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配信
雫、クラムボン、Michael Kaneko
J-WAVEが2022年4月から取り組む、次世代アーティストの発掘・育成プロジェクト「CHINTAI presents J-WAVE MUSIC ACCELERATOR PROGRAM」（通称MAP）。選出された8組のアーティストは半年間、豪華メンターのもとで楽曲制作に精を出してきた。 クラムボンのライブに登場した、まっさらな才能。MAPアーティスト雫が伸びのある歌声披露 アーティストとして成長した彼らがライブで成果を発揮したのが、10月21日（金）～23日（日）に六本木ヒルズで開催のテクノロジーと音楽の祭典「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2022」（通称イノフェス）。MAPアーティストのひとりであるシンガーソングライター・雫は、クラムボンのミトをメンターとして活動してきた。イノフェスでのクラムボンのライブでも、ステージに登場。ここではその模様をお伝えする。 （文＝笹谷淳介、撮影＝アンザイミキ） 日も暮れて、2022年のイノフェスもエンディングがすぐそこまでやってきた。そんな中、「TDK INNOFES ARENA」のステージに登場したのは、イノフェス初登場のクラムボンだ。原田郁子の優しい歌声からスタートした「Lush Life!」。会場は自然とハンドクラップで3人の演奏に色を添えている。液晶にはポップな映像が流れ、ミトのベースと伊藤大助のドラムが心地よいリズムを奏でている。 雲が出てくるポップなAR演出に自然とこちらの心も高鳴る。「Lush Life!」を丁寧にかつ楽しげに歌い上げると、「クラムボンです、よろしくお願いします」と挨拶し、2曲目の「夜見人知らず」へ。 先ほどまでの曲とは異なり、幻想的な雰囲気が会場を包み込む。電子音とバンドアンサブルが生み出すサウンドはどこか不思議な世界へと我々を誘ってくれる。語り部のように歌う原田の歌声はいつも優しく私たちに寄り添ってくれるのだ。「夜見人知らずでした」とミトが言葉を発すると、簡単な自己紹介。「こんばんはクラムボンです。初めてイノフェスに呼んでいただいています。私たちを初めて観る方！」と原田が問いかけると、手を挙げる観客がちらほら。すると原田は「はじめまして」と優しく呟く。 メンバーの紹介が終わると、MAPについてミトが語り始めた。「まだ世にも出ていない女の子で、この人いいなあと思って」と紹介されたのは、ミトがメンターを務め、今回のステージでコラボするシンガーソングライターの雫。「19歳で、活動を始めてないまっさらな子」と話すミトの表情を見ると、なんだか父親が娘を送り出すような表情をしている。今回パフォーマンスする楽曲は1コーラスしか作っていない、短いデモのようなものをパッケージしたということが観客に伝えられ、「ここからフルサイズになっていく、今後どうなるかわからない可能性に溢れた楽曲」とミトが話すと観客の拍手の中、雫がステージへ登場。深々と一礼すると、静かに「お願いします」と囁くように言葉にして、「永遠のプラント」がスタートした。 彼女の立ち姿からは緊張が伝わってくるように感じたが、それは気のせいだったことが雫の声を聴いて判明した。伸びのある綺麗な歌声と、楽器隊にも負けない魂のこもった力強さ。クラムボンが奏でる旋律に合わせ、まるで音符の上を歩いているかのような抑揚のある雫の歌を聴いていると、日々疲れた心を洗い流してくれるような錯覚に陥る。 彼女の歌声は耳に届くのではなく、心に届く声。新たな才能の登場に感動していると極上の1コーラスは終了。ミトは「着実に新たな世界に手を伸ばそうとしてる。これから先、どういう形でも世に出てくるので、応援してあげてください」と賛辞を送った。雫は「緊張してて、手が震えていて、不安でした」とプレッシャーを感じていたことを明かし、「この場所に立てるのはいろんな方の支えがあってこそ。家族、お父さんとお母さんと弟、ありがとう。感謝の気持ちを届けられるように次の曲も歌います」と涙を流しながらコメント。 優しい時間がTDK INNOFES ARENAには流れている。「まだまだ先にありますからね。もっと頑張ってほしい」とミトからエールが送られると、ステージにはSPゲストとしてMichael Kanekoがギターを持って登場。 4曲目の「Modify」はクラムボン＋Michael Kaneko＋雫の豪華な3セットで演奏された。「永遠のプラント」とは雰囲気が変わり、ギターを持って歌唱する雫。観客がハンドクラップする多幸感溢れるステージの上で彼女は何を思ったのだろうか。時折、先輩たちとアイコンタクトを取りながら演奏する雫。きっとこの経験が今後の彼女の成長と活躍の一翼を担うはず。「Modify」を力強く歌い上げ、雫のスペシャルなライブは幕を閉じた。 新たな才能の登場に興奮冷めやらぬ会場。「もうちょっとくらいやってもいいですか？ 初演奏の曲をやります！」とミトが観客へ声を掛けスタートしたのは、「1,000,000,000,000,000,000,000,000 LOVE」。先ほどまでの雰囲気はポップな様相へと変化していく。楽しげなサウンドに乗せて拍手する観客。クラムボンの妙はきっと「楽しさ」にあると思うのだ。3人の個性が音となってぶつかり合い、混ざり合い、やがて“音楽”として人を楽しませるというところに着地する。彼らの音楽を聴いていると自然と体が動いてしまうし、ライブを観終えるといつも最後は感動と「楽しかった」という感情がいちばん最初にくるのだ。 そんなことを考えていたら最後の曲になってしまった。原田とミトが目配せをしてスタートしたのは、「KANADE Dance」。激しくも洗練されたサウンドに幻想的な映像が映える。赤や青、さまざまな色が混ざり合い、まるでクラムボンの3人を投影したかのような演出は3人の演奏をこれでもかと引き立てていた。演奏が終わると「クラムボンでした、ありがとうございました」と挨拶をし3人は会場を去った。 雫という新たな才能の登場とクラムボンの安定感抜群のパフォーマンス。瞬きするのが惜しいほどの濃密な30分間だった。 MAPアーティストについては、公式サイトをチェック。 ・MAP公式サイト https://www.j-wave.co.jp/map/
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