5人組の新鋭・Drive Boyの躍進。時代に即した柔軟な活動の先に … – BIG UP!

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ダンス、ソウル、90’sのUKハウスなど、様々な音楽的エッセンスを融合し、アップデートし続ける5人組バンド・Drive Boy。Underworld(アンダーワールド)の代表曲「Born Slippy」に由来したバンド名で、聴く者を心地よい音の世界にトリップさせつつ、過去にはUKツアーや韓国公演も成功させた新進気鋭のバンドだ。
そんな彼らが、9月21日に最新曲「Time Flies」をデジタルリリースした。流れるように過ぎる時間(=Time Flies)の中で得てきた自らの経験を振り返りつつ、バンドとしての更なる前進を期待させるダンスナンバーだ。
今年の夏には<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022>への出演も果たすなど躍進を続ける彼らは、どのように結成され、どのようにサウンドメイクを行っているのか?最新曲の話はもちろんのこと、MV制作を含めたディレクションも自らで行っているクリエイティブなバンドの成り立ちについても知るべく、Ryutaro Otake(Gt&Vo)、Junichi Ishibashi(DJ&Smp)、Syunpei Ogawa(Ba)の3人に話を伺った。

Ryutaro Otake(Gt&Vo):
最初はメロディックパンクをやっていたりもしたんですけど、元々エレクトロ系のダンスミュージックも好きだったんです。その上で、これまで自分が聴いてきた様々な音楽的エッセンスを併せ持ったものを具現化したくて、高校の同級生だったSyunpeiや、10代の頃にライブハウスで知り合ったSyun Mori(Dr)に声を掛けつつメンバーを集めて、Drive Boyを結成しました。その当時から、大きなフェスに出演したいという目標を掲げつつ、海外ツアーなどのインターナショナルな活動をしていきたいという考えはありました。
Syunpei Ogawa(Ba):
高校で最初にOtakeとバンドを組んだ時は、blink-182(ブリンクワンエイティートゥー)のコピーもやっていたしね(笑)
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
うん。「Always」ね(笑)。そこからオリジナルで楽曲を作るようになっていったんですけど、自分自身がジャンルに縛られない音楽の聴き方をしていたということもあって、音楽的なシフトチェンジに関しての違和感はなかったです。その考え方にメンバーも「いいんじゃない?」と乗ってくれましたし、結成当時から今に至るまで、自由に好きなことができています。
Junichi Ishibashi(DJ&Smp):
僕は元々Drive Boyのファンで、僕が在住している茨城でイベントをやる時に、是非彼らにライブしてほしい!とオファーしたのが出会いです。最初に誘ったライブは、あまりに楽しみ過ぎて記憶がないんですけど……(笑)。そこから何度もライブに行くようになり、親しくなっていく中で、2020年にキーボード&シンセサイザーを担当していたメンバーがコロナ禍の影響もあって脱退してしまうという話を聞いて、そのタイミングで加入することになりました。ひとりのファンとしても、その脱退でバンドを止めてほしくなかったという気持ちもありましたし。
Syunpei Ogawa(Ba):
やる気と元気とフットワークの軽さで決まった感じはあるよね。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
ほんとそんな感じの軽いノリではあったね。二つ返事でやるって(笑)。前任メンバー脱退の翌週から一緒にスタジオに入っていましたし、一所懸命やってくれています。
Syunpei Ogawa(Ba):
ライブが無くなったというのは大きな変化ではありましたけど、今の時代って、ライブをすることだけが音楽じゃないとも思いますし、そこまでネガティブに捉えてはいないです。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
そうだね。色々なフェスのオーディションに応募して、優勝して出演権を得ていたりもしていた中で、それらが軒並み中止や延期になっていくという状況は悔しかったですけど、Ishibashiのようにバンドのことを想って動いてくれる人もいたし、できないものはできないと割り切りながら、前向きに考えていました。VJを加入させようとしたきっかけにもなりましたしね。自分たちができる最高の形でライブ活動をスタートさせたかったので、ひとつひとつ緻密に計画を立てていきながら、その時を迎えるまで準備していました。
Syunpei Ogawa(Ba):
当時はメンバーみんなで一緒に暮らしていたので、バンド活動も滞ることなくできていましたしね。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
