【昭和歌謡が再注目】若者から注目を集めている理由とは – うたびと

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近年、昭和歌謡がSNSをはじめ多くのメディアで取り上げられ、若者から注目を集めています。昭和から平成、令和と移り変わった今、なぜ昭和歌謡が若者から注目されているのでしょうか?今回は、昭和歌謡ブームに火が付いた理由を、昭和歌謡を代表する曲とあわせてご紹介します。
昭和歌謡が全盛期を迎えたのは1960年代後半~70年代前半で、この頃には演歌、ラテン、ハワイアン、ジャズ、ニューミュージックといったさまざまな音楽ジャンルを取り入れて独自の音楽ジャンルを確立。作曲家・作詞家としては筒美京平や阿久悠らがヒット曲を次々と世に送り出し、シンガーソングライターとしては井上陽水や荒井由実らが注目されるなど、多種多様な音楽が生み出されました。
また、1960年代~80年代にかけては「アイドル歌謡」と呼ばれるジャンルもヒットを出し続けていました。解散宣言が大きな話題を呼んだキャンディーズやアイドルの代名詞ともいえる松田聖子、昭和を代表するスター山口百恵、華やかな衣装でファンを虜にしたピンク・レディー、唯一無二のハスキーボイスでファンを魅了した中森明菜ら、昭和を代表するアイドルたちが活躍したのもこの時期にあたります。
このように、昭和の時代に多種多様な音楽が生まれ、それらのジャンルをひとくくりにして「昭和歌謡」と呼ぶことが多いようです。
昭和の時代に生まれた楽曲の中には、今の時代でも廃れることなく抜群の知名度を誇る楽曲も多くあります。
例えば、『UFO』(ピンク・レディー)や『スニーカーぶる〜す』(近藤真彦)、『勝手にしやがれ』(沢田研二)、『タッチ』(岩崎宏美)などは、現代でもカラオケランキングで上位になるほど歌われており、昭和歌謡が多くの人々の中に根付いていることがうかがえます。
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カラオケでは上位になることがあった昭和歌謡ですが、30年以上の時を経て若者たちの間に流行するまでには、さまざまなきっかけがありました。
近年、インターネットやスマートフォンが普及したことで、TwitterやInstagramなどのSNSやYouTube、TikTokなどの動画共有サイトが身近なものとなりました。これらのサイトには、気に入ったコンテンツを共有する機能があります。コンテンツを共有することでさまざまな楽曲が数珠つなぎのように広がっていき、もともとは興味がなかった方も自然に耳にする機会が増えたため、昭和歌謡が再び認知されるようになった、という見方があります。
SNSに加えて、「マツコの知らない世界」に昭和ポップスの愛好家であるさにーが出演するなど、人気番組で昭和歌謡についての特集が組まれて紹介されるようになりました。何気なく聴いているだけではなかなか気づくことができない楽曲の奥深さや時代背景といった魅力も紹介されており、メディアからも昭和歌謡のブームを後押しするかたちになりました。
若者を中心に人気を集めている人気女優・上白石萌音が2021年6月23日に昭和歌謡をカバーしたアルバム『あの歌‐1-』『あの歌‐2-』をリリースしました。70年代の楽曲をカバーした『あの歌‐1-』はオリコン週間ランキング6位(2021年7月5日付)、80年~90年代の楽曲をカバーした『あの歌‐2-』はオリコン週間ランキング7位(2021年7月5日付)を記録しており、若者たちの間にも昭和歌謡が浸透するきっかけのひとつかもしれません。
昭和を代表する作曲家・筒美京平が2020年10月7日に死去したことも大きな話題となりました。メディアでは筒美が手掛けた楽曲が紹介されたり、カラオケや音楽配信サービスでの人気が急上昇したりするなど注目を集め、これも昭和歌謡ブームの一因といえるでしょう。
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また、TikTokが開催したキャンペーン「#昭和に憧れる」チャレンジにより、若年層を中心にさまざまな昭和歌謡を使用したショート動画が公開されています。例えば、シンガーソングライターとして活動しているおかゆが久保田早紀『異邦人 -シルクロードのテーマ-』や中島みゆき『悪女』などをカバーして投稿しており、注目を集めています。


さまざまなきっかけによって注目を集めるようになった昭和歌謡。ここからはその中でも特に注目を集めている楽曲を紹介します。
1985年にリリースされた荻野目洋子の『ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)』は、2017年に大阪府の登美丘高校ダンス部がこの楽曲を使用した「バブリーダンス」を披露し、人気が急上昇しました。
2020年には新しく作成されたミュージックビデオがYouTubeで公開され、2022年1月現在では約900万回を超える再生数を誇っています。
1975年にリリースされた太田裕美の『木綿のハンカチーフ』は、女優・橋本愛がカバーしたことで再注目されました。
YouTubeのチャンネル登録者数約500万人の「THE FIRST TAKE」では橋本自身が同楽曲を一発撮りで披露している様子が公開されており、この動画は2022年1月現在で約470万回再生されています。
松本隆が作詞、呉田軽穂(松任谷由実)が作曲を手掛けた松田聖子の楽曲『赤いスイートピー』は、リリースされてから現在に至るまで、徳永英明や岩佐美咲、宮本浩次、上白石萌音らそうそうたるメンバーにカバーされて歌い継がれています。
阿久悠が作詞、筒美京平が作曲・編曲を手掛けた尾崎紀世彦の楽曲『また逢う日まで』は、有料音楽配信サービス「レコチョク」のデイリーシングルランキング(2020年10月12日付)にて「歌謡曲/演歌部門」の1位を記録しました。筒美が亡くなったことがきっかけとなり、再注目された楽曲のひとつです。
1979年にリリースされた松原みきのデビューシングル『真夜中のドア/Stay with me』は、インドネシア人歌手のRainychによってカバーされたり、海外で話題になったTikTok動画のBGMに使用されたりしたことがきっかけで、日本のみならず世界各国で人気が急上昇した楽曲です。
この曲は世界のApple Music J-Popランキングにおいて12か国で1位を獲得し、ポニーキャニオンから同作のレコード盤が復刻発売されることになりました。また、2020年にはポニーキャニオンが楽曲の再評価を受けてYouTubeにオフィシャルリリックビデオを公開しています。
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誰もが世界に動画を発信できる時代になったことで、さまざまな昭和歌謡が再び注目されています。世代を超えて歌い継がれている昭和歌謡は、今後も音楽界を盛り上げていくでしょう。

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