【特集】音読・発話重視の授業で「英語はこんなにも楽しい」…千葉明徳 – 読売新聞オンライン

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 千葉明徳中学校・高等学校(千葉市)は、中学生に英語の楽しさを伝える独自の英語教育を実践している。レシテーション(暗唱)コンテストと結び付けた音読や、「ワンミニット・チャット」などゲーム感覚で学べる発話活動で、知らず知らずに英語力が高まるよう工夫しているほか、特に苦手意識を抱きがちな中1の授業では、冒頭にクラス全員で洋楽を歌うなどユニークな取り組みもあり、生徒の英語学習意欲を高めているという。

 「昨年度の中学3年生は74人で、約7割が英検3級に合格しています。そのうち14人は準2級以上で、さらに3人が2級に合格しました。学年によって差はありますが、全体として英語学習に意欲的な生徒が増えてきた実感があります」と、英語科主任で中学校入試広報室部長の土佐和也教諭はうれしそうな表情を見せる。

 土佐教諭は、2011年度の開校以来、同校の英語教育に携わってきた。中1の時から6年間授業を担当し、5年間担任を務めた第1期生は、33人中21人が当時のセンター試験を受け、うち10人は英語で8割の得点を上げ、さらに5人は9割まで正答できたという。

 「彼らのように英語を武器にできる生徒たちを育てられるかどうかは、中学時代に英語の楽しさを実感できるかにかかっています。小学校でも5年生から教科としての英語の授業が始まりましたが、ここで『分からない、つまらない』と英語に苦手意識を持ってしまう子もいますから」と土佐教諭は話す。

 そこで、土佐教諭をはじめ、英語科教員が、新中1生に英語を好きになってもらおうと取り組んでいるのが、授業の最初に洋楽の動画を流してクラスみんなで歌うことだ。

 「月に1曲程度、毎回授業の初めの10分間を洋楽の歌唱に充てます。最初は歌詞カードをプリントして配り、みんなで音読します。歌詞は構文の勉強にはなりづらいのですが、リズムと一緒に歌唱することで耳が英語の発音になじみ、耳と口でコピーできるのがメリットです。ミュージックビデオを流しながら歌うので、みんな楽しんでいますね」

 楽曲は、ビートルズやジョン・レノンのスタンダードナンバーを始め、エリック・クラプトンの歌う「チェンジ・ザ・ワールド」、クイーンの「サムバディ・トゥ・ラブ」などさまざまで、担当教員が選んだ曲をクラス全員で歌唱する。

 土佐教諭は英国で、音楽録音とミキシング技術のプロを育成する専門学校で学んだ経歴を持つ。「音楽に携わる仕事に就きたくて渡英しましたが、それはかないませんでした。それでも、英国で暮らすことで世界が広がりました。多様性を感じながら文化や背景を学ぶことで、さらに英語の楽しさは深まると思います。何より、私たち英語科教員にとって『英語ってこんなに楽しいんだ』と生徒たちが気付いてくれることが一番の喜びです」

 中学の英語の時間は週6時間で、うち2時間は英会話に充てられる。さらにそのうち1時間は外部の英会話学校から招いた講師が指導しており、洋楽の歌唱も含め、音読や発話活動などアウトプットを重視しているのが特徴だ。

 「中1生の授業では、特に丁寧に音読に取り組んでいます。1人ずつ個別ではなく、クラス全体で音読させ、間違った発音をしている生徒がいても名指しはしません。『先生には、こんな発音が聴こえるんだけれど……』と全体に問いかけて、自分で気付いて修正してもらうのです。『英語を話すのが恥ずかしい、間違うのが怖い』という引っ込み思案な気持ちをなくして、『できちゃう』と思わせるためです」

 こうして音読に慣れてきた9月と翌年1月末に、レシテーションコンテストが行われる。56~230語で構成された25の課題文の中から一人一人が選び、音読から始めてメモを見なくても暗唱できるまで練習する。それをクラス内で発表し、ルーブリック形式で、発音や抑揚性、 流暢(りゅうちょう) 性、明瞭度、記憶、態度の6項目で審査する。

 好成績の生徒はクラス代表として学年の本選に出場できる。「本選には中1と中2の2学年で十数人が進みますが、そこに選ばれることは彼らにとってとても誇らしいことで、自信にも結びつきます」と土佐教諭は話す。

 発話活動としては「ワンミニット・チャット」という手法が、よく用いられるという。例えば、「What did you eat last night?(きのうの晩は何を食べたか)」とお題を決め、生徒同士で「私は〇〇を食べた」「僕もそれ、食べたよ」など、英語で1分間のチャットを行う。

 「英語でやると、けっこう長く感じるようですが、中2になると文法や構文も整ってきます。さらに、中3になる頃には、「Describe the Picture!(写真を説明して)」という活動を帯活動として取り組みます。たとえば、2人1組になって、写真に写っているものを、単語やフレーズで構わないので、どんどん書き出す。次にその単語やフレーズを使って5個の英文を作ってもらいます。これは構文力やコミュニケーション力をゲーム感覚で高められるメソッドです」

 このような音読・発話活動を重視した英語授業を活性化するために、同校は開校当初から授業での「板書」をなくしている。代わりにパワーポイントやキーノートで作成したスライドをスクリーンに投影するなどし、必要なことはプリントで生徒に配布することにした。これによって授業はスピーディーになり、音読や発話、歌唱、構文の演習などに十分な時間が使えるようになったという。

 外部の英会話学校から講師を招くようになったのは2017年度からで、クラスを分割して15人から20人に編成し、ネイティブの講師1人が授業を担当する。外部講師の授業に関しては生徒たちに年2回のアンケートを実施しており、「楽しかった」「発音するたびに自信が持てた」「言えないのを待ってくれた」など、おおむね好評だという。

 中学英語で培った英語力をさらに伸ばすプログラムもある。「2020年度からはオンライン英会話の授業も実施しています。中3で1回15分、高1では1回25分です。1対1なので最初は 物怖(ものお) じしていた生徒も、高1ぐらいになると世界情勢やニュースなどの時事的なことも話題にできます」

 また、海外語学研修旅行も高2で実施している。例年、ハワイ州の中でも自然の生態系が残るハワイ島に渡航する。「英語に触れることだけが目的ではなく、大自然の生態系や火山、星空などネイチャーサイエンスを英語で学ぶ旅になります。さらに文化交流も行います。ここ3年は残念ながらコロナ禍のため中止になってしまい、国内旅行としましたが、お台場の東京グローバルゲートウェイで研修を行い、文化交流ができればと考えています」

 (文:田村幸子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:千葉明徳中学校・高等学校)

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