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歌詞に如実に現れる社会情勢…ヒット曲に見る1980年代から現代までの変化
TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、“ヒット曲で分析する時代の変化”について解説しました。 ◆世相を反映する歌、社会情勢に乗じて歌詞にも大きな変化が 今回、「ヒット曲で分析する時代の変化」について解説するのは、データ分析の専門家で博報堂生活総合研究所 上席研究員の酒井崇匡さん。 “歌は時代を映す鏡”と喩えられることがあるなか、酒井さんは「歌は本当に世相を反映したもので、分析対象として非常に面白い」と話します。そこで酒井さんは昭和から令和にかけてのヒット曲、約4,100曲を分析。その膨大な楽曲から、歌詞で高頻度に使われている言葉を抽出し、年代ごとの推移を調査しました。 そこでわかったことのひとつが、現代では「恋の歌は流行らない」という可能性。 各年代の歌詞に登場する名詞の変化を見てみると、1980年代から1990年代にかけて特徴的だったのは“恋”、“瞳”、“夜”、“男”、“女”、“夏”といった言葉。その背景には、バブル景気があり「夜に、夏に、男女が恋を患う歌が歌われていた」と酒井さん。 しかし、1990年代後半になると不況の波が訪れ、“明日”や“空”というワードが増加。酒井さんは「不況のなかでなんとかか空を見上げ、明日を模索するような歌が多く歌われた」と解説します。その後、2010年代になるとアベノミクスなどの影響もあり景気が好転。さらにSNSの普及などで個の発信力が高まってきたこともあり“自分”、“手”、“未来”、“世界”といった歌詞が増え、「自分の手で未来・世界を切り拓くという歌が多く歌われる傾向が出てきた」と説明。 株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは、自身が小学生時代に好きだった曲、親が好きだった曲、現在よく聴いている曲を思い起こし「歌詞の移り変わりがすごくわかる」と大きく頷きます。 普段からよく歌を歌っているというFridays For Future Tokyoオーガナイザーの黒部睦さんは、「何百年も前のイタリア歌曲などは愛の歌ばかりで、(時代の)背景を反映させているのは昔からだったと思うと、今後のことを考えるとワクワクする」、「日本の歌も海外の歌も時代によって歌詞の内容は変わってくると思うし、今はTikTokなどで海外の歌を翻訳付きで触れられるので、自分でも調べてみたい」と興味津々。 ◆時代の変化とともに「抱きしめる恋」から「一緒に笑う恋」へ 続いては、自分や相手の呼び方。代名詞の使用頻度の推移を見ると、80年代は“私”や“あなた”が多く、その他にも“俺・お前”がありましたが、それらは徐々に減少。それに変わって2000年代に増えたのが“僕”と“君”。とりわけ、“僕”という言葉は一般的に男性が使う印象が強いものの、2000年代以降は浜崎あゆみさんや宇多田ヒカルさん、さらに最近もアイドルグループやあいみょんさんなどが使用。酒井さんは「昨今、ジェンダーレス化が叫ばれているが、歌詞のなかでは2010年代にはかなりそれが進み、“僕・君”が一般化されてきている」と指摘します。 この見解に、法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんも頷きつつ、「それはなんとなく男目線で歌われている曲なのかと思っていたが、女性から支持を集めていることからすると、男女・ジェンダーに関係なく“僕”という代名詞であれば受け入れられやすいのかもしれないことが見えて面白い」と感心。 さらに、動詞を分析してみると、“生きる”、“行く”、“笑う”、“信じる”といった言葉が徐々に使われるようになり、「特に不況になって上昇してきている」と酒井さん。実際、リーマンショックの翌年にピークを迎えており、「苦しいなかでなんとか笑っていこう、なんとか生きていこうといったことが出てきている」と言います。 一方、かつて多用されていた“愛す”、“抱きしめる”、“抱く”といった言葉は減少。酒井さんは「若者の恋愛離れなどから、恋の歌が流行らないということもあり、こうした直接的な言葉はなくなった」と語り、不況の到来が起点となり「“抱きしめる恋”から“一緒に笑う恋”へ展開し、なおかつ直接的に“恋・愛”というよりは婉曲的な表現になってきている」とも。 ◆2020年代の楽曲は抽象的に…!? それが意味することとは 最後に酒井さんは、時代を象徴する“ヒンド(頻度)ソング”を紹介。これは、各年代高頻度で使われた言葉を5つ選定し、AI(人工知能)がその時代に合った歌を作詞・作曲したもので、今回は1980年代と2020年代の楽曲を制作。 それぞれ聴いてみると、1980年代は“瞳”、“女”、“男”、“やさしい”、“髪”という言葉が盛り込まれ、曲調も当時隆盛しつつあったJ-POPテイスト。しかし、2020年代のものはガラッと変わり、“世界”、“日々”、“全て”、“幸せ”、“溢れる”といった言葉がチョイスされ、ボーカルもボーカロイド的なものに。さらにシティポップが再評価されていることもあり、楽曲にはその要素も加味。 双方の楽曲を聴いてキャスターの堀潤は「(2020年代のものは)何ものかが見えづらい、俯瞰した世界観がありますね」と感想を述べると、酒井さんも「人によって解釈が分かれるというか、どうとでも捉えられるような」と同意。 また、黒部さんは「最近は顔が見えない方が本当に増えた」と昨今の音楽業界の印象を語り、「だからこそ感情移入しやすく、自分と違う存在として見られるとか、いろいろな捉え方ができるようになった」と自身の見解を述べます。そして、「今後どうなるのか気になるし、流行しているものがある一方で、昔の曲を聴きたくなるのはなぜなのかとかも気になる」と言及。 改めて、双方の歌詞を比べてみると、「80年代は明確に恋の歌。男女や髪・瞳など身体表現が多く明るい恋の歌だが、2020年代は世界や日々など抽象度が高まり、どうとでも捉えられるし、ある意味ユニバーサルな歌詞になってきている」と酒井さん。直近ではまた変化が生じ、コロナ禍で“触れる”という言葉が増加しているとし、「身体的な接触ができなくなった結果、それが“したい”という思いが歌詞に反映されてきているのでは」と推察します。 由井さんは2020年代の歌詞を見て、「ちょっと悲しくなった」と率直な思いを吐露。昔の曲は夢や恋など具体的に楽しいことが目の前にあってそれに浮かれて楽しんでいたものの、「今は目の前のことに余裕がないというか、僕らの世代は賃金も低く、賃金が上がらないなかで、幸せというものが明確に見えてこないから抽象的な歌詞になっていくのかなと勝手に想像してしまった」と語りました。
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