田中宗一郎とChilli Beans.が語りつくす、「今」のレッド・ホット・チリ・ペッパーズが最高な理由 – マイナビニュース

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1991年に『Blood Sugar Sex Magik』で大ブレイクを果たして以来、ほぼ全てのアルバムが全米トップ3入り。レッド・ホット・チリ・ペッパーズは激しい時代の荒波に揉まれながらも、常に世界的なトップバンドの座を守り続けている。
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今年2022年4月に送り出された『Unlimited Love』は全米1位、そしてそれから半年も待たずに届けられた最新作『Return of the Dream Canteen』も全米3位と、その求心力は全く衰えを知らない。では、チリ・ペッパーズが人々を魅了し続ける理由はどこにあるのか? そもそも彼らはどのような時代背景から出てきたバンドなのか? そして、双子のような作品と言える最新二作『Unlimited Love』と『Return of the Dream Canteen』のすごさはどこにあるのか? こうした疑問に応えるべく、チリ・ペッパーズをひとつのロールモデルとし、敬意を込めて自らのバンド名に「チリ」という言葉を冠したミレニアル世代の3ピースバンドChilli Beans.のMoto(Vo)、Maika(Ba&Vo)、Lily(Gt&Vo)、そしてチリ・ペッパーズのブレイク時から彼らをリアルタイムで追いかけ、最新二作で「久しぶりにチリ・ペッパーズに興奮した」という音楽批評家の田中宗一郎に語り合ってもらった。2023年2月に開催される実に16年ぶりの単独来日公演には、是非この対話に目を通してから足を運んでもらいたい。
ー田中さんはRolling Japan Stone本誌の連載「POP RULES THE WORLD」で、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの前作『Unlimited Love』からの先行シングル「Black Summer」と「Poster Child」を絶賛していましたよね?
田中:久しぶりにチリ・ペッパーズで盛り上がりました。日本国内はJ-ROCKという特殊なジャンルがあるので別ですが、ここ10年くらい、ロックは全世界的に元気がなかったじゃないですか。商業的に成功した例は少ないし、文化的に意味のあるジャンルとして取り上げられることも少なくなりました。そうした過程で、いろんなバンドが他ジャンルのサウンドプロダクションやソングライティングに最適化することで、ラップに寄せてみる、ポップに寄せてみる、というケースが増えていた。でも、それもあんまり面白くない。実際、作家たちも「じゃあ、ロックをベースにしたバンドは何をやればいいのか?」と悩んでいたと思うんです。そんな中で、チリ・ペッパーズのあの2曲のシングルは、言ってしまえば何も新しくない(笑)。ファンクベースで、ロックの要素があって、「とにかくスタジオで一緒に演奏してみよう、その喜びをキャプチャーすることが大事だよね」っていうところに立ち返っている。ただそれだけのことなんですけど、「いやでも、これでよくない?」って感じたんですよ。
ーなるほど。
田中:Chilli Beans.の皆さんはどうでした? 今年前半にリリースされた、『Unlimited Love』から2枚のシングルは。僕は60年代生まれで、91年から音楽評論家をやっているお爺ちゃんですが、皆さんは全員90年代生まれ。ジェネレーションギャップもあるので、捉え方がまた違うと思うんですけど。
Maika:自分たちが音楽を聴き始めた頃は、さっき田中さんがおっしゃられた「ロックが元気のない10年間」に既に入ってたと思うんです。だから逆に、あのシングルは新しく感じるところがありました。音数の少なさとか、「あっ、これでいいんだ?」みたいな。
Lily:そうだね。
Maika:自分たちも、どうしてもいろんな楽器を加えたくなってしまうことがあるので、新鮮でしたね。
田中:なるほど、なるほど。ただ、それまでもチリ・ペッパーズはずっと聴いてたんですよね?
Maika:Chilli Beans.を結成したのが2019年7月なんですけど、そのときからですね。元々は3人とも、ソロでシンガーソングライターを目指してたんです。その頃はバンドをたくさん聴いてたわけではなかったので、Chilli Beans.を結成するにあたって「バンド音楽をもっと掘っていこう」ってなって。そのときにレッチリのライヴ映像作品『Live at Slane Castle』(2003年)を一緒に観たんです。それがもう衝撃で。「なんだ、この人たちは?!」ってなって、バンド名に「chilli」ってつけました。だから、意外と出会ったのは最近なんです。そこから、どんどん掘っていって、「こういう世界があるんだ」って発見しているところです。
田中:チリ・ペッパーズのディスコグラフィはもはや膨大な数にのぼるわけですけど、じゃあ、皆さんの場合、そんな風にカタログがほぼ出揃っている状態で彼らの音楽に出会い、いろんな時代のアルバムを聴いていった?
Maika:そうですね。好きになってから初めて出た新作が『Unlimited Love』だったので、「うわーっ!」って興奮しました(笑)
田中:そうかー。じゃあ、既存のアルバムの中では、どれが一番好きですか?