全員ではないですけど、Drive Boyハウスを作って一緒に生活していました。その方が色々なことが手っ取り早いなと思ったので。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
楽曲を作るマインドに変化をもたらすことはほとんどないですね(笑)。楽曲制作においては、僕がひとりで作って、完成したものをメンバーに渡すフローなので。基本、自分がインプットしてきた様々な要素を、自分なりの解釈でアウトプットして音楽にしていくという作業なので、そこに対する影響はほとんどないです。でも、楽曲制作以外のバンド活動が円滑に行えるという点でとてもストレスフリーになったのは大きかったですね。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
ジャケットのデザインやMV制作については、コロナ前からDIYしているものではあるんですけど、人に頼むとお金もかかるし、自分たちが作った方がイメージをそのまま出力できるという点も含めて、事が早く進むのでそうしています。まあ、お金が無かったから予算を割けなかったというのが正直大きいですけどね。でも、いざやってみたら楽しかったですし、そこを評価してくれる人もいたので、今ではバンドという括りを超えて、Drive Boyというクリエイティブ・チームとして機能してきているなという実感はあります。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
レコーディングは4月に行ったんですけど、制作に関しては結構ギリギリでしたね。ちょっと特殊かもしれないんですけど、制作具合を考慮しながらレコーディング日を設定するのではなく、レコーディング日を先に決めてから、自分を追い込むように作っていくんですよ。なので、今回も5徹くらいした記憶があります(笑)。曲作りの流れとしては先にトラックを作って、どんどん気持ち良いものにしていってオケを作って、ボーカル、メロディ、詞を乗せていき、レコーディングとラフミックスが終わった段階で、メンバーに渡すんです。

Ryutaro Otake(Gt&Vo):
そうなんです。更にその後、エンジニアさんと一緒に、何か月かにわたって本当に細かいところまでミックス作業を行っていきます。その間に、渡したラフミックスを基にしてメンバーに練習してもらう、という流れです。
Syunpei Ogawa(Ba):
昔は全員でスタジオに入って、Otakeのアイディアに対してああでもない、こうでもないと言い合いながら何か月も掛けて作っていたんですけど、PCを使ったこの作り方になってからはスピード感が全く違いますね。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
PCを活用する以前は、3日~1週間くらい山に籠って、合宿みたいな感じで曲を作っていたんですよ。修行みたいに…。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
そうですね。なので、Drive Boyに関しては、よくある方向性の違いによって解散するみたいなことは絶対に起こらないです(笑)。現に衝突も起こらないですし、メンバーから「ここはこうした方がいいんじゃない?」というアドバイスを受けることもほとんどないですね。迷った時に訊くことはありますけど。
Syunpei Ogawa(Ba):
細かなアレンジに関しては、ライブでやればいいですしね。曲作りにおいては、特に思うことなくやっています。
Syunpei Ogawa(Ba):
カッティングの曲が久しぶりだなと思いました。前にもカッティングを多用した楽曲はあったんです。海外では大ウケしたんですが、日本でのウケがあまり良くなかったんですよ。なので、今回はそこをどうサウンド・アレンジしていくんだろうなとは思っていました。
Junichi Ishibashi(DJ&Smp):
前作「Bittersweet」と並行してレコーディングしていたということもあって、「Time Flies」のラフミックスを貰った時は、伸びしろはもちろんありつつも、正直言うと「Bittersweet」の方が個人的には好みだなぁと思っていたんです。でも、マスタリング後に聴いたら、その考えは杞憂だったなと思い知らされましたね。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
ニュアンスやアプローチの仕方が全く別物の2曲だったので、並行してたとはいえ、きっちりと頭を切り替えながら制作してました。本を読んで楽しむ一方で、映画も観てる、みたいな感覚ですかね。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
