【理論】王道進行9選を解説!作曲・アレンジに使えるコードをアニソン・ボカロ・JPOPを交えて紹介 2022年10月 | ライブUtaTen – うたてん

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音楽知識
2022年6月7日
王道進行を使ってみたいけど、使い方や構造が分からないという人も多いのではないでしょうか?
実はとてもシンプルなコード進行で、使用例と構造を理解すれば簡単に使えますよ。
この記事のもくじ
王道進行は、シンプルな構造ながらもマイナー感のある、味わい深いサウンドが魅力のコード進行です。
個性的な進行は、応用理論を使っている場合が多いです。
しかしこのコード進行は、ダイアトニックコードやキー、度数などの基本的な音楽理論だけを使っています。
そのため、基本理論を知っていれば初心者でも簡単に理解できるでしょう。
はじめに王道進行の構造や特徴を紹介するので、どんなコード進行か気になるという人はぜひ試してみてくださいね。

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王道進行とは、メジャーキーのダイアトニックコードを4536の順になるよう「Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm」と並べたコード進行です。
つまり、キーがCメジャーなら「F→G→Em→Am」、Gメジャーなら「C→D→Bm→Em」となります。
ダイアトニックコードのみのシンプルな進行ですが、Ⅰmaj7やⅠコードは無く、最後の2つがトニック機能を持つマイナーコードと構造が独特です。
これによって、メジャーキーながらもマイナー感が強調された雰囲気が作られます。
ダイアトニック外の和音を使わずに個性的な雰囲気が出せるため、作曲初心者でも気軽に使えるコード進行です。
 
王道進行は日本のポップスやアニソン、ボカロ曲によく使われているコード進行です。
特に、1990年~2000年代の曲の多くに使用されており、その頻度は「ランダムに5曲聴けばその中の1曲は必ず使っている」と言われるほど。
現在は流行や音楽の複雑化によって耳にする機会は減りましたが、使用頻度の高さは健在です。
洋楽ではあまり使われないことからも、メロディアスで音数の多い音楽が好きな日本人の感性にマッチしたコード進行だといえるでしょう。
 
情報源によってはカノンコードや小室進行、1625の循環コードなどのJPOPの定番コードも王道進行と呼ばれることがあります。
これは「王道」という名称が「使用頻度が高く、往年のヒット曲のような雰囲気を持っている」という意味を含んでいるためです。
基本的には4536進行を指しますが、他の定番進行も王道進行と呼ばれると覚えておくと区別しやすくなりますよ。
 
王道進行
王道進行の構造や特徴を覚えたら、次は定番の使い方を覚えましょう。
使い方によってはセカンダリードミナントやテンション、オンコード(分数コード)、代理和音などの知識も必要になりますが、基本は配置するだけでOKです。
次は王道進行の定番の使い方を紹介するので、ぜひアレンジや作曲の参考にしてみてくださいね。

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王道進行はキャッチーで盛り上がるサウンドを演出しやすいため、サビの冒頭で使うのが定番です。
キーに合った王道進行を配置するだけとやり方はシンプルで、前後の展開を工夫すればより名曲のような雰囲気になります
もちろん、AメロBメロにも使えますが、少し難易度が高いのでまずは定番の使い方に慣れるのがおすすめです。
 
サブドミナントから始まりトニックで終わる、循環コード的な構造を持つため、何度も繰り返せるのが王道進行の特徴です。
この特徴を生かすと、ポップスやR&B、HIPHOPなどで良く使われるループ進行を作れます。
ポイントはメロディや伴奏に変化を付ける前後の展開を工夫するの2点。
2つのポイントを意識して作曲すれば、リスナーを飽きさせにくい曲を作れるのでぜひ試してみてくださいね。
 