Lily:えー、どうしよう?(笑)
Maika:悩むよね? 私は『Blood Sugar Sex Magik』(1991年)が好きで。結構ファンクっぽいのが好きなんですよ。『By The Way』(2002年)も好きなんですけど。フリーのスラップとか、ファンキーな感じが一番かっこいいなと思ったのは『Blood Sugar Sex Magik』ですね。
田中:僕も『Blood Sugar Sex Magik』が一番好きなんです。
Maika:えっ、嬉しい(笑)
Lily:私は『Californication』(1999年)が好きで。
田中:それは二番目に好きなアルバム(笑)。
Lily:(笑)(ジョン・)フルシアンテのギターはすごくシンプルなんですけど、全部がかっこよくて、すごく響いてきて。そのシンプルさが好きです。
Moto:ジョン・フルシアンテの時代ではないですけど、私は『The Getaway』(2016年)の「Dark Necessities」が好きです。
田中:今聴き返すと、『The Getaway』が一番生演奏っぽくないレコードじゃないですか。リリースは2016年なので、ロックやバンド音楽をヒップホップが完全に追い抜かしたタイミング。あのアルバムのプロデューサーだったデンジャー・マウスは、ヒップホップの大名盤であるジェイ・Z『The Black Album』(2003年)とビートルズの通称『White Album(正式タイトル:The Beatles)』(1967年)をマッシュアップした『Grey Album』をアンオフィシャルな形で発表して一躍名を挙げた人です。つまり、ヒップホップをはじめとするブラックミュージックと白人のロックの両方に精通した人。だから、ロックがヒップホップに追い抜かされようとする時期に「誰をプロデューサーにすればいいのか?」と考えてデンジャー・マウスを起用したのは、とてもリーズナブルなんですよね。『The Getaway』は、チリ・ペッパーズが自分たちも何か新しいことをやらなきゃ時代の濁流に飲み込まれてしまう、という危機感を抱いて作ったレコードだったっていう。
それぞれのファースト・インプレッション
ー新作の話に行く前に、まずは皆さんがレッチリというアーティストや、彼らの作品をどのように捉えているかをもう少し伺いたいです。
田中:チリ・ペッパーズが出てきたのは80年代後半なので、Chilli Beans.の皆さんはまだ生まれてもないですよね? 80年代後半から90年代前半にかけて、ポップミュージックがどういう時代だったのか、漠然としたイメージはありますか?
Maika:どうなんだろう? でもネットの記事では「レッチリはパイオニアだった」と書いてあるのが多いので、きっとその時代の中でも特殊な位置にいる人たちだったんだろうなとは思います。
田中: 当時は今と較べると、いろんな国やジャンルのクロスオーバーがあったんです。今って割とイギリスの音楽とアメリカの音楽とでは違うし、ロックとヒップホップではファンベースが離れている。でも88年から93年くらいまでは、イギリスのバンドに影響されたアメリカのバンドがいたり、その逆があったり。あるいは、特に90年前後はアメリカの東海岸と西海岸からたくさんラップアクトが出てきた時代なんですけど、ラップアクトとロックバンドが一緒のステージに立つことも多くて。つまり、ジャンルもクロスオーバーしてた時代なんですね。

Photo by Mitsuru Nishimura
Maika:80年代っていうと、マイケル・ジャクソンみたいなポップアーティストもたくさんいたイメージです。でも同時に、ロックバンドやラップアクトもいたし、いろんなアーティストがいたっていうことなんですね。
田中:そうです。今もいろんな音楽がありますけど、それぞれがバラバラじゃないですか。でも当時はそれなりにクロスオーバーしてたんです。88年くらいから93年くらいって、本当にオールジャンルでいろんなアクトがいて、どれもすごくて、っていう時代。チリ・ペッパーズはそういう時代のうねりの中から出てきたバンドなんだと思います。
ー田中さんがレッチリを聴き始めたのはいつ頃からなんですか?
田中:チリ・ペッパーズが出てきた80年代後半は、実はほとんどリアルタイムの音楽を聴いていなかったんですよ。僕は70年代後半から80年代初頭のパンク、ポストパンクの影響を受けた世代です。でも、MTVが勢いを持ち始めた85年くらいに、パンクやポストパンクから始まったいろんなサウンドやアイデアが巨大な産業に吸収されて、離散してしまった。だから、自分が愛した音楽は終わったと思って、ボブ・ディランを聴き直したり、フリージャズを聴いたり、ブラジル音楽を聴いたりしてたんです。だから、多分、初めて聴いたのは1989年の『Mothers Milk』だと思うんですけど、きちんと聴くようになったのは『Blood Sugar Sex Magik』からだったと思います。
ー最初はどんな印象でしたか?
