などのヒット曲満載の『Thriller』は1982年どこにいても耳にした、そして今でもそのインパクトが残っているアルバムだ。
 
この1982年のベスト・アルバム・リストから抜けているアルバムがあると思う方は、下記にコメントしてお知らせ下さい。
Written By Sam Armstrong

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