【TAKURO インタビュー】大いなる世界のもたらした一枚の絵から … – Yahoo!ニュース


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TAKURO
GLAYのリーダー、TAKUROが通算3作目のソロアルバムを発表した。『The Sound Of Life』と名づけられた今作は、ブルースやジャズを意識した前2作とは異なり、ピアノ中心のヒーリングミュージック。何かと騒々しい世の中で、聴く人の気持ちを少しでも癒したいという想いがあったというが、そこには音楽家、作曲家としてのさらなる進化があることも決して見逃せない。 GLAY インタビューのその他の写真
──3rdソロアルバム『The Sound Of Life』、とても良かったです。TAKUROさんは“これを聴いて熟睡しろ!”とおっしゃっていましたが、仕事柄、さすがに聴きながら眠ることはできませんでしたけど(笑)。 あははは。いや、聴くのは寝る前ですよ(苦笑)。“もう寝るぞ!”っていう時にかけていただければ。 ──(笑)。リラックスタイムにヘッドホンを着けて聴いてみても、各楽器のディテールがはっきりしているところが聴いていてとても良かったですし、インスト曲の面白さを感じましたね。 インスト…そうですね。今回はもともとピアノ1本で作ろうとしていたところ、パートナーのジョン(Jon Gilutin ※今作のアレンジャー)の勧めで“TAKUROもちょっとポロポロ弾いてみれば?”ってことで、ジョンの作り上げたオケに対する自分の答えとしてギターをやっていたんですけど、音楽というものをもう一回改めて考え直す時期が来たのかなと。自分の中では作詞というポジションが一番の自分の仕事だと思っているし、作曲は得意だから作詞とセットでやっている感じで。で、楽器で一番好きなのはギターだけど、それは趣味みたいなもんで、みんなでバンドをワイワイやりたいからギターを弾いていて、それで今の自分があるんだけども、自分のスキルは定期的に見直さなきゃいけない。なので、ギターのスキルアップのために『Journey without a map』(2016年12月発表)と『Journey without a map II』(2019年2月発表)を作って、自分の新しい表情を見つけることができたわけで、今度は曲の…ということですよね。このアルバムの成り立ちとしては、やっぱりロシアのウクライナ侵攻に対する自分の憤りみたいなところがあって、その憤りを収めるためにやさしい音楽を…というところがあって。そうなると、軍事侵攻みたいな人同士のいざこざとは真逆にある大自然に思いを馳せて、その中に一回自分自身を置いてみる。そこで、風の音でも雨の音でもいいんだけど、そこにふたつの音さえ入れば、“それはもう音楽と呼んでいいじゃないか?”という。僕は長いこと、ずっとJ-POPの商業音楽の中にいて、やれ転調だとか、サビが強くなきゃいけないとか、いろいろと考えてきたけれども、自分の中での音楽の概念、定義をもう一回変えるために、引いてはそれが人の心を癒す作用にもなるんじゃないかというところで、今回このアルバムを作ったんです。 ──『Journey without a map』と『Journey without a map II』はギタリストとしての修行的な意味合いがあるという話を以前うかがいましたが。 もうまさに修行。GLAYのギタリストとして、GLAYのメンバーであるために必要なプロセスとして、スキルアップを求めましたね。 ──それに対して、今回の『The Sound Of Life』は作曲家として、音楽家として、次にどうアプローチしていくかを考えたと。 まず自分の心を整えるという意味があって。今年の2月の軍事侵攻以来、自分の気持ちがザワザワしていて、まだまだコロナの影響もあったし、人々の気持ちもザワついていたと思う。そうしたところで、“自分も含めた人々の心を癒せるようなものは何だろう?”と考えてピアノに向かっていたら、次から次に1枚の絵が頭の中に浮かんできて。それは、例えば北海道の木に氷が被さっているような風景であったり、そこで生きる人間であったり。で、“そこに音をつけるとしたら?”と。あと、“春の木漏れ日の優しさに音をつけるとしたら?”とか、そんなところでスタートして、そんなところで終わりました。さっき言った壮大な喧嘩の延長にあるものが戦争だとしたら、結局人間はこの地球上の大自然の一部であることを忘れてしまっているから、今リアルにミサイルが飛び交っている。