梶裕貴、小野賢章らが歌う誰もが知る“青春の1曲” 声優によるJ-POPカバー最前線 – Real Sound

 1990年代~2010年代の誰もが知るJ-POPの名曲を男性声優30人がカバーした、『[Re:collection] HIT SONG cover series feat.voice actors』が話題だ。同作は、人気J-POPナンバーのカバーを1990年代、2000年代、2010年代に分けて3枚に収録したもの。ロック、ラップ、バラード、TikTokなどSNSで人気の楽曲といった多彩なジャンルがカバーされ、女性ボーカリストの曲が収録されているのも魅力。この声優がこの楽曲をカバーしたのかという意外性もあれば、納得の歌唱力を披露する声優も。懐かしい青春時代の思い出が大好きな声優の声でよみがえる。
 ここ数年、ネオシティポップの流行や若者の間のレトロブームによって、懐かしいJ-POPを耳にする機会が増えた。『パリピ孔明』や『からかい上手の高木さん』(ともにTOKYO MXほか)などのアニメ、『D4DJ』や『BanG Dream!』などゲームのキャラクターソングにとどまらず、声優自身によるJ-POPカバーも増加した。コロナ禍でYouTubeを始めた声優が、自分の思い入れのある曲で「歌ってみた」動画をアップするようになったことも、きっかけの一つ。以前はアニメソングが多かった声優アーティストによるカバーだが、近年はJ-POPを題材にしたものが多くリリースされるようになっている。
 豊崎愛生の『AT living』は、ふわっとした柔らかさが魅力の歌声で、はっぴいえんど、大瀧詠一、RCサクセションなどがカバーされた。豊永利行は『T’s』で、秦基博「ひまわりの約束」、斉藤和義「歌うたいのバラッド」などをアコースティックでカバー。雨宮天の『COVERS -Sora Amamiya favorite songs-』は、中森明菜、松田聖子、杏里、八神純子など、昭和の歌謡曲とポップスをカバーして個性を発揮。また、生粋の昭和J-POPフリークである中島愛は、『10TH ANNIVERSARY COVER MINI ALBUM ラブリー・タイム・トラベル』で松原みき、安田成美、河合その子などの楽曲を、tofubeatsらクリエイターの編曲のもとカバーした。選曲や切り口も様々で、楽曲の魅力を再発見することができると同時に、どの作品からもそれぞれの声優のルーツや原曲への愛情が伝わってくる。
 声優によるJ-POPカバーの“コンピレーション作品”も多く、そうした作品の場合は没入度合いの深さが魅力となる。声優の表現力というものは、単にアニメのキャラクターに命を吹き込むことだけでなく、絵がなくてもその人物が生きているかのような情景を目の前に繰り広げてくれる。声優の朗読劇を観たり、ドラマCDを聴いたりしたことがある人ならば、そのスキルについてはご存じだろう。それは楽曲の歌詞も同様で、楽曲に込められた思いはもちろん、その曲がヒットした当時の空気感まで引き出してくれる。懐かしい時代へのタイムマシンのような役割を担っていて、それが好きな声優の声ならばなおさらだ。

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