紅白で再注目のBABYMETAL、その軌跡振りかえる特番 » Lmaga.jp – Lmaga.jp(京阪神エルマガジン社)

BABYMETAL
2020年に10周年を迎えた2人組メタルダンスユニット・BABYMETALの軌跡を振りかえるスペシャル番組が、1月24日にWOWOWで放送される。
「アイドルとメタルの融合」をテーマに、2010年に結成されたBABYMETAL。当時まだローティーンだったツインテールの少女3人がでゴスロリファッションに身を包み、コープス・ペイントに白装束のバックバンド(通称・神バンド!)が奏でるラウドなメタルサウンドに乗せて激しく歌い踊るという、唯一無二のパフォーマンスで話題を呼び、国内の音楽フェスに引っ張りだことなった。
2014年の1stアルバム『BABYMETAL』は、全米アルバムチャートに日本人最年少でランクイン。日本武道館で3日間に渡ってワンマンライブをおこなうという快挙を成し遂げる一方、初のワールドツアーを敢行。メタルの世界最高峰フェス『ソニスフィア・フェスティバル』で本場のメタルファンを熱狂させ、さらにはレディー・ガガの北米ツアーのオープニングアクトを務めるなど、海外でも異例の存在感を発揮してきた。
2010年代の日本といえば、空前のアイドル戦国時代。これまでにないユニークなコンセプトのアイドルが次々に登場してしのぎを削り、BABYMETALも当初はそのひとつのように思われた。
しかし結果的に、いわゆるアイドルファンよりもコアな音楽ファンや批評家の支持を集め、思いがけず海外で人気を集めることになったのは、メタルとツインテールの少女というギャップが万国共通のオタク心をくすぐっただけでは決してなく、そのパフォーマンスが純粋にハイクオリティで世界中どこを探しても似たものがないという独自性を確立していたからにほかならない。
「メタルアイドルね〜」と斜めに眺めていた人も、彼女らのライブをひと目見れば目からウロコが落ちるはず。コアなメタルファンも唸らせる超絶メタルサウンドに乗せて、東洋的なエキゾチズムを漂わせる振り付けで舞い踊り、シャウトするパフォーマンスは、どこか演劇的でもあり、舞台芸術としてもいまだかつてない独創的なもので、決して観客に媚びず、未知のステージへと果敢に挑戦し続ける少女たちのピュアな輝きに心奪われずにいられない。
コロナ禍の2020年はワールドワイドに活躍してきたBABYMETALには試練の年となったが、『NHK紅白歌合戦』への初出場で日本でも再び人気が広がりつつある。
今年は2014年以来となる日本武道館でのライブ10公演も控えており(2月14日には全国各地の映画館でディレイ・ビューイングも決定)、BABYMETALという「伝説」の軌跡を、この機会にぜひ体験したい。スペシャル番組『10 BABYMETAL YEARS −WOWOW Special』の放送は、1月24日・夜9時から放送される。
文/井口啓子

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