で、それと真逆なものを掛け合わせることで心を落ち着かせたいところがあったから、軍事的なニュースを目に映しながらも、頭の中で浮かんだものは悠久の流れの感じがする川や、本当に100年前も100年後も変わらないであろう滝の流れみたいなものだったんですよ。自然は人間の一生すら超越するんだなって。今回のアルバムでは時間がすごい重要で、時間を超越することが僕にとって大事だったんですね。時が流れるだの何だのというのは実は存在していない。そもそも時間なんてものはなくて、それはただ単に人間が生まれて老いていく過程で何とかしてその体裁を決めたかったから作ったものに過ぎない。社会で生きていく上で必要だから時間というものを人間は決めた。で、自分もそういうものにずっと縛られて音楽を作ってきたわけだけど、“時間に縛られない音楽って何だろう?”とも思ったんですよ。だから、基本的なマナーとして今回はクリックを使わないと決めて。“時が自分を追い越していくんじゃなくて、勝手に人間が生まれて、勝手に朽ちていくだけなんだ”“時間なんてものは社会の生活を窮屈にするためのもの” “人間社会の最低限のルールとして時間というものが作られたんだな”と思ったら、自分から出てくるメロディーがまたちょっと変わったのは確かです。 ──本作収録曲はポップミュージックの公式とは違う楽曲がほとんどですよね? イントロ→A→B→サビみたいなスタイルからはほぼ離れてると言っていいんじゃないかと。 そうですね。まぁ、GLAYで散々それをやってきたので、今度はまた違った角度で自分の音楽家としての新しい一面を…というところもあったし、今までの自分の音楽では今の世の中の悲しい出来事を到底カバーしきれないので、今必要な新たなものを今作らないということですよね。音楽家としてのある種の使命だったりマナーだったり、そういうようなところも大きくて。あとは、改めて“今の自分がどういう人間なのか?”というと、誰かの友人であり、誰かの親であり、誰かの夫であるわけで、こうしてアルバムを作ることによって、社会に生きる今の自分として、今起こっていることに対して声を上げていくとか、誰かと積極的に話しをするとか、そういうことも広がっていくので、歌詞はないけども、今伝えたいメッセージではありますよね。音で伝える…逆説的ですよね。激しい世の中の情勢に対して圧倒的なやさしさ、安らぎ、タイムレスなもので立ち向かっていくというのは、テーマとしてはありました。 ──話を整理する意味でも、今回ピアノで作曲した理由を今一度おうかがいしたいです。今、おっしゃられたように、騒々しい世の中でピアノの音色に惹かれたところもあるんでしょうか? 作曲者、音楽家としての新しい引き出しを開けたいと思っていたんですけど、自分はギタリストの面が多分に多いので、ギターだとやっぱり手癖が出ちゃう。今まで学んできた“いい曲の定義”や“TAKUROらしさの定義”みたいなものを一回捨てなきゃいけないと考えたんです。僕はピアノを弾くのは好きだけれども決してうまくないので、その中で、ピアノで音を拾うことはギターにはないマジックが生まれるんですね。ギターの知識がすごくあるぶん、その知識の中からは逃れられない。“勉強するのは逆に想像性を狭めてしまうことにもなり得るなぁ”っていつも思うことなんですけど、ピアノに向かってやると、それがどんなに自分の知らないものであっても、例え角を曲がって迷子になっても、それが正しく聴こえてくるから。そういう音楽の楽しみもありながら、さっき言ったように、頭の中では1枚の絵があって、そこには太陽の光もあって風の音も鳴っているから、そこと調和すれば、それはもう音楽として成り立つだろうと。そこでは“左手のバッキングが~”とか“転調が~”とかはいらなくて、ただただやさしくて美しいメロディーが見つかれば、あとは自然の息吹と人々の記憶がこのアルバムを成功させるだろうな…という。その記憶というのは聴く側にとっての、誰もが持っている故郷かもしれないし、子供の頃のやさしかった思い出かもしれないけど、そういうものと共鳴できるような音探しであって。 ──ギタリストとして長くやっているだけあって、ギターで曲作りすると、どうしても自分の中の定義みたいなものが出てきてしまうので、それを避けるためにというのが、ピアノを用いた理由ですね。 うん。ギターでは破綻を許せなくなるからね。破綻が許されるのはまったく別の楽器。まぁ、人によっては、それが小説を書くことだったり、映画を撮ったりすることなんでしょうけど、僕の場合はこういったヒーリングミュージックの世界だということですよね。
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