MAN WITH A MISSION | Skream! ライヴ・レポート 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト – Skream!

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LIVE REPORT
Japanese
Skream! マガジン 2022年01月号掲載
2021.12.01 @横浜アリーナ
Reported by 吉羽 さおり Photo by 酒井ダイスケ
MAN WITH A MISSION、2年ぶりのアリーナ・ツアー”Merry-Go-Round Tour 2021″が横浜アリーナからスタートした。全国3ヶ所、全6公演の今回のツアーは、”Day1:Songs of Innocence”、”Day2:Songs of Experience”をコンセプトにDay1ではMAN WITH A MISSIONが活動初期にともに切磋琢磨してきたアーティスト、Day2ではMAN WITH A MISSIONがおすすめしたいとともに、音楽シーンを盛り上げていくアーティストをオープニング・ゲストに迎え開催された。本レポートとなる、12月1日の横浜アリーナ”Day2:Songs of Experience”公演では、以前からMAN WITH A MISSIONが、というよりJean-Ken Johnny(Gt/Vo/Raps)が様々な媒体でレコメンドしてきた10代のアーティスト、Doulが登場。デビューして1年、これだけの大舞台は初めてだったというが、バンドを率いてブルージィなロックンロールからクールでアンビエントな曲まで、堂々たるパフォーマンスでステージに存在感を刻んでいった。

横浜アリーナの大きなステージを覆っていた、巨大で、立体的な狼の装飾がするすると上がり、いよいよMAN WITH A MISSIONが登場。アリーナからスタンド席までバンドのタオルが高く掲げられた光景に、”ライヴ”が帰ってきた実感が湧く。観客の興奮は1曲目「Change the World」で一気に跳ね上がって、続く「evils fall」、「evergreen」でレーザーや炎の特攻がド派手に上がると、さらに会場が熱気で包まれた。コロナ禍でのライヴで、観客は歌うことはできないし、歓声など声を発することはできないけれど、爆音や炎の熱を感じたり、何より大勢の人の興奮や熱を身近に感じるこの空間や、コブシを挙げ手拍子で一体化する会場の空気が心地いい。観客に”準備ハデキテマスカ”と問い掛けたJean-Ken Johnnyは、”オ前タチガ声ヲ出セマイガ、俺タチハ関係ナイ。全部、伝ワッテル。言イタイコトハヒトツ、思ウ存分カカッテキナサイ!”と続け、「Raise your flag」の馬力あるアンサンブルで観客を一斉にジャンプさせ、Tokyo Tanakaはアンセミックな歌を響かせる。「database」では強靭なSpear Rib(Dr)とKamikaze Boy(Ba/Cho)によるビートがフロアを揺るがし、DJ Santa Monica(Djs/Sampling)がキレのある遊びで観客を煽った。”新シイ曲ヲ”(Jean-Ken Johnny)と披露された、今回のツアー・タイトルに冠した「Merry-Go-Round」のドラマチックで、また壮大なスケール感を持ったサウンドスケープはこうした大きな会場がとても似合う。アリーナからスタンドまでスマホのライトが一斉に灯った「Memories」での恍惚感、そしてその先の世界へと踏み出していくような「higher」の軽やかな躍動感は、前半のハイライトとなった。

おなじみの”MISSION MOVIE”でいったん、観客の高いテンションを和らげて迎えた中盤は、Jean-Ken Johnnyとサポート・ギターのE.D.Vedderによるアコースティック・セットで、「小さきものたち」をプレイ。今年6月にリリースしたシングル『INTO THE DEEP』に収録されたこの曲は、NHK「みんなのうた」でもオンエアされた曲だ。日本語詞で、子どもに語り掛けるような優しさでシンプルな世界を描いた曲は、この会場にもまっすぐに響く。

そして”MISSION MOVIE”と「小さきものたち」の間、しっかりエネルギーをチャージしたメンバーを迎え入れ、後半はさらにフルスロットルで進んでいく。このツアー直前、3年ぶりとなるニュー・アルバム『Break and Cross the Walls Ⅰ』をリリースし、現在連作となるアルバムを絶賛制作中だとアナウンスするとその最新作から1曲――”マァ、俺タチノ曲ジャナインダケド”(Jean-Ken Johnny)と言ってAC/DCのカバー「Thunderstruck」を投下。ロックンロールの痛快極まりないギター・フレーズとダイナミックなビート、キャッチーなメロディやコーラスのリフレインというシンプルな要素で構成された曲だが、そのアンサンブルはとても華やか。ライヴではより馬力もボリューム感も増して、会場にリフが轟く。昨年の10周年野外フェス&ワンマン・ライヴはコロナ禍の影響で開催が叶わなかったが、今回のツアーでは新たな曲とともに、11年分のバンドの歴史を振り返るように懐かしい曲も並んだ。後半には「When My Devil Rises」なども披露されたが、すべては演奏しきれないのでメドレー形式で「Take Me Under」、「Dive」、「Hey Now」と観客に最高のドライヴをさせていった。大きく揺れる会場に”ヤルジャナイノ”と言ったJean-ken Johnnyは、”コノ状況下デ、目一杯楽シンデクレル姿ニ勇気ヲ貰エル”と力強く語る。そして”イツカ声ヲ出セルヨウニナルト信ジテイルケド、ミナサン2年声ヲ出シテナイカラ。全バンドガコレデモカ! ト声ヲ出サセルト思ウノデ、ソレマデニ腹筋、鍛エテオイテクダサイ。マタ、ライヴ会場デ元気ナ姿デ会イマショウ”という言葉から、ラストに演奏したのは「Remember Me」。エモーショナルなサウンドと歌が、未来への確かな約束として響いた。

