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［Ｎｅｗ門］は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「ロック」。
ジョン・レノンにクイーン、そしてデビッド・ボウイ。往年活躍した洋楽アーティストが、雑誌の表紙を飾る。懐かしい昭和の光景……ではなく、令和の現在の話だ。若いロックスターが不在の今、中高年層が洋楽市場を支える構造が続いている。
ジョニ・ミッチェル、キッス、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン……。この１年の音楽誌の特集をざっと拾い上げると、１９７０年代を中心に活躍したスターを回顧する記事ばかり目立つ。コロナ禍で来日が難しいという事情もあるが、そもそも洋楽の人気は低迷している。
日本レコード協会によると、２０２０年のＣＤなどの邦盤と洋盤の生産数の比率は、邦盤８９％に対し、洋盤１１％。１０年代前半までは、約２割が洋盤だったが、下降傾向は止まらない。国内勢のサウンドの質の向上という前向きな理由もあるが、洋楽の質的な変化、環境面の変化が指摘されている。
今の米音楽界の主流の一つはヒップホップ。速射砲のようなラップで米国の社会問題などを歌う。意味が分からなくてもメロディーを口ずさめたかつての洋楽ヒット曲とは異なり、日本では浸透しにくい。また、インターネットの発展で情報があふれ、海外も身近になった。今の若者は、かつてのような強い憧れを海外の文化に抱かず、外国人スターがカリスマ的人気を獲得しにくくなった。
そんな中、ＣＤなどの売り上げトップに贈られる同協会の日本ゴールドディスク大賞「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」（洋楽部門）に３年連続で輝いたのがクイーンだ。１９７０年代から活躍する英ロックバンドで、ボーカルのフレディ・マーキュリーは９１年に４５歳で死去したが、２０１８年公開の伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」のヒットが人気を再燃させた。クイーンの前の年間トップは、１９７０年に解散したビートルズだ。レコード会社は、中高年の熱心なファンがいて、確実に売り上げが見込める過去の名作のリマスター（高音質化）などに力を入れる。洋楽を扱う出版社にも同様の動きが見られる。
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