田中:最初聴いたときは、「彼ら、アメリカ人だよね? 白人だよね? でも、どう考えてもPファンクやってるよね? なんで? 今、何が起こってるの?」という興味でした。
ーなるほど。
田中:当時、僕は『ロッキング・オン』という雑誌にいたんですけど、その雑誌が「このアメリカのバンドが最高だ!」と言っていたのが、リンボーマニアックスっていうバンドで。彼らも基本的には、Pファンクとヒップホップ、それと当時ヒップホップと同じくらい勢いがあったワシントンゴーゴーを混ぜたようなバンドで。当時のロッキング・オン的な価値観では、リンボーマニアックス、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、それからポストパンクとメタルを掛け合わせたジェーンズ・アディクションっていう格付けだったと記憶してます。リンボーマニアックスは『Stinky Grooves』っていうアルバム1枚で解散してしまったんですけど、すごくいいアルバムなんですよ。ストリーミングサービスにはないんですが、たぶんYouTubeにはあるので聴いてみて下さい。「あ、同じ時代のバンドだ!」って感じると思います。
Maika:えっ、聴いてみたい!
Lily:メモ、メモ(笑)
田中:そのあたりのバンドはみんな、ヒップホップやラップの影響があって。当時はギャングスタ的な価値観を音楽に取り込んだ先駆者の一組でもあるコンプトンのN.W.A.や、非常に政治的なメッセージ性の強いアルバムを作ったパブリック・エネミーといったラップグループが爆発的な人気を獲得した時期。2010年代半ばと同じく、とにかくアメリカではヒップホップがものすごい勢いだったんです。そんなタイミングで出てきたのが、チリ・ペッパーズやリンボーマニアックス。彼らはファンクという70年代に生まれた黒人音楽を参照していたけども、当事者であるアフロ・アメリカンたちはヒップホップによって黒人音楽を革新していた。「じゃあ、俺たちは何が出来るんだろう?」という焦燥感から生まれたのが、彼らの音楽なんだと思います――っていう歴史の話でした(笑)。
Moto:レッチリは楽器がゴリゴリでも、メロがラップっぽいと感じるのは、そういうところなのかも。
田中:だと思います。リンボーマニアックスも是非あとで聴いてみてもらいたいんですが、彼らもラップっぽい歌なんですよ。でも、チリ・ペッパーズとリンボーマニアックスではボーカルのフロウがそれぞれまったく違うんですね。つまり、それぞれが違うラッパーに影響を受けている。そういうこともわかって、面白いんです。
ーChilli Beans.の皆さんは、バンドを結成するにあたっていろんなバンドを聴いていたときに、レッチリが一番ピンときた理由というのは?
Maika:パフォーマンスが特に刺さりました。全員が主人公みたいなスタンスがかっこよくて。バンドって、真ん中にフロントマンがいて、楽器隊は一歩後ろに下がって音楽を奏でる、みたいに思い込んでたところがあったんです。でもレッチリのライヴは、いきなりジャムから始まるし、その時点ではアンソニーはステージ上にいないし。「ボーカルはどこ? いつ出てくるの?」みたいな(笑)。それで曲が始まるギリギリになってステージに出てくるとか。パフォーマンス中もフリーは踊り狂ってるし、みんなそれぞれがやりたいことを一番前でやってるんですけど、全体のバランスは崩れない。全員が主張していて、全員が主人公なんですけど、ちゃんと成り立ってる。そのバランスがすごくかっこいいと思ったんです。だから私たちも、「全員がフロントマンみたいなバンドになれたらいいよね」っていう話から、「レッチリってヤバいね」ってなったんです。
Moto:レッチリは動きで魅せるところがあるし、メロディも自分がいままで聴いていたパンクやメタルと違うところがあって、ヒップホップやファンクとか、いろんな要素が入ってる。楽器は楽器で好きにやっていて、コード弾きとかじゃないですし。そういうのは初めて聴いたので、「すごい!」と思って。
田中:Motoさんはメタルやパンクでは、どのあたりを聴いていたんですか?
Moto:プリティ・レックレスとか、イン・ディス・モーメントとか、女性ヴォーカルのバンドをよく聴いてました。グリーン・デイや90年代のものなど、そんなに深くは知らないんですけど、ザ・クラッシュとかも聴いていました。
田中:僕、一番のフェイヴァリットバンドがザ・クラッシュなんです(笑)。15、6歳の頃、「彼らこそが自分の音楽だ!」と思って夢中になってました。19歳のときに、たった一度きりの来日公演があったんですけど、大学の入試の合間に観に行きました(笑)
Moto:ええー! いいな。
Maika:青春過ぎる(笑)

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音楽的ルーツとバックグラウンドを探る
田中:Chilli Beans.の皆さんにとってはチリ・ペッパーズがひとつのルーツだとしたら、同じようにチリ・ペッパーズにもルーツがあるわけじゃないですか。彼らのルーツはどの辺りにあると思いますか?