「Bittersweet」はリズムのヨレの気持ち良さを重視したというか、リラックスしながらゆっくり乗れたらいいなと思って作ったんですけど、「Time Flies」に関しては、単純にノリも良いし、耳がどんどん気持ち良くなるようにしたいなと思っていました。なので、カッティングについても、ブラッシングの部分をどう工夫したら立体的なサウンドになるかな?と試行錯誤しながら作りました。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
いや、特にはないですね。同じ曲でも、UKツアーに行って演奏した時はめちゃくちゃ反応が良かったのに、日本ではイマイチだったとかもありますし、そこで一概に良い/悪いの判断はできないので。日本のライブハウスでも同じような反応の違いは生まれますしね。なので、そこに関しては、楽曲自体をどうするか?というよりは、パフォーマンスやセットリストなどの魅せ方を工夫してその場にいる人がより楽しめるようにするという方法を常に考えています。
あと、客観性の大切さというものは間違いなくあると思っていて。「Time Flies」って、開始40秒経たずに1サビに入るんですけど、今よく言われている「サブスクでは1分以内にサビに入らないと聴き飛ばされる」という考え方を踏まえたというのもありますね。絶対にこうしたい!という構成が無い限りは、そういった時代に則した考え方を柔軟に反映させつつ、自分が作りたいものと聴き手が求めるものをリンクさせていけたらいいなとも思っています。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
“自分が楽しむこと”と“相手が楽しむこと”は大前提だと思っているので、そのふたつの共通項を模索していくことが、音楽を作る喜びであり、バンド活動の楽しさであると思っています。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
今までは、自分が好きなものを詰め込んだ作詞をすることが多かったんです。そもそも誰かを救いたいだとか、共感を求めるといった歌詞は書いていなかったんですけど、今回は特に、発音だったり韻の踏み方だったりで、口が気持ちよくなるような詞になるようにしています。あとは、「You」の意味を特定の誰かに限定しないように、聴き手によって当てはめる対象を変えてもらえるように余白を残したりしていますね。
内容については、《Time flies so fast》という歌詞の通り、バンドとしての足跡を振り返るようなものになっていると思います。ここまでいい経験をさせてもらってきましたし、自ら危ないところに足を突っ込んで、普通じゃ経験できないことも沢山してきました。そういったことが自分たちの財産だと思っているので、そういう軌跡を考えつつ作詞していきました。
Syunpei Ogawa(Ba):
歌詞に関しては、あんまり意味を追っていなかったので、そういうことを言っていたんだなという気持ちです(笑)。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
これはSyunpeiだけでなくメンバー全員だと思うんですけど、歌詞の意味に重きをおいていないんですよね。
Syunpei Ogawa(Ba):
そうそう。メロディラインの方が重要だと思っているので、後から意味に気付くというパターンが多いですね。
Syunpei Ogawa(Ba):
UKツアーやフェスへの出演など、これまでの活動があって最近ようやく注目を浴びるようになってきたので、ここから自分たちの良さをどう見せていこうかな?と思っています。まだまだこれからが本番ですね。
Junichi Ishibashi(DJ&Smp):
<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022>に出たことで、自分たちがまだ気付いていないだけで、Drive Boyの音楽に反応してくれる人ってこんなにいるんだ!と思えたんです。自分は元々このバンドのファンだったので「Drive Boyってこんなにカッコいいんだぞ!」という気持ちで広げていきたいですし、そう思うからには、自分たちだけが満足する音楽で完結させるのではなく、貪欲に進んでいきたいなと思っています。
Ryutaro Otake(Gt&Vo):
<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022>に出演できたからと言って、そこで自己満足として終わる気もないですしね。でも、そこで僕らのライブを観てくれた人が、ライブハウスでのライブにも来てくれたということもあって、あのステージに出られて良かったなと純粋に思いましたし、そこで繋がっていったこの輪をどうやって広げていくのか?と考えるようになりました。バンドができることって、新曲を作って発信して、ライブをするということくらいしかできないと思うんですけど、その中で、この環境をいかにより大きく、より良いものにしていくかを考えながら、これからも楽しんで活動していこうと思います。
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