89歳の作曲家・一柳慧が目指した「伝統のくびきからの解放」 – 読売新聞オンライン

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 先月89歳を迎えた作曲家の一柳慧が1980~90年代に書いた邦楽作品が、新たな録音でよみがえった。若い世代の奏者による こと三絃さんげん 、尺八が織りなす響きは、伝統のくびきから解き放たれ、作曲当時よりも自由で創造的だと作曲家は話す。(文化部・松本良一)

 日本の「古典」と西洋の「前衛」が交錯する場ともいえる邦楽器のための現代作品。演奏にあたって最も重要なのは、「奏法をはじめとする伝統の束縛からいかに『自由』になれるかです」。言い換えれば、楽譜に書いてある通りになるべく上手に弾くといった考えから、どれだけ離れられるかということだ。
 邦楽は本来、記譜されない無音の「間」や自在に伸縮する時間の流れを大切にする。若い頃、ニューヨークでジョン・ケージに学んだ一柳は、「すべてがきっちり書かれた音楽」を好まない。80~90年代に邦楽作品に集中的に取り組んだ時、「あえて音符に記さない箇所を作り、奏者の技巧ではなく、想像力によって音楽を完成させることをめざした」と話す。

 昨年出た「寺井結子プレイズ一柳慧邦楽作品集」(カメラータ)は、84年生まれの寺井をはじめ、中島裕康(箏)、平田紀子(三絃)、黒田鈴尊(尺八)という若い世代の演奏家によるアルバム。精巧な技と繊細な息づかいに加え、何より自ら積極的に音を作っていく気概が感じられる。「 合わせ」「花の変容」「秋の連歌」ほか緩急織り交ぜた5曲、60分弱の流れるような演奏は、邦楽でも現代音楽でもないような、独自の世界を創っている。「何も書いていない部分について、私に何かを尋ねることなく、自分たちで判断、解釈してどんどん進んでいくのが頼もしかった」
 音楽はいわば様式美によって規定される芸術だ。「今日、新しいものを生み出すには、それぞれの音楽が持つ様式の境界を超えて表現を広げる必要がある」。若い頃からの持論は今も変わらない。

 10月には新作「ヴァイオリンと三味線のための二重協奏曲」が、カンブルラン指揮の読響によって初演される。「弦をこするバイオリンと弦をはじく三味線、まったく異質の楽器が絡むことで何が生まれるか。すでに書き上げたので、実際に音を聴くのが楽しみです」。自由な地平をめざすパイオニア精神は、ますます広がっている。
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