『101回目のプロポーズ』最終回を今もう一度見るべき理由(FRIDAY) – Yahoo!ニュース – Yahoo!ニュース


IDでもっと便利に新規取得
ログイン
現在JavaScriptが無効になっています
Yahoo!ニュースのすべての機能を利用するためには、JavaScriptの設定を有効にしてください。
JavaScriptの設定を変更する方法はこちら
配信
当たり前ではあるが、みんな若い…!そしてバブリーな雰囲気
トレンディドラマの最終回を今あらためて見るという新連載「トレンディドラマ結末史」を始めます。 【画像】深キョン、長澤、沢尻にドキッ…!「人気女優の魅惑の外出場面」 「トレンディドラマ」の定義を仮に『男女7人夏物語』(1986年、TBS)から『ラブジェネレーション』 (97年、フジテレビ)までだとすると、「トレンディドラマ」というドラマは、昭和から平成、たった約10年間しか続かなかったことになります。 連載初回は、あの有名な『101回目のプロポーズ』。91年の夏クール=7~9月の放送。91年ですから、トレンディドラマ約10年間のちょうど中間。折り返し地点の一作といえましょう。 ◆トレンディ+暑苦しさ FOD(フジテレビオンデマンド)における番組説明は、こんな感じ。 ――建築会社の万年係長・達郎(武田鉄矢)は、真面目が取柄の中年サラリーマン。一見カッコ良いが実はアニメオタクの弟・純平(江口洋介)と暮らしている。99回の見合いで断られ続け、すっかり自信を失っている達郎に100回目の見合話が舞い込む。相手はチェロ奏者の薫(浅野温子)。そんな彼女に当然のように断られた達郎だが、どうしても諦めきれずに、猛烈なアタックを開始した。始めは戸惑っていた薫だが、達郎の純粋な心に触れ、次第に心を開いていく……。 「バブル崩壊」の影響もあったのでしょうか、トレンディドラマを代表する「W浅野」の浅野温子に加えて、トレンディドラマに決して似つかわしくない、暑苦しくて濃厚なイメージを持つ武田鉄矢の起用が、このドラマ最大のポイントでした。 90年代における武田鉄矢のイメージについて、94年にこの人が、こんな散々な表現をしています――「武田鉄矢が人気者であると思うたび、私は日本という国が嫌になる。武田鉄矢を受け入れるというのが日本人の国民性だとするなら、私は日本人をやめたいと思う」(ナンシー関『ザ・ベリー・ベスト・オブ「ナンシー関の小耳にはさもう」100』-朝日文庫-) 73年に海援隊でデビューし、77年の映画『幸福の黄色いハンカチ』で名を上げ、そして79年の『3年B組金八先生』(第1シリーズ)で大ブレイク。暑苦しく濃厚な70年代的イメージを背負って「人気者」となった武田鉄矢と、80年代後半のトレンディドラマで一世風靡した浅野温子。言わば70年代と80年代が手を組んで、90年代に作られたのが『101回目のプロポーズ』だったのです。 さて、些末な部分がすっかり忘れられがちなトレンディドラマ界で、『101回目のプロポーズ』に関して、人々に長期記憶されている事柄が2つあります。 1つは「僕は死にましぇ~ん」、第6話のラストシーン。武田鉄矢が突然車道に飛び出し、ダンプカーと衝突スレスレになったあとで言うセリフ。この年の新語・流行語大賞(大衆部門・金賞)を獲得(ちなみに動画を見直すと、さすがに「しぇ~ん」とは発音していません。面白おかしく誇張されたのでしょう)。 2つ目は主題歌=CHAGE and ASKA『SAY YES』。何と売上枚数282.2万枚(!)、90年代後半のいわゆる「CDバブル」以前にメガヒットとなりました。今聴くと、キラキラしたサウンドは明らかに「Jポップ」の音ですが、ASKAの粘着的な歌い方は「フォーク」的な湿り気をも感じさせます。 よく考えたら、武田鉄矢もチャゲも飛鳥も全員、福岡出身のフォークシンガーでした。いかにも東京的にキラキラ輝く「Jポップ」的トレンディドラマのど真ん中に、福岡県人の「フォーク」の空気が飛び込んだことで、大ヒットドラマが生まれたのです。 ◆で、伝説の最終回はどんな内容だったのか? 前置きが長くなりました。それでは世帯視聴率36.7%(ビデオリサーチ、関東地区)と盛り上がった『101回目のプロポーズ』、伝説の最終回を今あらためて見てみました。 (この段落はネタバレあり)結論から言えば、武田鉄矢(星野達郎)と浅野温子(矢吹薫)が結ばれます。司法試験に受かって結婚しようと思っていた達郎ですが、試験に落ちて、傷心のまま工事現場でアルバイトをしている武田鉄矢のところに、花嫁姿の薫が駆け寄ってくる。達郎は、薫に贈ろうとしていた結婚指輪を海に捨ててしまったのですが、作業現場に落ちていたナットを指輪にして、めでたく結ばれる――。 見ていてまず思ったのは、出演者みんなが若いということ。31年前の作品なので、出演者全員が31歳若いのは当たり前なのですが、加えて、画面全体に若さが溢れている。 浅野温子は当時30歳、田中律子は20歳、冴えない中年役の武田鉄矢ですら42歳なのですから、あの木村拓哉が50歳になる時代のドラマと比べれば、出演者の平均年齢が決定的に若い。画面全体がピチピチしている。 厚生労働省作成のデータによれば、90年には1,687万人もいた20代人口は、25年には1,201万人まで落ち込む模様です。