王道進行を使ってもありきたりなサウンドになる場合には、少しアレンジして使うのがおすすめです。
基本形に7度を足すだけでも雰囲気を変えられます。
9th13th11thなどの緊張感のある音を足したり、add9susu4に変えたりするとさらに個性的なサウンドになるでしょう。
エモさを出したいなら、ノンダイアトニックな7thコードを挿入するセカンダリードミナントや、同じ機能の和音に置き換える代理コードもおすすめ。
応用的なテクニックを使えば、個性的なサウンドを演出できるのも王道進行の魅力です。
 
キャッチーで音数の多い楽曲が作りたい人は、JPOPで使われている王道進行を参考にしてみましょう。
使用頻度が高いだけでなく、簡単な使い方から大幅なアレンジが施されたものまで色々な使われ方をしているので、作曲のネタ集めにもピッタリです。
次は、JPOPで使われている王道進行を紹介します。

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王道進行
上記の進行は、あいみょんの「君はロックを聴かない」で使われているキーGメジャーの王道進行です。
オンコードやテンションなどのアレンジがなく、原型通りの状態で使われているのが特徴
シンプルな響きを演出できる進行なので、キャッチーなポップスやロック曲を作りたいときに活躍します。
アレンジを工夫しないと単調な雰囲気になりがちですが、使い方次第でモダンな雰囲気も出せる王道進行です。

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王道進行
dim7を挿入し、上昇するラインを作り出すことで切なさを演出したのが、上のコード進行です。
こちらは、Official髭男dismの人気曲「I LOVE…」のサビ冒頭の進行を参考に作成しました。
Ⅲm7とⅥm7の間に#Ⅴdim7という、Ⅵm7に対応するセカンダリードミナント・Ⅲ7(Ⅴ7/Ⅵ)の代理コードが使われているのが特徴。
この#Ⅴdim7はⅢ7(♭9)のルートを省略し、3rdをベースにしたものと同じ構成音なので、強いドミナント感を持っています。
部分的に不安定な響きのコードを使い、切ない雰囲気を上手く演出した王道進行です。

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王道進行
王道進行の前半部分をおしゃれにアレンジしたい人におすすめなのが、Novelbrightの「夢花火」サビ冒頭で使われている進行です。
Ⅴ7のベース音をルートから♭7thに変更することで、Ⅳmaj7のルートを維持する構造になっています。
最初のⅣmaj7はシンプルに響きますが、2つ目のコードがドミナントとサブドミナントの中間のあいまいな響き方をするので、おしゃれで浮遊感のある印象になりますよ。
1ヶ所をオンコードに変えるだけでも簡単に雰囲気を変えられるので、ぜひ試してみてくださいね。

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王道進行
洋楽はR&B的な雰囲気の曲や、トニック感・テンション感を大切にした曲が多いため、日本のポップスやアニソン、ボカロ曲ほど王道進行は使われていません。
しかし、ポップな曲の中や往年の名曲には、4536進行に似たものを使った楽曲がいくつかありますよ。
次は、洋楽で使われている王道進行のアレンジ例を2つ紹介します。
 

王道進行
王道進行の最初のⅣmaj7を、代理コードを使ってⅡm7に置き換えたものが上記の進行です。
参考にしたのはEarth, Wind & Fireの代表曲「September」のサビ部分。
Ⅱm7はⅣmaj7と同じサブドミナントですが、マイナーコードなので置き換えるだけでも落ち着いた響きになります。
前半部分がジャズの定番進行ツーファイブになっているため、よりジャジーな響きになっているのもポイント。
R&Bやファンクの雰囲気が好きな人におすすめの、おしゃれなサウンドの王道進行です。

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王道進行
Cyndi Lauper の名曲「Time After Time」のイントロ、Bメロ部分を参考に作成したのが上記のコード進行です。
最後のコードのⅥm7の代わりにⅣメジャーコードが配置され、サブドミナントで終わる構成にアレンジされているのが特徴。
Ⅳメジャーが半数を占めているため、全体もサブドミナント特有の浮遊感のある雰囲気になっていますよ。
厳密には王道進行ではありませんが「Ⅳ→Ⅴ」から始まる展開が好き、浮遊感のある曲が好きな人にピッタリのコード進行です。

