枠組みや制約をすり抜ける幽体コミュニケーションズ。変幻自在の3人組 … – BIG UP!

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インタビュー
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どこか懐かしいメロディや素朴な歌心、可愛らしくもときにカオティックな雰囲気も感じさせるトラック。京都発の3人組、幽体コミュニケーションズの音楽はノスタルジックな感情を刺激しつつ、まるでこの世ではないどこかを描き出しているような、不可思議な体験を与えてくれる。
すでにフェスや大型イベントにも出演し、じわじわとその名をシーンに浸透させている彼らの実体を掴むべく、今回はオンラインでインタビューを敢行。結成の経緯からそれぞれのバックグラウンド、そして11月2日にリリースしたばかりの新曲「光の波間で息継ぎして」について、3人にじっくりと語ってもらった。

paya(Vo.&Gt.):
どんな感じやったっけ?
吉居大輝(Gt.):
僕といししは同期で、サークルに入ったときにpayaは3回生の先輩として在籍していて。
paya(Vo.&Gt.):
吉居には僕のソロ・プロジェクトに参加してもらったり、少しだけ一緒に演奏する機会もあって。当時から彼は持っている音の使い方がフレキシブルというか、すごく個性を感じていて。ギタリストとして声を掛けるなら彼しかいないなと思っていました。
paya(Vo.&Gt.):
大学のサークルのイベントで何かやりたいなと思って、いししに声を掛けました。最初は2人でスタートしたんですけど、そのイベントのときに吉居とも「何かやりましょう」という話になって、後に加入してもらいました。
paya(Vo.&Gt.):
そうですね。それ以前の活動とは違う新しいことがしたくて、いししを誘いました。ひとりで音楽を作っていくうちに、自分だけでは表現できない部分が出てきて。そこを補ってもらうために彼女を誘いました。何ていうか、自分で歌うべきじゃないメロディや言葉などがあるような気がしたんですよね。それ以前からいししは僕にないものを持っているなと強く思っていたので、彼女にならそういったものを任せられるんじゃないかなって。
paya(Vo.&Gt.):
正直、そこまで具体的にやりたいことが見えていたわけではないですね。どちらかというと、この先やりたいことが明確になったとき、それを実現できる状態になっていたかったというか。ただ、当時から歌と言葉が真ん中にある音楽がやりたいなという気持ちは持っていました。
paya(Vo.&Gt.):
どちらかというとバラバラだと思いますね。
paya(Vo.&Gt.):
僕の音楽的ルーツというか出発点は、中学生のときに吹奏楽部に入ったことですね。なので、一番最初はクラシックなどを意識的に聴きつつ、同時に流行りのポップ・ミュージックも聴いていました。それこそASIAN KUNG-FU GENERATIONやRADWIMPS、BUMP OF CHICKENなどなど。
高校でも吹奏楽部に入ったんですけど、それとは別に友達とバンドを組んで文化祭に出たりもしていたんです。NICO Touches the Wallsと椿屋四重奏、そしてPerfumeの曲をカバーしました(笑)。
paya(Vo.&Gt.):
それも高校生のときですね。吹奏楽部で楽譜の書き換えをやってるうちに、自分でもゼロから曲を作れるんじゃないかなって思い始めて。最初は単純なメロディを考えて、そこに楽器の音を重ねてみてっていう感じでした。その当時、DTMみたいな機能が入っているゲームがあって、それで作り始めました。
paya(Vo.&Gt.):
今の音楽性から大きくかけ離れているわけではないと思います。ただ、ちょうどヴェイパーウェーブが流行っていたりして、SoundCloudに溢れているローファイで奇妙な音楽には惹かれていましたね。サウンドに対して、というよりかはマインド面で自分と通ずるものがあるなと。
いしし(Vo.):
私の音楽の原体験は童謡だと思います。小さい頃、車の中で童謡がたくさん入っているCDがかかっていて。「およげ!たいやきくん」や「はたらくくるま」といった有名な曲がいっぱい入っていたんですけど、そのなかでも特に「もみじ」が好きで。よく妹と一緒に歌っていました。
いしし(Vo.):
それが全然ないんです。楽器も何も持っていなかったですし、両親も音楽を積極的に聴くようなタイプではなかったので。
いしし(Vo.):
幼馴染が高校で軽音楽部に入ったっていう話を聞いて、憧れというか羨ましいなって思ったんです。歌うこと自体はずっと好きだったんですけど、私が通っていた高校には軽音楽部がなかったので。
いしし(Vo.):
そうですね。それまでは流行りのバンドなどもほとんど知らなかったんですけど、サークルのみんなに教えてもらったりして。カバーしていて特に楽しかったのは吉澤嘉代子さんや柴田聡子さんなどですね。
吉居大輝(Gt.):
小さい頃からエレクトーン教室に通っていたので、楽器に触れ始めたのは早かったと思います。中学生になってからはさっきpayaが挙げたようなバンドにハマりましたね。特に影響を受けたのはアジカンで、ラジオでかかっていた彼らの曲を聴いてギターを買いました。基本的にはギターロックが大好きでしたね。
吉居大輝(Gt.):
大学に入ってからギターロック以外も色々と聴くようになって、一番影響を受けたのは君島大空さんだと思います。シンガーとしてもギタリストとしても大好きですね。あとは宗藤竜太さんやceroなども自分にとっては大きな存在でした。
いしし(Vo.):
嬉しかったですね。そこまで話をしたことはなかったんですけど、尊敬する先輩のひとりだったので。ただ、こんなに(バンドが)長く続くとは思ってなかったです(笑)。
吉居大輝(Gt.):
