ピチカート・ファイヴ、Summer Eye、三宅純……Mikiki編集部員が選ぶ今週の邦楽4曲 – Mikiki

Mikiki編集部員が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、4人が1曲を厳選し計4曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部
★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧
 
【酒井優考】
ピチカート・ファイヴ “東京の合唱”
もう何年も前から冬、特に年末年始はピチカート・ファイヴを聴くというのが酒井家の決まりです(って言っても自分一人だけど)。自分は中~後期のピチカート・マニアですが、特に後期のピチカートの音ってキラキラしていて美しくって、そのキラキラさは時に人工的すぎて不気味なくらいキラキラしています。冬の冷たい空気の中でそういう曲を聴くと、不思議とキラキラが倍増して聴こえる。だから冬に聴くんです。もちろん“メッセージ・ソング”や“12月24日”のような冬の名曲もあるし、ラストアルバム『さ・え・ら ジャポン』(2001年作)は日本の一年、四季折々をぐるっと一周して振り返るようなアルバムだから年末年始に絶対聴きたくなる、ということも要因なのですが。
さて、去る11月24日には、もう何枚出てるんだろうってな具合のピチカートのベストアルバム『高音質のピチカート・ファイヴ』がリリースされて、あのキラキラ音が高音質で聴けるようになりました。単純にうれしい。解散から20年(!!)も経って、なぜ何枚も出ているベスト盤をまた買ってしまうんだと言われれば、それはアルバムごとに曲のバージョンやエディットや繋ぎが違う(ことが多い)から。どれだけ盤を集めても、まだまだ聴いたことのない曲たちが出てくるのがすごく面白い。それに多くのアルバムがサブスク未解禁なのも個人的にはうれしい。配信向けのアルバムもリリースされたところですが、やっぱり〈音楽とはきちんと盤を再生装置にセットして聴くのが粋なんですよ〉と小西康陽さんに言われてるような気がします。
この“東京の合唱”のMVは、『高音質の~』を含むいくつかのリリースがあったので、それに合わせて先日YouTubeにアップされたものだと思います。このサムネの絵力よ。曲はもう21年(!!!)も前にリリースされたものですが、何度聴いても全然色褪せないし、MVでは野宮真貴さんらを乗せた人力車が走ってて、まさに〈師走〉って感じ。やっぱり年の瀬にふさわしくないですか。浅草出身の自分としては、人力車がちょうど自分の通っていた幼稚園の横を走っていって、幼い頃や忘れかけていた自分のルーツを思い出します。なんかこの付近の商店街が最近揉めてるらしいけど(笑)。
 
【天野龍太郎】
Summer Eye “人生”
〈なんか変な曲なんですよ〉と亮太さんに聴かせてもらったSummer Eye=夏目知幸さんのファーストシングル。たしかに、なんか変な曲。なんか変な曲だし、〈Summer Eye〉なのに冬にデビューするの?と、ひっかかりまくり。でも、最近はするっと聞き流せてあとに何も残らない音楽が多すぎるから、〈なんだこれ?〉と妙な違和感が残るくらいの音楽のほうがいいよね。配信リンクはこちら
 
【鈴木英之介】
三宅純 “Hollow Bones”

4年ぶりにリリースされた新作『Whispered Garden』からの1曲。不穏なムードをまとっているのに、どこか郷愁をそそる旋律。潔癖的と言っていいほど整然としているのに、あらゆる枠からはみ出そうとするカオティックさが感じられるアレンジ。矛盾する要素を幾重にも抱え込みながら不思議な調和を見せるこの異形の音楽は、語り手泣かせだ。エクスペリメンタル、チェンバーポップ、エスノポップ……うーん、どれもいまいちしっくりこない。まああらゆるジャンル分けを拒むその孤高さこそが、三宅作品の三宅作品たるゆえんなのだろう。
 
【田中亮太】
Summer Eye “人生”
夏目知幸、ついに動き出す。いな、Summer Eyeがはじまった。アシッドベースとボサノバギターと愛してる。ポップミュージックに現れたミュータント? 人新世を生き抜くためのサプリメント? フォークじゃない、これはメッセージ。涙の帰還、ではなく歓喜の爆笑。

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