大きな拍手で迎えられたアンコールでは、2022年5月にアルバム第2弾『Break and Cross the Walls Ⅱ』がリリースとなること、そして夏には全国ツアーが行われることが発表された。こうしてまたツアーというものができた喜びを実感し、それは音楽の火種を絶やさずにいたアーティストやバンド、何より観客のみなさんがいたからだと改めて語ったMAN WITH A MISSION。また”(コロナ禍の)コノ状況デモ、ライヴヲヤレルコトヲ一緒ニ証明シテイキマショウ”(Jean-Ken Johnny)と、この場をともに作り上げてきた観客とさらに熱い握手を交わす。アンコールでも新旧交え、「INTO THE DEEP」、「Winding Road」、そしてやっぱりこの曲、「FLY AGAIN -Hero’s Anthem-」で笑顔を舞い上げていった。
2021年12月に横浜、名古屋、大阪の3都市で開催された、約2年ぶりとなるアリーナ・ツアーより、横浜アリーナ公演2日間を収録した映像集がこちら。初日と2日目、それぞれ17曲が収められ、大ボリュームで、初期の楽曲が中心となった初日と2013年から最新楽曲までが披露された2日目と、マンウィズのこれまでの歴史を振り返るような内容となっている。気合の入ったパフォーマンスや迫力のある演出だけでなく、ユーモアたっぷりの面白動画もしっかり収録。メンバーそれぞれを絶妙なアングル(笑)でとらえたカメラ・ワークで、様々な視点から楽しめるのは映像作品ならではだが、メンバーの高揚感からは再び動き出す世界へのポジティヴな感情も伝わるし、フロアの熱量も臨場感満載だ。(山本 真由)
約3年半ぶりのオリジナル・アルバムとなる今作は、2作連続リリースの第1弾。「Remember Me」や「Change the World」などの重厚感があってドラマチックな、これぞマンウィズという曲から、「yoake」やタイトル曲など新たな扉を開いてバンドのスケール感を広げていく曲など全14曲が収録された。そのサウンドスケープの原点にあるのは、初めてロックに触れたときの痺れるような感覚だろう。その身体を貫いた興奮や恍惚感を何度でも味わうように、音楽の探求や自己の探求がより深く続いている。爆裂なサウンドから、緻密なディテールを重ね描きこんだ小宇宙的サウンドなど、手法はそれぞれだが、音楽の中心にある衝動感や熱量に心を掴まれる内容になっている。続く作品への期待も高まる。(吉羽 さおり)
士気が上がるような、あるいは唱えることで自分にエンジンをかけるようなポジティヴなシンガロングで始まる表題曲。Kamikaze Boy(Ba/Cho)とJean-Ken Johnny(Gt/Vo/Raps)による曲で、骨太なビートにベースが暴れまわるダイナミックなバンド・アンサンブルに、ストリングスがさらなる厚みを加えるサウンドが強力だ。メリーゴーランドから湧くのはポップなイメージだが、曲が進むごとにうねりを帯びて、そのパワーとグルーヴの遠心力で、途方もない場所に連れていくような曲になっている。昨年の3ヶ月連続シングルからのEP、そして6月にリリースしたシングルとハイペースで、良質な曲を作り上げてきている現在。その充実度に、先に見据えるだろう作品への期待が急角度で上がってくる。(吉羽 さおり)
タイトル曲は、これまで何度かタッグを組んだ中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)と共同アレンジ。バンド・サウンドとテクノ、エレクトロ・ミュージックのミックスはマンウィズにとって新しいものではないが、今回はより有機的な融合を果たしていて、互いが衝突した爆発感をパッケージしたというより、継ぎ目なくシームレスで、新たな生き物の鼓動がある。五感を研ぎ澄ませた臨戦態勢で機を狙うような、スリリングな曲となっており、そのゾクゾクする緊張感が彼らのロック・ミュージックの地平をさらに切り拓く曲になりそうだ。全曲にタイアップがあり、ドラマチックな映画挿入歌「Perfect Clarity」、NHK「みんなのうた」に決定している「小さきものたち」とバンドの枠も広げるシングルになった。(吉羽 さおり)
結成10周年を記念した、メンバー選出によるベスト盤は、代表曲や、最新シングルから「Change the World」と「Rock Kingdom feat. 布袋寅泰」の全17曲を収録。2011年に発表されブレイクスルーのきっかけとなった「FLY AGAIN」や、ドラマ主題歌として広くリスナーを獲得した「Remember Me」、TAKUMA(10-FEET)をフィーチャーした「database」や中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)プロデュース曲「Hey Now」、その他ライヴでのキラーチューンが揃う。力のあるロック・バンドだと証明してきた10年。そして様々なジャンルを内包し、繊細さとダイナミズムを兼ね備えた王道たるロック・ミュージックを更新し続ける彼らの歩みが凝縮された1枚だ。(吉羽 さおり)