Maika:まだそこまで掘れてないんですよね。今はレッチリを掘ってる段階なので。
Lily:もうね、レッチリだけで情報量が多い。
田中:彼らのキャリアも長いから、今から掘っていくだけで大変ですよね。
Maika:曲数もとんでもなくありますし、レッチリは1曲が長いじゃないですか。その曲の良さだったり、その曲のフレーズを掘って、「うわっ、めっちゃいい!」ってなってる段階なので。めちゃめちゃ知りたいんですけど、まだ追いつけてないですね。でも、Pファンクっていう言葉はレッチリで知ったんです。「なんだろう?」と思って、PファンクでYouTubeを検索して、出てきた動画を上から見てみたりしました。でも結局、レッチリに戻ってくるところはありましたね。レッチリはちょっとポップな面を持っていて、わかりやすさもある。やっぱりレッチリが好きだなって。
田中:Pファンクとチリ・ペッパーズはよく似たファンクのリズムを使っているにしても、曲の構成に違いがあるんです。Pファンクの場合は、ヴァースもコーラスもバックの演奏は同じ。少なくとも和音は同じです。ずっと反復してるんですね。でもチリ・ペッパーズの場合は、コーラスになると別の和音やリズムになる曲も少なくない。一般的なブラックミュージックとは違う、いわゆるポップソングの形式を採用している。J-POP的と言ってもいいかもしれない。そこが我々日本人としても親しみやすいポイントなんだと思います。
Maika:確かに。
田中:あと、Pファンクとチリ・ペッパーズを比べると、チリ・ペッパーズは圧倒的におセンチ、感傷的じゃないですか。ただ、最新作2枚を聴いても改めて感じたんですけど、彼らの音楽がもっとも魅力的なところは、感傷的になって、めげたり、悲しんだりしているところだと感じたんです。
Maika:私たちにとってレッチリの入り口は激しめな曲だったんですけど、確かに掘ると出てくるおセンチ曲に惹かれる部分はありますね。
Lily:わかる。
田中:でも、チリ・ペッパーズの音楽のセンチメンタルな部分、感傷的な部分はどこから出てきているんだと思いますか?
Maika:歌詞のおセンチな部分は、周りにオーバードーズで亡くなった方がいたり、メンバーのバックボーンなのかなと思ってました。
田中:そこは確実にありますよね。彼らが感傷的になるのって、『Blood Sugar Sex Magik』からじゃないですか。すごく乱暴に言うと、その前の『Mothers Milk』までは、「この人たち、悩んだり、悲しくなったりすることないのかな?」と感じさせるようなバンドだった(笑)。でも『Blood Sugar Sex Magik』ではいろんな友人の死に直面した。そして、それと同時に、あのアルバムが出た頃のアメリカは社会的に荒れていた時期だった。そういうことも反映されているんだと思います。
ー具体的に、当時はどのようなことが起きていたんでしょうか?
田中:もっとも象徴的なのはロサンゼルス暴動ですね。ブラック・ライヴズ・マターという運動は2012年にアフリカ系アメリカ人の高校生トレイボン・マーティンが自警団の男性に射殺されたことから起こったと言われていますが、同じように1991年にロドニー・キングというアフリカ系アメリカ人の男性が警官に不当な暴行を受けたという事件があったんです。それが引き金となって黒人たちの抗議運動が始まり、その一部が暴徒化することによって、いわゆるロサンゼルス暴動が起きました。当時、CNNではロサンゼルス暴動のニュースを報道するときに、『Blood Sugar Sex Magik』に収録されている感傷的なバラッド、「Under The Bridge」を使っていたんです。あれは彼らの友人であり、チリ・ペッパーズの初代ギタリストでもあるヒレル・スロヴァクをヘロインで亡くしたことを歌ってる曲ですけど、要は、社会から弾き飛ばされた人たちに対するレクイエムですよね。
ーつまり、レッチリの感傷性は個人的な悲しみからも生まれているし、彼らを取り巻く社会的な状況からも生まれていると。
田中:だからこそ、あの曲がロサンゼルス暴動を報じるニュースで何度も使われることになった。そしてそれが、チリ・ペッパーズが世界的なバンドになるひとつのきっかけだったんです。日本でもわりとそうだったんじゃないかな。
Maika:日本での知名度が上がったのは、勝手に(2006年作の『Stadium Arcadium』収録の)「Dani California」からだと思っていました。
田中:おっしゃる通りだと思います。ここ日本でもドカンッと爆発したのはあそこだと思います。ただ、90年代初頭と言うと、ガンズ・アンド・ローゼズの全盛期で、しかもニルヴァーナ筆頭にオルタナティヴバンドが一気に頭角を表した時期でもあり、そうしたうねりの中で当時のロックオーディエンスの誰もが彼らに注目するようになったのは、『Blood Sugar Sex Magik』のタイミングだったと思います。
ーそれが「Dani California」くらいで、お茶の間にも改めて浸透していったということですね。
田中:もう少しチリ・ペッパーズのルーツについて話を続けると、60年代後半から70年代前半にかけて活動していたストゥージズというバンド。チリ・ペッパーズのロック的な要素というのはかなりの部分でストゥージズからの反響があると思います。もうひとつは、英国ポストパンクバンドのギャング・オブ・フォー。彼らの1stアルバム『Entertainment!』(1979年)は90年代に再評価されることになるんですが、そのライナーノーツをフリーが書いてるんです。
Maika:えー!
