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K-POPアイドルにファンダムが“社会的正しさ”を厳しく求めるのはなぜか
 今年韓国の大手事務所・HYBE傘下のSOURCE MUSICからデビューしたばかりの新人グループ、LE SSERAFIMのメンバー・KIM GARAM(キム・ガラム)が、活動休止した。デビューからわずか1カ月。デビュー前からインターネットで囁かれていた学生時代の校内暴力や素行不良疑惑に伴う攻撃を受け、精神的に傷ついたことが原因とされている。噂の真偽の程は現在まだ不明だが、近年韓国のアイドルシーンにおいてデビュー前の過去の事件や疑惑が理由で一般市民のみならずアイドルファンダムから糾弾され、活動休止や脱退に至るケースは決して珍しくはない。 【画像】豪華アーティストが集結した、2019年ののK-POPイベントの様子  日本でもアイドルの「素行」や「人格」についてファンダムから声が上がることは皆無ではないが、アイドルとしてデビューして以降や現在進行形の事件でない場合、活動休止や脱退まで至るケースはそれほど多くないように思われる。この違いはどこからくるのだろうか。  韓国のアイドルファンダムの特徴のひとつに、アイドルとの距離感が日本よりも近いということがある。「家族」や「身内」のような感覚が強いようだ。音楽評論家のイ・ミンヒによる2013年の書籍『ファンダムや追っかけや』では「ファンダムは、自分の歌手を愛し、他人の歌手を嫌う経験があることによって政治を知っている。 世論を、あるいはこの世の中をどうやって説得しなければならないか、また、何をどのように排斥しなければならないのかを知っている。 混乱を予測して作る方法を知っている。 それゆえに『ファン活動は即ち政治活動』だという批判もある」と分析されていた(※1)。このように、韓国のアイドルファンダムでは推しに対する広報的な活動、つまり「ロビー活動」と、自分の推しのライバルの短所を広く流布する行為などといった「アンチ活動」の両面が活発に行われるということは大きな特徴と言えるだろう。  かつてはそれぞれの思惑がファンダム間の軋轢と衝突し、時にはファンダムの内部でジェンダー、人種、社会的マイノリティに対する真っ当な意見すら否定的に受け入れる雰囲気さえ作られていた。当時は自分の推しが批判される場合は問題を提起した人々を敵視するが、自分が嫌いなアイドルが似たような過ちをすれば積極的に批判するような光景もよくみられた。この背景には、2000年代までは韓国内でのアイドルとそのファンたちに対する社会的視線が今よりはるかに否定的だったという背景もあり、当時は外部の非難からアイドルを隔離して保護することが目的という側面があった。  この流れが反転したのは2018年頃のことで、この時期からファンたちの「政治的なふるまい」は、逆にアイドルに対して社会的な正しさを強く求めるようになっていった。この時期のファンダムについて大衆文化評論家 ハ・ジェグンが「最近のアイドルファンダムはスターを崇拝するのではなく、育成するという態度を持っているために、スターに社会的な意識を持つように強く求める傾向にある」と説明している(※2)。以前は嫌いなアイドルの間違いを批判する活動が多かったが、近年はむしろファンダムの内部から推しのアイドルに対する批判が活発に出るようになった。この背景には、アイドルファンダムの多くを若い女性が占めるという特性上、韓国内でのインターネットフェミニズムの盛り上がりに影響を大きく受けたこと、SNSがアイドルの活動をひろめることに大きな影響を与えるツールとして定着した結果、以前のように事実を隠蔽したり拡散させないようにすること自体が難しくなっていったことが考えられる。結果的に「問題」とされたアイドルの振る舞いをファンダムが庇ったり隠蔽するよりは、ファンダム自らが「是正させる」方が結果的にアイドルやそのファンダムに対する社会的な非難を避ける効果が大きいと考えられるようなったのではないだろうか。  また、この流れに影響を与えた大きな出来事のひとつに、2017年に放映された『PRODUCE 101 SEASON2』が国民的な大ヒットとなったこともあるだろう。「国民プロデューサー(=視聴者)がデビューメンバーを決めるアイドルグループ」というのが最も大きな売りだったこの“プデュ”シリーズの背後には、各メンバーをデビューさせるためにファン同士でも熾烈な争いがあり、番組開始前や始まってからも出演者の過去や噂が問題とされて出演を辞退することは実際に珍しくなかった。「アイドル」というものが本質にはパフォーマンスだけではなく「パフォーマンスを含む全人格がコンテンツとして消費されうる」エンターテインメントである以上、アイドルファン以外の一般層含む国民からの支持=デビューするための票を手に入れるには練習生の「人格的なイメージ」はなによりも重要である。同時に番組では、ファンダム自身が彼らの魅力を伝播する大きな役割を担っていた。結果的にファンの方が支持する練習生に対して「睡眠は死んでからしろ」と、絶えず練習することを要請するようになったりと、ファンが「国民プロデューサー」の名の下にまるで実際のプロデューサーや事務所スタッフのように振る舞うことも当たり前のようになる空気感があった。この傾向が「ファンがアイドルの人格や振る舞いに対して、過去の生き方まで遡って正すように物申す」雰囲気をさらに後押しした部分もあるのではないだろうか。  K-POPといえば、ファンダムが自ら好きなコンテンツや「推し」を積極的に広報し、それに対して制作側も柔軟に応えるなど、SNSが若者に対する最も有効な宣伝ツールの一つである現代において、それを最も有効に活用して認知度や人気を世界中に広げることに成功しているアイドルカルチャーと言えるだろう。ファンと本尊の間でフィードバックが容易になったことにより、「より善い姿」を求めるファンの要求が反映されやすくなるというような、社会的には良いものと思われそうな影響力も大きくなった。しかし一方で、その求められる「善い姿」は一体誰が決めるものなのか? あるいは今、ファンの側から見えている姿が果たしてその人の全てなのかどうかといったフィルタリングや精査がされないままに、集団としての数の力を持ってしまいかねないという問題もはらんでいる。 ※1:https://www.ize.co.kr/news/articleView.html?idxno=23609 ※2:http://news.kmib.co.kr/article/view.asp?arcid=0923805784
DJ泡沫
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