八神純子、タケカワユキヒデ、幸田浩子、尾崎裕哉、ASKA……ポップス&オーケストラによるチャリティーイベントで名曲披露 – Real Sound

 小児がん患者とその家族を支援するNPO法人ゴールドリボン・ネットワークが4月21日、東京文化会館にてポップス&オーケストラによるチャリティーイベント『TOKYO SYMPHONIC WAVE 2022』を開催。八神純子、タケカワユキヒデ、幸田浩子、尾崎裕哉、ASKAが出演し、「銀河鉄道999」や「I LOVE YOU」「SAY YES」などJ-POPの名曲を、京都フィルハーモニー室内合奏団特別交響楽団の演奏で披露。親しみのあるJ-POPを、少しおめかしをして楽しむような、普段のライブとはまた少し違った楽しみを提案するイベントになった。

『TOKYO SYMPHONIC WAVE 2022』カーテンコール

 京都フィルハーモニーによるモーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」より序曲によって、盛大に幕を開けたイベント。トップバッターを務めた八神純子はとても緊張していたそうだが、楽屋に残されていた偉大な先輩ミュージシャンたちのサインに励まされたとコメント。「みずいろの雨」など3曲を熱唱し、壮大な演奏にも負けないパワフルなボーカルで観客を魅了した。
 「前日に孫と上野動物園に来たばかり」と、上野にまつわるエピソードを明かすなどトークでも会場を和ませたタケカワユキヒデ。「いろいろな意味を込めて、未来に向けて歌いたい」とコメントし、「ガンダーラ」や「銀河鉄道999(The Galaxy Express 999)」などを歌い会場には手拍子が広がった。
 旅行に行くのも躊躇される時代。八神が歌った「パープルタウン ~You Oughta Know By Now~」ではニューヨークの摩天楼が目の前に広がり、タケカワの「ガンダーラ」ではシルクロードの雄大な景色が脳裏に浮かぶ。2人の選曲からは、せめて音楽で旅を体験してほしいといった心意気も感じた。
 後半は、ソプラノ歌手の幸田浩子が「アヴェ・マリア」や「椿姫」を高らかに歌い上げ、どこかおとぎ話のようなファンタジックな世界観へと観客をいざなった他、「リハーサルの時から大好きな歌がたくさん流れていて、ワクワクドキドキ、そして涙してしまいました」と、共演アーティストへの思いをコメント。
 父・尾崎豊のカバー「I LOVE YOU」を、父親譲りの繊細さとエモーショナルさで熱く歌い上げた尾崎裕哉は、コロナ禍で作ったというオリジナル曲「Lighter」も披露した。「希望を与えるためにやっている音楽。自分の歌が一縷の希望になればうれしい」とコメントし、今という時代だからこその孤独を感じさせる世界観に、才能の片鱗を感じさせた。
 トリを務めたASKAは、「PRIDE」など4曲。湾岸戦争の時に作ったという「君が愛を語れ」では、天を仰ぎ見るようにしながら声を振り絞って歌い上げ、「今の世の中に対する思いを、この曲に込めました。本当に早く終わってほしい」とコメント。また、横浜少年少女合唱団とのコラボで披露した「歌になりたい」では、冒頭で入り方を間違えてやり直すというハプニングがあった。会場には笑い声もこぼれ、どこか緊張気味だった合唱団メンバーや客席をさりげなくほぐしたのは、さすがだと感じた。アンコールで名曲「SAY YES」を歌うと、会場はASKAの甘い歌声の魔法にかかったような夢見心地の雰囲気。歌い終えると、割れんばかりの拍手喝采に包まれた。
 決して色あせることなく今も瑞々しい輝きを放つJ-POPの名曲たちを、オーケストラの演奏で聴く。またとない機会に、世代を超えた観客が、それぞれの思いが込められた歌声に酔いしれた。
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、音楽雑誌編集を経て音楽ライターに。演歌からロック、J-POP、アニソンまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。
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