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アニソンボカロ曲では、JPOPと同じくらい、もしくはそれ以上の頻度で王道進行が使われています。
アレンジも、シンプルなものから大幅に変更されたコード進行までと幅広いので、アニメやボカロファンはもちろん、色々なパターンを学びたい人もチェックしてみましょう。
最後に、アニソン・ボカロ曲で使われている王道進行を紹介するので、日本の音楽らしいキャッチーなサウンドが好きな人は参考にしてみてくださいね。
 

王道進行
DECO*27 の「シンデレラ feat. 初音ミク」を参考に作成したコード進行です。
冒頭に6コードを配置することで、親しみやすいサウンドを演出しています。
ほぼ原型通りですが、最初に6thの音、E♭ならC音を足すことで基本の王道進行とは違った、メジャーペンタ感のある雰囲気に。
CはFメジャーの5thでもあるため、前半部分がペダルポイント的な統一感のあるサウンドになっているのもポイントでしょう。
シンプルな構造ながらも、音楽的な響きが楽しめる王道進行です。

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王道進行
このコード進行は、王道進行の後半部分を大きくアレンジしたものです。
アニメ「境界のRINNE」のOPに起用された、KEYTALKの「桜華爛漫」のサビを参考に作成しました。
前半部分は原型に近い構成ですが、後半のⅢmの位置を後ろにズラし、Ⅵm7に解決するためのセカンダリードミナントに変更しているのが特徴。
加えて空いたスペースに、おしゃれな響きのⅠmaj9を配置しトニック感を演出しています。
末尾には、Ⅳに解決するためのセカンダリードミナントⅠ7が挿入され、滑らかにループできる構造に変えられていますよ。
ノンダイアトニックコードがエモさを演出している、個性的な王道進行です。

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王道進行
3コード目のⅢmを省略し、Ⅵmを伸ばすという定番アレンジが施された王道進行です。
アニメ映画「機動戦士ガンダムNT」の主題歌で、人気作曲家・澤野弘之とLiSAのコラボ曲「narrative」を参考に作成しています。
「F→G→Am」と、ルートやコード構成音が上昇する構造になっているのが特徴。
トニックのAmが長く鳴っているため、マイナーキーのようなロックで切ない雰囲気になっています。
シンプルでダークな響きが印象的な、ロックにピッタリの王道進行です。

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王道進行
上記は人気バンドアニメ「けいおん」のEDテーマ「Don’t say “lazy”」を参考に作成したコード進行です。
王道進行の最後にⅤを挿入することでルートの上昇下降ラインを作り、盛り上がりとタメの両方を演出しています。
繰り返して演奏すれば「Ⅵm→Ⅴ→Ⅳ」という滑らかなラインも作れるため、メリハリのあるループ進行を作りたいときにもおすすめ。
コードを追加するだけの簡単アレンジで、抑揚のあるサウンドを演出した王道進行です。

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王道進行はポップスやバラード、ロックなど色々なジャンルで使える便利なコード進行です。
ピンポイントで使ってキャッチーな雰囲気を出すのはもちろん、ループさせて使ったりアレンジしたりと、幅広く使えますよ。
理論に自信があるなら、転調と組み合わせるマイナーキーのモーダルインターチェンジと組み合わせる使い方もおすすめ
まずは、ピアノやギターなどのコード楽器を使って演奏してみて、雰囲気や響きを覚えるところからはじめてみてくださいね。
 
この記事のまとめ!
 
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ton.
ジャズ、R&B、FUNK、BLUESを演奏するギタリストです。歌や音楽理論にも興味があり日々勉強しています。音楽をもっと楽しむためのヒントを届けていけたらと思います。

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