僕の場合、2人でやっているのを観ていて、正直一緒にやりたいなと思っていて。なので、声を掛けてもらったときはすごく嬉しかったですし、これまで自分がやってきたギター・ロックとは大きく異なるアプローチに挑戦できるなと。ちょうど自分としても、興味が移り変わってきた時期だったので、タイミング的にもよかったというか。
paya(Vo.&Gt.):
いえ、どちらかという音源制作をメインに考えていたんです。ただ、ライブをやっているうちにその楽しさにも気づいてきて、さらに繋がりなども増えていったことで、ありがたいことに色々と誘ってもらえるようになって。
paya(Vo.&Gt.):
楽曲制作に関してはちょうど変化してきているところなんですよね。これまでは歌とメロディを軸としたデモを僕が持っていって、それをスタジオで練習しながら、もしくはライブで披露しつつ長いスパンで曲を成長させていくという形が多かったんです。それに対して10月にリリースしたシングル「ユ」の場合、ライブで一回も演奏せずに完成に至りました。宅録メインで練り上げていって、1〜2ヶ月で仕上げたんです。
paya(Vo.&Gt.):
そうですね。明確に締め切りが設定されていたので、必然的にこれまでとは違う作り方になりました。
いしし(Vo.):
正直、少し不安はありました。これまではライブなどで何度もプレイしてきて、自分たちで納得できる形になってから音源化してきたんですけど、「ユ」はそれをせずに作り上げたので、アレンジなどの部分はこれまで以上に緻密に考えていきましたね。
paya(Vo.&Gt.):
あとはライブで演奏することを前提に考えなかったので、これまで自分の中にはなかった引き出しを開けられた感覚もあります。
paya(Vo.&Gt.):
たまたまそのときドラムンベースやジャングルを聴いていたのもあって、これまでで最もテンポの速い曲になりました。
paya(Vo.&Gt.):
なんていうか……僕は24時間の中で午前4時か5時くらいの時間帯が一番好きで。そういう時間帯の心象風景みたいなものがあるように感じているんです。その心象風景というのは今までの作品にもうっすらと通底していると思うんですけど、しっかりと意識して曲を作ったことはなかったんです。いつかはやってみたいなと思っていたんですけど、たまたま東京遠征に向かうときの夜行バスに乗ってるときに、ふと「今だったらできそうな気がする」と思って、作り上げた曲ですね。
paya(Vo.&Gt.):
すごくプライベートな空間であると同時に、海や空のように開けている場所というか。そのありえない要素が矛盾することなく同居している景色っていう感じですね。
paya(Vo.&Gt.):
サウンドもリリックと同じで、その心象風景を音で翻訳していく作業なんですよね。この曲に関しては全部一緒に浮かんできたので、それをメロディ、歌詞、サウンドに変換していっただけというか。
paya(Vo.&Gt.):
そうですね。自分の心象風景を曲にするということは多いと思います。
paya(Vo.&Gt.):
基本的に常に「曲を作りたい」とは考えています。ただ、実際に曲ができるというか、曲作りに移行できるタイミングは様々で、自分でも法則性が掴めないんです。ただ、すごく悩んだり考え事をした後にお風呂入ったときや、家にずっと閉じこもっていた後に散歩に出たときとか、何か固まっていた状態から開放されたときに浮かぶことが多いような気がします。
paya(Vo.&Gt.):
そうですね……。これもあくまでも一例でしかないんですけど、創作の源泉になるのはやっぱり言葉なんだなと思うんです。そのなかでも「幽体コミュニケーションズ」という僕らの名前も大きな存在のひとつで。幽体コミュニケーションズという言葉から引き出せるものが曲になっていくこともあると思います。
paya(Vo.&Gt.):
頭とおしりを同じ母音にしたいなと考えていて。それがチャームポイントというか、親しみやすさに繋がるんじゃないかなと思って。それで好きな言葉を組み合わせたという形ですね。
「幽体」という言葉には色々な制約から解き放たれているイメージを持っていて。あとはソロじゃなくて複数人でやるからには、それぞれの有機的なやり取りが反映される音楽をやりたいなと思ったので、そこに「コミュニケーションズ」をくっつけました。
paya(Vo.&Gt.):
音楽的にやれることを増やしていきたいという思いはもちろんあるのですが、それと同時に音楽以外の表現にも取り込んでいきたいなと考えています。幽体コミュニケーションズを音楽だけの枠組みにはしたくないので、写真や絵画、映像、文学、演劇などなど、そういった様々な表現活動やアートとの接点を持って、カルチャーを内包できるような存在になりたいです。
paya(Vo.&Gt.):
そうですね。12色の色鉛筆から24本入りのものに買い替えたら、新しい色も自然と使ってみたいと思うじゃないですか。ただ、12色しかなかったらそれはその範囲内で工夫して楽しめると思うんですけど、色鉛筆の本数は多いに越したことはないですよね。
paya(Vo.&Gt.):
あと、僕ら3人も幽体コミュニケーションズの一員としてだけでなく、それぞれの表現というものがありつつ、それが幽体コミュニケーションズにも還元されるし、逆に幽体コミュニケーションズが個人の活動にもいい影響を及ぼす。そんな状態になるのが理想ですね。
Presented by.DIGLE MAGAZINE
【RELEASE INFORMATION】
幽体コミュニケーションズ New Digital Single「光の波間で息継ぎして」
2022年11月2日リリース
▼各種ストリーミングURL
http://big-up.style/mdnoDnt7ZJ
▼ミュージックビデオ
http://youtu.be/Jd7lqTIbRd0
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