Lily:(画像検索をして)あ、ほんとだ!

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田中:ギャング・オブ・フォーは全員イギリスの白人で、チリ・ペッパーズはロサンゼルスの白人。で、どちらもアフロ・アメリカンのファンクの影響を受けた音楽をやっている。チリ・ペッパーズからすればおそらく、自分たちが比較的裕福な白人なのに、社会から弾き飛ばされていたアフロ・アメリカンが作った音楽をやっていいのか?っていう逡巡があったと思うんですね。でも、同じような音楽を英国の白人が先駆けてやっていたことで、たぶん自分たちが肯定されたような感じがしたんだと思います。フリーって馬鹿っぽく振る舞うじゃないですか。でも、実はメンバーの中で一番知的な人なので、彼が書いたものは素晴らしいです。
Maika:読んでみたいですね。
チリ・ペッパーズに惹かれる理由
田中:今のチリ・ペッパーズの話もそうですが、文化は社会や歴史と地続きなので、表現者が文化的、政治的に何に帰属しているかっていうのは、表現そのものに関わってくると思うんです。そういうことって、皆さんは音楽を作るときに考えたりしますか?
Maika:私たちが曲を作るときは、そのときの気持ちだったり、そのときの状況だったり、その瞬間の等身大を曲に落とし込むことが多いんです。だから、そのときに怒っていたら怒ってる曲ができるし、精神的に参っていたら「どうしよう?」みたいな曲ができるし。社会的な話というより、今自分がどうか、っていう曲が多いんじゃないかと思います。

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Lily:ただ、自分の精神状態は社会と自然に繋がっているものだと思うので。だから、自分自身を表現することが、結果的に社会を表現しているっていう感覚になることも多いです。まだ自分が経験してきたことはものすごく少ないですし、社会のことなんてわからないことばかりなので、自分の実体験じゃないと表現に結びつかない。だから、自分の経験をどう表現するか、っていうことを考えています。
田中:自分個人のことを表現しているのに、そこに社会的なアングルが自然と入り込むという今のお話は、とても納得できます。60年代生まれの僕みたいな世代だと、高度経済成長期を経て、これから日本はひたすら豊かになっていきますと言われて子供時代を過ごし、80年代になるとバブルに突入しました。実際はバブル景気から弾き飛ばされた人たちもいたんですけど、全体としては豊かさが底上げされた。自分はそういう時代を経て、今の「失われた20年」を見ているわけです。でも皆さんは、生まれてからずっと「日本は右肩下がりになっていく」と言われ続けてきた世代ですよね? そういったことと自分たちの表現の間には、何かしらの関係があると思いますか?
Maika:めっちゃあると思います。先に対する不安は常にどこかにあるので。これからどうなっていくのかわからない不安定な時代に、「本当にそれでいいの?」とか、すごい言われましたし。けど、それでもバンドをやりたいと思ってやっているので。不安を抱えつつ、どうやって自分の気持ちを解決していくかっていうことは、自然と歌詞に反映されていると思います。不安だからこそこうしたいとか、不安だからこそこういう気持ちになっているんだとか、そういうのは自然に出てきますね。
田中:不安というのは、自分たちがサウンドやリリックを紡ぎ出す上で重要な要素のひとつですか?
Lily:常に不安なので(笑)
Maika:不安だからこそ、「うちらは最強!」っていう曲が書けたりとか、不安過ぎて落ちちゃう曲が書けたりとか。
Lily:結局、音楽しかできなくて音楽をやってるから、これでどうにかしないと、どうにもならない、っていう気持ちもありますし。
Moto:不安って怒りにも変わると思うんです。それもロックやソウル的なもののパワーに繋がってる気がします。
田中:Chilli Beans.の音楽の中に、怒りは100%の中でどれくらいあると思いますか? リリックの意味だけではなく、サウンドも含めて。
Maika:曲によってはずっと怒ってる曲もあるので。曲によるところもあるとは思いますけど。
Lily:でも結構あるんじゃないかな? その表現方法が違うだけで。自分が作るときは割と怒ってるかもしれないです。「School」も怒ってるし、「マイボーイ」も怒ってるし。90%くらい怒ってるかも。
Maika:確かに。めっちゃ怒ってるね。
田中:ちなみに、何に対して怒ってるんですか?
Lily:自分が生まれたときから存在する決まり事がいっぱいあって、それってどうしようもないから、そこで生きるしかないんですけど、「なんか違うよね」って感じるときに衝動的に作ることはあります。
Maika:あと、「それって誰が決めたの?」って理不尽なことにイライラしたときに作ったり。
Moto:上手くできない自分自身とか、自分の世界を壊そうとしているものに対して怒ったりとか。「School」は学校の決まり事とか、自分を縛ってくるものに対して、ちょっとかわいく表現してるけど、怒ってますね。
田中:そういうところは、3人がチリ・ペッパーズに惹かれる理由とリンクしているんですか?