とすると、画面全体から溢れる若さは、「20代が今の1.4倍いた時代」のドラマとして、当然のことなのかもしれません。 このドラマを手掛けた大田亮プロデューサーの弁。「大脚本家に玉稿をいただくのではなく、若手の脚本家に意見をガンガン言うプロデューサーに変わろうとした。トレンディードラマは出演するのは若手俳優ばかりで、一家言あるベテランもいない。自分がやりたいことができた。その結果、自然にできあがったのがトレンディードラマだった」(論座/2018年08月31日) 若さが勝る分、令和ドラマに比べて、演技力が稚拙に感じるのも正直なところなのですが(その中で、武田鉄矢の癖のある演技が際立つ)、それでも、若さに溢れた画面は、とてもまぶしく映ります。 加えて感じるのが「恋愛至上主義」の存在。登場人物が若いということは、今よりも恋愛が一大事ということになります。当時新進気鋭、野島伸司の手による脚本の真ん中に恋愛がある。恥ずかしながら白状すると、かくいう私も、いくつかのトレンディドラマの恋愛群像劇にうっとりとして、こんな恋愛ができないものかと思い入れたものです。 31年後のフジテレビで、同じく月曜日に放送されている『エルピス―希望、あるいは災い―』となどと比べると、『101回目のプロポーズ』の「恋愛エンゲル係数」の高さに驚きます。 ◆トレンディドラマとバブルとジョージ・ルーカス さて、トレンディドラマと言えば「バブル」です。 91年といえば、バブル崩壊が始まった年と記憶されますが、それでも、この最終回を「バブルの余韻で作られたお手軽・お手盛りトレンディドラマ」として見ることは簡単です。私も最初は、そういう半笑いの気分で見ていました。「ありえねぇだろう。武田鉄矢の弟が江口洋介って(笑)」などと思いながら。 しかし、途中から、トレンディドラマと、その中の恋愛群像劇にうっとりとしながら過ごしていた20代の頃が、強烈に懐かしくなってきたのです。そして『101回目のプロポーズ』というドラマ自体も愛おしく思えてくる。 言い換えれば、映画『アメリカン・グラフィティ』に見えてきたのです。ドルショック、ウォーターゲート事件、ベトナム戦争に揺れる73年のアメリカで生み出された、62年の「古き良きアメリカ」を描く映画。宣伝コピーは「1962年の夏、あなたはどこにいましたか(Where were you in ’62?)」 つい先日放送されたNHK『世界サブカルチャー史 欲望の系譜』という番組を見ていたら、この映画を監督したジョージ・ルーカスの言葉が紹介されました(出典表記:「ローリング・ストーン」インタビュー選集)。 ――「僕はある年代のアメリカ人がティーンエージャーだった時代をどう捉えているかということを、形に残しておきたかったんだ」 そして、ルーカスは続けてこうも語ります。 ――「今の子供は、僕らの頃みたいに人生に夢がないんだ」 1991年の夏、あなたはどこにいましたか?――そんな気分で、ある意味73年のアメリカにも似た鬱々とした空気の令和の時代にあらためて、トレンディドラマの最終回を追っていきます。よろしくお願いします。 文:スージー鈴木 音楽評論家。1966年大阪府東大阪市生まれ。bayfm『9の音粋』月曜日に出演中。主な著書に『80年代音楽解体新書』(彩流社)、『チェッカーズの音楽とその時代』(ブックマン社)、『イントロの法則80’s』(文藝春秋)、『サザンオールスターズ1978-1985』(新潮新書)、『恋するラジオ』(ブックマン社)など。東洋経済オンライン、東京スポーツ、週刊ベースボールなどで連載中。新著に『EPICソニーとその時代』(集英社新書)、6月17日『桑田佳祐論』(新潮新書)が発売される。
FRIDAYデジタル
加護亜依、口説かれた有名人を言っちゃった ノンスタ井上驚き「我々の業種のビッグネームやん!」
41歳になった内山理名、吉田栄作との手つなぎウエディングフォトに反響 「素敵な写真ばかり」「お似合いの夫婦」
ぼる塾 育休中の酒寄が復帰「大丈夫、あんたは今スタート地点」メンバーの励まし
元キンプリの岩橋玄樹が長文コメント発表「心の整理をしていました」「3人心の底から誇りに思います」
King Gnu井口理 “新旧”運転免許証の顔写真 5年での変化に驚き「別人」「何があった」
『キンプリ』脱退劇も…退任・滝沢秀明「アイドルから激変の素顔」
【上戸彩×ベッキー】友情は変化するもの。元々の親友がお互いママになって、最強な気がする
《平野、神宮寺、岸が電撃退所》キンプリ分裂のウラで滝沢秀明が“新事務所”設立
タッキー後任の井ノ原快彦に納得の声、大野智を“開眼”させて「ホスト転身」を食い止めていた
《YOSHIさん交通事故で急逝》明石家さんまが「お前だけは許す」と認めていた“タメ口”への信念
Copyright © 2022 KODANSHA 無断転載を禁じます。

source

最新情報をチェックしよう!
広告
>すべての音楽情報をあなたに・・・

すべての音楽情報をあなたに・・・

インターネットで情報を探すとき、あなたはどうやって探しますか?いつも見ているページで情報を得る?検索エンジンで好きなアーティスト名を検索してでてきたものを見る?本当にそれであなたの欲しい情報は手に入れられていますか?

CTR IMG