Kan Sanoが語る、Mr.Childrenのソングライティングの面白さ 『Kan Sano Talks About Pop Music』第6回(前編) – Real Sound

 ソロアーティストとして話題作をリリースする一方で、国内外の様々な作品のプロデュースや演奏にも参加してきたKan Sano。絢香、Uru、CHARAといったアーティストの作品に携わるなど、2010年代以降のJ-POPシーンのキーパーソンの一人だ。
 本連載『Kan Sano Talks About Pop Music』では、彼のルーツとなったり、愛聴していたというアーティストを取り上げていき、そのアーティストの魅力や、現在の音楽シーンに与えた影響を解説してもらう。第6回目は、Kan Sanoが小学生の頃から愛聴しているというMr.Childrenをピックアップ。国民的な名曲の数々に散りばめられた、ソングライティングの面白さを解説していく。
 なお本連載は動画でも公開中。Kan Sano自身による、「innocent world」「Everything (It’s you)」「CROSS ROAD」などの実演もお見逃しなく。(編集部)
 僕は小学校5年生の時、初めて自分で買ったCDがMr.Childrenのシングル『innocent world』だったんですけど、当時学校でクラスの女子たちがよく聴いていたんですよね。遠足の帰りのバスの中でもずっとMr.Childrenが流れてて、「すごくいい曲だな」と思ったことがきっかけでした。その後自分もMr.ChildrenやThe Beatlesに憧れて、ギターやピアノを弾きながら曲を作って歌うようになっていったので、自分にとっては音楽の道に進むきっかけを与えてくれたアーティストです。
 僕がMr.Childrenを聴くようになって、どういうところから作曲を学んだかという話にも繋がるんですけど、Mr.Childrenの面白さのまず1つ目として、サビ前に溜める拍を作るんですよね。ポップスにおいてはサビって一番大事なところで、サビをいかに盛り上げるかがすごく重要ですけど、その手法の1つです。
 音楽って普通は四小節で1区切りになっていて、文章でいうところの句読点みたいなものが四小節ごとに来ることが多いんです。それが人間にとって馴染みやすいテンポ感なんですよね。でもMr.Childrenはその四小節に少し拍を加えていて、「ここでサビが来るな」って思うところよりも少し溜めることによって、サビが来た時のカタルシスを大きくしています。「innocent world」ではラストサビだけそれが使われていて、たった3拍なんですけど、それが入るだけで印象が変わってくる。僕も作曲を始めた時に「innocent world」を聴いて、「こうやってサビを演出するんだ」ってすごく勉強になりました。
 あと、Mr.Childrenは「Everything (It’s you)」でもその手法を使っています。サビごとに直前に1拍ずつ足されていくんですけど、その1拍のところにドラムのダンダンっていう音が挿入されているので、すごく印象的なんです。コードもだんだん上っていくように動くので、聴いている側も「次はこのコードだろうな」っていうのがなんとなく想像できる進行なんですけど、1拍足されることで、最後のコードに行くタイミングがちょっとズレるので、「おっ!」って心を掴まれるんですよね。かっこいいなと思いました。






関連記事
インタビュー
Pick Up!
「インタビュー」の最新記事
blueprint book store
© realsound.jp

source

最新情報をチェックしよう!
広告
>すべての音楽情報をあなたに・・・

すべての音楽情報をあなたに・・・

インターネットで情報を探すとき、あなたはどうやって探しますか?いつも見ているページで情報を得る?検索エンジンで好きなアーティスト名を検索してでてきたものを見る?本当にそれであなたの欲しい情報は手に入れられていますか?

CTR IMG