Maika:絶対していると思います。
Moto:レッチリは自由な感じがして、憧れるんですよね。
田中:チリ・ペッパーズは、いろんな目に見えない制約や制度から解放されたい、っていうフィーリングがすごく大きいですよね。じゃあ、乱暴な質問です。チリ・ペッパーズの音楽が醸し出すエモーションやフィーリングのどういった部分に3人は一番惹かれますか? 僕もね、自分なりの答えがあるんです。
Maika:うわー(笑)。
Moto:根源にあるのは怒りとか悲しみみたいな感情だと思います。でも、MVではそれをちょっと面白おかしく表現してるじゃないですか。「Dani California」のMVとか、いろんな人の真似をしたりして、ちょっと茶化した感じで表現してる。そういう風に自分たち自身をからかった表現の仕方は魅力的だなと感じます。
Lily:好きなことを純粋に楽しんでるところとか、歳を取ってもそんなの関係ないっていうスタンスとかに惹かれますね。尖ってるけど、リスナーに近い感じもして。聴くだけで「もうちょっと頑張れそう」って思えますし、フレーズひとつ取っても、「真似してみよう」とか、「こういう風になりたい」とか、そういう気持ちを掻き立ててくれるのも魅力だと感じてます。
Maika:私は生身な感じがすごく好きですね。
田中:すごくフランク、率直ですよね。
Maika:レッチリって今の自分が最低であることもそのまま歌にするし、自分が最低であることも全部分かった上で「これも自分だし」って受け止めているところがあって。自分は常にいい子でなくちゃいけないと思って生きてきたところがあるので、その感じが私には新鮮でしたし、すごく勇気をもらえる部分ですね。
田中:僕の俺の答えもいいですか?(笑)。
Maika:めちゃくちゃ聞きたいです。
田中:彼らの中には、自分達がアフロ・アメリカンを虐げてきた白人社会の豊かさの中で過ごしてきたことに対する自責の念があると思うんです。アンソニーの自伝『スカー・ティッシュ』を読むと、彼自身のヘロイン中毒の問題とか、ちょっとしたセックス依存症の話が出てくるんですけど、それって明らかに自傷行為なんですよね。自分たちは恵まれているけど、観念的に苦しい。それを吐き出すことができる対象は、社会か、自分自身しかない。だから、社会に対する何かしらのメッセージを自分たちの音楽で広めるっていうことと、自分自身を傷つけるっていうことの両極が、チリ・ペッパーズのベースにはある。例えば、ブラックの人たちはドラッグディールで殺されることはあっても、ドラッグ中毒で死ぬことは少ないわけですよ。それって貧しさと豊かさの差だと思うんです。
ー確かに。
田中:その責任を彼らは感じるわけです。となると、そこから出てきた感傷性だし、どこに向けていいかわからない怒りがあるので自分を責める感覚も生じる。その感覚っていうのは、皆さんが言っている、自分自身の怒りは実は社会と地続きなんだっていう話と繋がってると思います。
ーそのような社会や歴史との何かしらの繋がりや、それに対する言及というのは、『Unlimited Love』や『Return of the Dream Canteen』にも見られるのでしょうか?
田中:ここ二作品のリリックにはすごく固有名詞が多い。なおかつ、いろんな曲からの引用がありますよね。そのことによって、歴史の連続性や、その中で培われた自分たち自身のアイデンティティを表現してるんだと思うんですよね。どういう時代のどういう社会や文化によって自分たちや自分たちの音楽が育まれてきたのか、これからどこへ行こうとしているのか。ただそれを学校の先生みたいに「歴史とはこういう流れです」って教えるのではなく、固有名詞や、サウンドの固有性を引用することで、さりげなく伝えるっていう。皆さんは、今回のアルバムのリリックで気になったところはありますか?
Maika:私たちも「人の名前がめっちゃ多いね」って話してたんです。「この人たち、誰なんだろう?」って。
Lily:「Eddie」とか、そうですよね。
田中:ヴァン・ヘイレンのギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレンのことですよね。
Lily:私は「Shoot Me A Smile」の歌詞がすごく好きでした。「どんなトレンドにも屈しない」「でも驚かせてやる いつだって」とか。
Maika:「Afterlife」の冒頭に、歌じゃなくて、喋ってるところがあるじゃないですか。「若者は歳を取る バッファロー・スプリングと共に」って。歳を取ることに対する恐怖は誰もが持ってると思うんですけど、あの年齢であんなにバキバキ元気にパフォーマンスしている人たちでも、「俺たちは歳を取りました」って言うんだと思って。でも、そこがむしろかっこよくて。
最新アルバムで彼らが証明したこと
ー今回のアルバムのサウンド面に関してはどうですか?
