“アイドル”とは何か?その道26年のプロ・三宅健が見据える、新しいアイドル像 – 音楽ナタリー 特集・インタビュー – 音楽ナタリー

三宅健「NEWWW」 PR
2022年11月16日
三宅健が1stミニアルバム「NEWWW」を11月16日にリリースした。
今年の7月、三宅は「グループが解散してもなお、私にとっての職業はアイドルです。アイドルとしてファンの皆様に1番喜んでもらえることは何かとずっと考えていました。それはやはり歌って踊っている姿を見せること」という言葉とともにソロとして音楽活動を行っていくことを発表した。そしてドロップされたミニアルバムには、YonYon、80KIDZ、TENDRE、D.A.N.、土岐麻子、sogumm、growingdog、butaji、Miru Shinoda、Micro(Def Tech)がクリエイターとして参加した全6曲を収録(うち1曲は通常盤のみ収録のボーナストラック)。そこには三宅が切り開こうとしている新しいアイドルの道が見える。26年以上にわたって徹底してアイドルであり続ける三宅は、今何を見据えているのか? 音楽ナタリーではレビューで1stミニアルバムを紐解く。
文 / 小松香里
V6としての活動を昨年11月に終え、ソロでの音楽活動をスタートさせた三宅健。「新しい価値観、アイドル像の固定概念を覆す」という思いが込められた初のミニアルバム「NEWWW」には、三宅自身が「一緒に作品を作りたい」と思ったという気鋭のアーティストたちが参加している。
三宅健「NEWWW」初回限定盤Aジャケット
ミニアルバムの1曲目は、先行してミュージックビデオが公開されていたリードトラック「Destination」。作詞をYonYon、作曲をYonYonと80KIDZ、アレンジを80KIDZが手がけている。どこかオリエンタルなテイストのエレクトロポップに、三宅の少し鼻にかかったハイトーンボイスが乗ることで中毒性と洒脱さが香り立つ。日本語、英語、韓国語が混ざった歌詞とラップ調のボーカリゼーションによって無国籍感が創出される。MVではAIの女性と三宅による意味深な恋模様が描かれているが、この「Destination」がまず公開されたことで、三宅健のソロ活動の1つのキーワードに“ボーダーレス”があることが印象付けられる。三宅はグループ解散後のインタビューで、「自分に限界を作らず、より自由にいろんなことに挑戦していきたい」と語っていた。さらに、「多くのことが時代とともに変わっていく。アンテナを張って、変化に順応できる人でありたい」とも言った。その言葉が指し示す通り、「NEWWW」には「Destination」をはじめ、性別も国籍もバックグラウンドもバラバラのアーティストが名を連ね、三宅が掲げる「新しい価値観、アイドル像の固定観念を覆す」というメルクマールのもと、自由にクリエイティビティを発揮したような風通しのよさが作品全体に通底している。
メロウなネオR&B「PULSE」は、「ステージで色気をまといながらも、まっすぐな眼差しをした三宅健」をイメージしてTENDREが制作したという。三宅はアダルトな艶っぽい歌声で、「踊りたいの それも才能」といった示唆的なメッセージを放つ。D.A.N.が手がけた「FALL」は、ノイズ混じりのイントロから不穏なつぶやきのようなボーカルが聞こえ、重層的なコーラスが緊張感を高める。英語詞がメインのこの曲では、性急さを徐々に高めていくビートに乗せて、たゆたうように狂おしい愛が歌われる。glowingdogがプロデュース、頻繁にタッグを組んでいるglowingdogとsogummが作曲、土岐麻子が作詞というチームで作られた「SUNSHINE」は、ボサノバから始まり、途中でウォームな感触のエレクトロに姿を変えるというフリーキーぶり。巧みに韻を踏んだ遊び心ある歌詞を歌う気怠いボーカルがセクシーだ。どう展開していくかわからない面白さがある。
「Destination」と同じ布陣で作られた「Day By Day」は、硬質なビートとキャッチーな美メロの間に挟み込まれる、やさぐれた表情をにじませるエッジィなラップ調のボーカルがとてもクールだ。なお、「Destination」と「Day By Day」の歌詞が一部韓国語なのは、三宅が「韓国語で歌いたい」とYonYonにリクエストしたからだという。そして、butajiとyahyelの篠田ミルによるコライト曲「dreamy reality」はローファイなネオR&B。繊細に声色を使い分けるボーカルが、楽曲の儚くファンタジックな世界観をより深遠なものにする。通常盤にのみ収録された「Answer」は、作詞をDef TechのMicro、作曲とアレンジをMicroとDef TechのプロデューサーでありギタリストであるNagachoが担当。アコースティックギター1本で紡がれるシンプルなサウンドに乗せ、三宅が優しいタッチで「勝てなくていい 負けなければいい」「戦いは壊すことじゃなくて育むこと」とメッセージを放つ。
本作はオーソドックスなJ-POPの構成を持った曲は見当たらず、まっさらな地点から新たな表現と向き合ったような作品だ。気鋭のアーティストが生み出した楽曲に対し、三宅がこれまでにないような表情を次々と見せていくという健全な化学反応が見える。ボーダーを設けずに、時代を見据え、軽やかにクリエイティブを更新する三宅健という表現者のアティチュードがそこかしこにあふれている。
1979年生まれ、神奈川県出身。1993年にジャニーズ事務所に入所し、1995年にV6としてシングル「MUSIC FOR THE PEOPLE」でCDデビューを果たした。2021年11月にV6は解散。2022年7月にソロアーティストとして音楽活動を行っていくことを発表した。10月より全国ツアー「Ken Miyake NEWWW Live Tour 2022」を開催し、11月にミニアルバム「NEWWW」をリリースした。舞台やドラマ、映画、バラエティ、ラジオなど多岐にわたって活躍しており、2022年2月より上演された舞台「陰陽師 生成り姫」で主演を務める。2023年3月には主演舞台「ミナト町純情オセロ~月がとっても慕情篇~」が上演される。NHK Eテレ「みんなの手話」、bayfm「三宅健のラヂオ」にレギュラー出演中。
KEN MIYAKE |MENT RECORDING
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