ドキュメンタリー映画の公開に始まり、アニバーサリー・イヤーの企画が目白押しのMAN WITH A MISSION。リリース3部作第1弾は、B面曲とカバー作品集。自身の映画主題歌で、大合唱に士気高まる新曲「The Victors」が1曲目を飾り、MR. BIGカバーや10-FEETのコラボ・アルバム収録曲、和田アキ子カバーなどと、シングルのカップリングならではのコアで、狼のバックボーンがより垣間見える曲が一堂に集まった。「ワビ・サビ・ワサビ」は哀愁が練りこまれた直球のパンクであり、FARのギタリスト Shaun Lopezとの「Mr. Bad Mouth」、「The Anthem」は鋭いエッジをモダンに昇華したポスト・ハードコアの香りが濃い。バンドの奥行きを知る1枚だ。(吉羽 さおり)
結成10周年を記念した3部作第2弾のリミックス・アルバム。Jagz KoonerやSLUSHII、Ken Ishii、石野卓球らが手掛けた全12曲を収録。新たな曲としては、上田剛士(AA=)による「Take Me Under」と、”Hero’s Anthem”と題した「FLY AGAIN」のニュー・リミックスが加わった。前者は、これぞAA=というアプローチでのっけからミニマルで攻撃的なデジタル・ノイズが鳴り響き、メロディを生かしながらも新次元の曲へ。また後者はコーラスやシンガロングをまとってライヴのボルテージを封じ込めたようなミックスに。キャッチーで、印象的なリフやフレーズ感といった武器が多い原曲だからこそ、素材としてのポテンシャルも高い。マンウィズの強みを再確認するリミックスだ。(吉羽 さおり)
5thアルバムから1年を経た6月現在も、同作を引っ提げ国内外を巡るロング・ツアー中であるマンウィズ。後半は初のアリーナ・ツアーであり、地道に活動すること9年で本人たちも予想だにしなかった光景を目にしているという。そして今作「Remember Me」はフジテレビ月9ドラマの主題歌に決定である。いったいどこまで行くのだろう。希望に満ちて、高揚感とエネルギーに溢れたこのロック・チューンを聴けば、突き進む彼らの道になんの迷いもないことが伝わってくる。好きな音楽、マニアックな志向は変えることなく、そのスケールを大きくしていく気概が詰まった曲だ。先行配信された「Left Alive」、「FLY AGAIN 2019」なども収録され、アルバム以降の晴れやかな第一声となった。(吉羽 さおり)
前作『The World’s On Fire』からの深化を見せ、さらなる境地へと踏み込んだ5thアルバム。1曲目は、人間と人工知能の能力が逆転するシンギュラリティ(技術的特異点)を歌う「2045」。パワフルなビートで、新次元に恐れることなく自分の可能性を信じることが歌われる曲でアルバムは幕を開け、不穏なトーンのリフが印象的な「Broken People」へ雪崩れ込む。キッチュなガレージ・パンクと相反するインダストリアル・サウンドが衝突したようなこの曲があるかと思えば、美メロのバラード「Please Forgive Me」、そしてMWAMの王道をアップデートした「Break the Contradictions」など、音楽性は幅広く、その挑戦をしなやかなバンド感で昇華している。既発曲も作品の彩りとなっており、音の地平はどこまでも広い。(吉羽 さおり)
轟音ギターリフを中心に、ダンサブルなサウンドがグルーヴ! オープニングナンバーの「DON’T LOSE YOURSELF」からいきなり、高揚感がヤバいです。ロックテイストありパンキッシュあり、ポップなメロディーも聴かせるニクいワザも駆使しつつ、さらにデジタルサウンドも効果的に導入、etc……。様々な音楽性を旺盛に消化・吸収しているそのスタイルは、インタビューで本人も語っている”AIR JAM世代”が拓いた日本のロックシーンの新たな流れを受け継ぎ、それをさらに洗練させた形で表現しているかのよう。狼フェイスとおフザケ感満載な言動に、”オマエら何者やねん!?”とうさんくさげな視線を向けている方々も多いのではと思われますが……(笑)。相当ハイレベルな音楽知能がなければ、こんな作品は絶対に生み出せないはず! ヤバいです!(道明 利友)
10周年を経て褪せぬロックの衝動と甘美な夢を紡ぐ、狼たちのアンセム――2作連続でアルバムをリリース
結成10周年、ベスト・アルバムをリリースするマンウィズ――その軌跡と現在進行形の思いを語る
果てなきロックの地平とロマンを追い続ける、狼たちの叫びを聴け
ソコニ ルールハ イラナイ。衝動ノママ、思ウガママ―
究極生命体による、究極の両A面シングル! 両極端なロックとバラードで魅せる、オオカミたちの二面性
2021.12.01 @横浜アリーナ
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