Maika:『Blood Sugar Sex Magik』の頃に較べると、わかりやすさとポップさが増していますし、音の作り方も最近のテイストが増えているなと思いました。自分たちにとってはリアルタイムで出た初めてのレッチリの新譜がこれなので、新しいフリーのフレーズが聴けて、ただただ嬉しい!っていうのもあります(笑)。「ああ、リアルタイムでカバーできる!」みたいな。
Lily:ギターは歪が最小限で、結構クリーンな感じがしました。「こういう風に来るんだ」って驚きましたね。3曲目の「Reach Out」で、「あ、やっと歪んだ」と思って。そこで自分的には沸いたんですけど(笑)。
Moto:私は「The Drummer」が新しいなと思いました。私が聴いてきた中でのレッチリの雰囲気とは違う感じがして。シンセもたくさん入ってますし。
Maika:キーボード系が多かったよね、パットっぽい音も多かったし。
Moto:わからないですけど、今を意識してるのかな?って。そういうのも取り入れて、かっこよく見せるのが素敵だと思いました。
ー田中さん的にはどうでしたか?
田中:『Unlimited Love』が出たときに僕がよく言っていたのは、先ほども話した「この方法があったのか!」ということと、「何がいいって、別に何も大したことをしてないのがいい」ってことで。
全員:(笑)
田中 特に新しいアイデアがあるわけでもない。でも、そこがいい。ポップミュージックの世界には「常に新しい時代に即した、新しいアイデアがなくてはならない」という強迫観念が存在しますよね。もちろん、それも重要なことなんだけど、そこからすっかり解き放たれても優れた音楽というのは生まれることを証明したのがこの2枚の作品だという気がします。だから、言ってしまえば、『Unlimited Love』と『Return of the Dream Canteen』は特に新しくないと思います。Chilli Beans.の皆さんが指摘したような新しい要素も入ってはいるんだけど、そもそもは「『Blood Sugar Sex Magik』のときのチリ・ペッパーズを普通にやってみない?」というごくシンプルなアイデアから始まった気がする。そして、それが今すごく新鮮に感じるっていうレコードじゃないでしょうか。
ーなるほど。
田中:『Unlimited Love』と『Return of the Dream Canteen』は対になる作品で、2枚組のようなものだと思うんです。『Stadium Arcadium』も2枚組でしたけど、「どれだけいろんな違うことに挑戦して、どれだけすごいことができるか?」という野心の塊みたいなレコードだったと思うんですね。自分からすると、あれはちょっとしんどかったんです。「すごく頑張ってるけど、無理してない? これじゃジョン・フルシアンテが抜けちゃわない?」って思ったんですよね。ジョン・フルシアンテは基本的にメンタルが弱い人なので、過剰な期待を負わされたり、競争に晒されたりすると、スッと逃げて行っちゃう人なんですよ。そこは自分が彼を絶対的に信頼しているポイントだったりするんですけど。
Lily:なんか、かわいい(笑)
田中:でも、特に『Return of the Dream Canteen』は無理をしてないように思いませんか?
Maika:確かに。そんな感じがしました。
田中:たぶん『Unlimited Love』と『Return of the Dream Canteen』は同じセッションで作られたレコードだと思うんですけど、まだ『Unlimited Love』の方が「フックのあるシングルを2曲くらい作ろうよ」という気持ちがあって、そのシングル曲を軸にバランスを考えてアルバムをまとめた作品のように感じるんです。でも『Return of the Dream Canteen』の場合は、「もしかして全曲アウトテイクだったんじゃない?」っていう気がするんですよね。
Maika:さっきメンバー同士で話してたときも、同じようなことを言ってたんです。「たぶん『Unlimited Love』を作ってたときからの流れで、ずっとジャムをしていて、その結果できた曲をそのまま入れたんじゃない? そんな感じで作ったんだろうね」って。
田中:いい意味で力が抜けてるし、フックのあるコーラスがある曲も少ないし、ヒットするポップソングを書こうとして作られた曲が特にどこにも見当たらない。でも、演奏は全曲最高。そういうレコードだと思うんです。どうしてもポップアーティストっていうのは、たくさんの既存のファンの期待に応えなきゃいけないし、これからの新しいファンに向けて語りかけないといけない。でも今回のレコードは、「いやでも、俺たちがやりたかったのは最高の演奏じゃない?」っていうところに立ち返っている。だから、実は『Unlimited Love』より『Return of the Dream Canteen』の方が全然いいと思うんですよね。
Lily:本当に同じようなことを、さっき話してました(笑)
Maika:『Return of the Dream Canteen』の方が好きだね、って話してて。力が抜けてる感じが、逆に新しく感じるんだと思います。
Lily:そう。私たちも「ヒットしなきゃ」とか、そういうことに捉われてしまうときがあるので。このアルバムを聴くと、「えっ、これでいいの? マジ?!」とか思って。
Maika:そうそう(笑)
田中:例えば、一応「Eddie」はシングル扱いになってるけど、どれもシングル向けには作ってないですよね。でも、逆に言うと、捨て曲がひとつもないんですよ。
Maika:そうだと思います。素敵ですよね。
Lily:そういうところも全部かっこいい。
