OPUS OF THE YEAR 2022
［ 特集 ］ bounceが選ぶ2022年の100枚＋
そもそも私たちは何と戦っているのか……と立ち止まらなくもない。それでも、そんな日々を彩った音が、こんなアルバムたちと共にいい記憶として残っていきますように!
TEN TOES DOWN 2022
編集スタッフの選ぶ2022年の〈＋10枚〉
●田中亮太
2022年のアフターアワーズ
101. JENNY HVAL Classic Objects 4AD
102. TSHA Capricorn Sun Ninja Tune
103. SPOON Lucifer On The Moon Matador
104. NU GENEA Bar Mediterraneo NG
105. ALVVAYS Blue Rev Polyvinyl
106. CONFIDENCE MAN Tilt Heavenly
107. JACK J Opening The Door Mood Hut
108. KANOT Textile Fantasies Höga Nord
109. 遊佐春菜 Another Story Of Dystopia Romance KiliKiliVilla
110. Masatomo Yoshizawa, XTAL Playing Nowhere KAKUBARHYTHM
音楽シーンのトレンドみたいなものは、ますますわからなくなっていますが、今年もクラブや野外パーティーで踊ることが楽しかったし、サウンドから与えられるプリミティヴな快楽を、自分は音楽体験の中心に据えていたいんだろうなとあらためて確認した一年だったように思います。ちなみに、コロナ禍を経てのダンス・ミュージック再発見みたいな風潮とは関係ないのであしからず。
10枚の並びは思い浮かんだ順で、共通点を強引にあげるなら、レゲエ、ダブ、バレアリック……みたいな? オールウェイズはいずれにも当てはまらなさそうですが、長くギター・ポップを聴いてきた人間として、〈これが選外になることは避けたい〉と思えた傑作でした。
それ以外の9枚は、クラブ耳で聴くことができつつ、ポップスなりチルアウト・ミュージックなりとして楽しめる作品、といったところでしょうか。ハウスやテクノのシングルをデータで買うことが多くなりましたが、来年はもう少しアナログ盤を買いたい。円安なんとかなれ! ＊田中亮太
●出嶌孝次
欲しいものがまだなくならなかった一年
101. DIGGA D Noughty By Nature CGM
102. CHASE & STATUS What Came Before EMI
103. ARRDEE Pier Pressure Island
104. VaVa VVarp SUMMIT
105. Tsudio Studio My Room Kats Kill／ASTROLLAGE
106. CYNHN Blue Cresc. I BLUE／インペリアル
107. THE TEMPTATIONS Temptations 60 Universal
108. THEE SACRED SOULS Thee Sacred Souls Penrose／Daptone
109. BRELAND Cross Country Bad Realm／Atlantic
110. ST. PAUL PETERSON Break On Free Leopard
大好きな部屋の整理をまだまだ延々とやっていたら、自分の恐ろしい物欲の積み重ねに圧倒されると同時に、個人的な記憶も含めていろいろなものが再生されるのはやはりおもしろいなと改めて思ったし、作品の価値は、自分にとってはまだそのあたりと強く結び付いているようです。で、何かを厳正に集約した結果発表みたいなおもしろさは別の話だとして、年間ベスト的なものを個々が選ぶ意味はそういうところにあるのだと信じたかったりもします。
どうも作品そのものの話よりも（いまさら）再生メディア対立話に盛り上がりたい人が多かったり、紅白やグラミーの選出に注文をつけるのが楽しい人も多いようですが、大抵のことは〈そういうもんだ〉で片付けてみんな好きなものを好きなように楽しむのが気分がいいと思います。
と、毎年同じようなことを書いていますが、100枚のほうを選びながらパッと思い出した10枚です。字数稼ぎをしておくと……他にもGANG PARADE、flex life、ao、杉山清貴、Perfume、FKJ、タンク、MONJU、サイプレス・ヒル……などが机の近くに置いてありました! ＊出嶌孝次
