子育てとダニー・カリフォルニア レッド・ホット・チリ・ペッパーズ さんいん洋楽愛好会 – 山陰中央新報社

POP

 ジョン・フルシアンテのギターの音色が好きです。昨年のレッド・ホット・チリ・ペッパーズへの復帰の報から待ちかねたアルバムが今年5月に出て、今年2枚目のアルバムが先日出ました。ソロよりやっぱりレッチリでなくちゃ、です。
 春先に先行リリースされた「ブラック・サマー」の最初の一音でハートがぎゅっとなったのは私だけではないはずです。
 レッチリとの出会いは「ダニー・カリフォルニア」でした。当時2人の子どもをいわゆるワンオペで育てていた中、某大ヒット映画のテーマとして街中にあふれました。早朝から深夜まで家族の送迎に10分単位で追われながら家事をこなす日々。周囲のお母さまたちは車の中でも英語の童謡を流す良妻賢母ばかり。繰り返し繰り返し流れる童謡に思考停止していた私は「ダニー・カリフォルニア」を耳にした時、自分の中の何かがふっと息をついたような気持ちがしました。
 これまでの私は、自分の好きなこと、好きなものはどこに行ったのか。訪れたことのある広大なアメリカの荒野が目に浮かびました。子どもたちを抱きしめる最高の幸せの裏にある失われたチャンスへのうっすらとした失望のような気持ちが、自滅する少女を歌う歌詞とサウンドにシンクロしたように思います。
 以来、車の中だけはロック、子どもたちはレッチリはじめエアロスミス、フー・ファイターズ、ヴァン・ヘイレンなどなどを聞いて無事育ち、カラオケでフーファイ歌って友人に引かれたりしていました。
 今年リリースされた2枚のアルバムには美しさを感じます。ミュージシャンはきっと、フェルメールが青を追求したように、藤田嗣治が白を求めたように自分だけの音色を求め、マジックポーションを調合するようにバンドで最高の組み合わせをエンドレスで試していくものなのだなぁとしみじみ。
 エディ・ヴァン・ヘイレンが亡くなり、テイラー・ホーキンス(フー・ファイターズ)が亡くなる中、これからもずっとこのまま、誰も欠けないで現役でわたしに寄り添っていてほしいと願っています。
 (Bravo58)
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