田中:今の時代は、とにかくフックのある曲を書いて、とにかくソーシャルでバズらせることが作家のプライオリティになっている時代だとも言えます。そんな中で、ここまで「いや、俺たち、別にそんなことを目的に音楽やってるわけじゃないから」と、ごく自然体に語りかけてくるレコードはないと思います。実は『Unlimited Love』の場合は、「あれ? 俺、シングルの時はあんなに興奮してたのに、あんまりよくないかも?」って感じたんですけど(笑)、今回の『Return of the Dream Canteen』は聴けば聴くほどいい。フリーもアンソニーも、「とにかく俺たち、やらなきゃ」ってタイプの人たちじゃないですか。でもたぶん、ジョン・フルシアンテがそこにサーモスタットをかけたと思うんですよね。「いや、今回はちょっと頑張るのやめない?」って(笑)。
Maika:最高ですね(笑)

Photo by Mitsuru Nishimura
田中:そういう態度というのは、今の時代のいろんな潮流に対する力の入ったカウンターというよりは、スッと身をそらして、そこから少しだけ距離を取るような身振りを感じるんですね。「これはクレヴァーだし、クールだな」って思いました。だから、皆さんも無理しすぎないで下さい(笑)
Maika & Lily & Moto:(笑)
田中:皆さんの場合も、それぞれシンガーソングライターを目指していたときからそうだったと思うんですけど、最初は自分たちのフィーリングやエモーションを演奏する喜び、曲を作る喜びにフォーカスしよう、ってところから始まっているはずが、活動を続けていくうちに、そのプライオリティって段々下がっていくじゃないですか。やっぱりファンや周りのスタッフ、まだ出会っていない潜在的なファンを喜ばせたいと思ってしまうから。
Maika:うん、そうですね。
田中:ただそれって、時として作家からソウルや命、一番大切なものを抜き去ってしまうメカニズムというか、落とし穴でもある。もちろん、実際に活動する上で考えなきゃいけないことはたくさんあるとは思うんですけど。
2023年、日本で16年ぶりの単独公演
ーレッチリの来日公演が2023年2月にありますが、彼らのライブを生で観たことは?
Lily:まだないんです。
田中:チリ・ペッパーズってね、ライブの出来、不出来の差がすごいんですよ(笑)
Lily:それもいいですね、最高(笑)
田中:ジョン・フルシアンテが最初にバンドを抜けたのも、『Blood Sugar Sex Magik』のリリース後、92年に開催された日本ツアーの途中だったんです。ライブ終了後にいきなりいなくなって、そのまま飛行機に乗ってアメリカに帰っちゃったっていう。
Lily:ヤバッ!(笑)
田中:で、そのままバンドを抜けちゃった。彼は本当に自分の不安定なメンタルに対してすごく正直な人で、駄目になったら逃げるっていうことをずっと繰り返してきた。だから、ジョン・フルシアンテの調子が悪いときのライヴって、本当にハラハラするんです。今日は明らかに調子が悪いとか、今日のオーディエンスの感じがちょっと嫌なんだなとか、そういうのがモロに出ちゃう。そうすると、それが他の3人に伝染して、バランスがガタガタになる。すごく生き物としてのバンドを体現してるんですよね。だから、4人のバランスがバチッと合ったときは、「うっそおー?!」って思えるくらいの奇跡が起こるっていう。
Lily:自分たちでライブをしていて感じるのは、来てくれたみんなと一緒にその場を作るんだっていうことで。自分たちが最高の演奏をすること以上に、現場の空気が何より大事。それは最近、すごく実感してきました。
田中:大事だと思います。「自分たちの表現を観てくれ!」というよりは、オーディエンスと一緒に空気と時間を作っていくパフォーマンスが一番重要。だから、チリ・ペッパーズは駄目なオーディエンスの前では駄目になります(笑)。
Lily:かっこいい。
Maika:かっこいいよね、それも。
田中:人間味があっていいですよね。だから、今回の来日公演が奇跡みたいなパフォーマンスになるのか、「えー?」っていうライブになるのかは、本当に我々オーディエンス次第だと思いますね。

Photo by Mitsuru Nishimura
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<INFORMATION>
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ来日公演

■東京公演■
2023年2月19日(日)東京ドーム 開場15:00 / 開演17:30
■大阪公演■
2023年2月21日(火)大阪城ホール 開場18:00 / 開演19:00
■チケット料金(税込)
プラチナ席:50,000円(グッズ付)
バルコニー席: 25,000円(東京公演のみ)
S席:20,000円
A席:18,500円
12月24日(土)午前10時 チケット一般発売予定
公演HP:https://www.livenation.co.jp/redhotchilipeppers2023


『Return of the Dream Canteen / リターン・オブ・ザ・ドリーム・カンティーン』
国内盤CD:
WPCR-18503 / ¥2,860(税込)
発売中
配信リンク:https://rhcpjp.lnk.to/ROTDCPu
【関連リンク】
オフィシャルサイト:https://redhotchilipeppers.com/
Instagram: https://www.instagram.com/chilipeppers/
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Warner Music Japan: https://wmg.jp/rhcp/

Chilli Beans.
3rd Digital Single「daylight」
配信中
https://chillibeans.lnk.to/daylight
オフィシャルサイト:https://chilli-beans.com/
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