BTSが活動休止?「Love Myself」が世界を救う、かも – 大手小町

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BTSが活動休止――。6月、こんなニュースが世界を駆け巡りました。BTSは、韓国の男性アイドルグループ「防弾少年団」のことです。リーダーのRM、JIN、SUGA、J-HOPE、JIMIN、V、JUNG KOOKの7人組。2013年にデビューし、2022年6月に9周年を迎えました。ファンのことを「ARMY」と呼び、SNSなどを通じたファンとの密な交流により強力なファンダム(熱狂的なファン集団)を形成しています。
日本で高い人気を誇るだけでなく、コロナ禍の2020年9月に出したシングル「Dynamite(ダイナマイト)」は米ビルボードの「ホット100」で1位を獲得。その後も、英語曲の「Butter」「Permission to Dance」とヒットを飛ばし、世界を席巻中です。彼らの活躍は、音楽シーンにとどまりません。2021年9月には、国連のSDGs関連イベントでスピーチし、2022年5月には、アジア系住民へのヘイトクライム(憎悪犯罪)などについて話すため、米・バイデン大統領とホワイトハウスで面会しました。
一糸乱れぬ激しいダンスパフォーマンス、7人それぞれの個性が織りなす旋律、プライベート風な姿をさらす身近さ――BTSが世界的な人気を博した理由はいろいろあるでしょう。なかでも私が注目したのは、「Love Myself(自分自身をまず愛そう)」という彼らのメッセージです。BTSは2017年からユニセフのオフィシャルパートナーとして、「Love Myself」キャンペーンを展開しています。2021年10月のユニセフの広報資料によると、「Love Myself」は500万回のツイート、5000万回以上のエンゲージメント(リツイートやいいね、コメントなど)を生み出し、360万ドルを調達したそうです。キャンペーンは今も続いています。

私がこのメッセージに出合ったのは、ちょうど、「なぜわかってもらえないのか」と苦悶くもんする日々でした。目標に向かって頑張るのですが、頑張れば頑張るほど、理解されない、報われないという思いが強くなっていた時期でした。
今思えば、私の発する言葉は「こんなにやってるのに」「こうしてあげたのに」などと恨みがましく、負のエネルギーに満ちていました。先輩から、「(管理職の)私たちがハッピーにならないと、職場のみんなも楽しくないよね」と言われ、ハッとしました。他人の評価を気にしすぎる自分に気づいたのです。誰かに評価してもらうのではなく、自分で自分をねぎらい、「よくやってる」とほめてあげればいい。そんなふうに意識すると、「報われない」という気持ちが薄まっていくように感じました。
精神科医の香山リカさんは、「熾烈しれつな競争社会の中で自分に自信をなくしたり価値がないと考えたりする人はたくさんいて、日本でも韓国でも若者の自殺は問題になっています。また、貧困や紛争で生きるのに精いっぱいな人たちもいます。『Love Myself』は、困難に直面する人に等しく通じる『刺さる』言葉なのでは」と指摘します。
さらに、こう続けます。「近代社会は私たちに、『他者のため』『社会のため』『地球のため』を求めてきました。とても大事なことですが、その陰で自分自身は大事にされているか、という問いかけは盲点と言えます。SNSの浸透により、フォロワーの数や心ない批判など、他者の評価を一層気にする時代になり、人がどう見ようと私は私、と思いにくい状況です。だからこそ、このメッセージが人々の励ましになっているのでしょう」
6月14日、BTSの7人がそろって食事をしながら活動休止に言及する動画がYou Tubeで放送されました。RMさんは、この2年の活動について「自分たちがどんなチームなのかよくわからなくなった」と吐露し、「前に進むためにも少し止まり、気を緩めたい」と涙ながらに語りました。ドキッとするような本音が飛び出したのは、彼ら自身が「Love Myself」を実践し、心の声に耳を傾けている証拠ではないでしょうか。

でも、自分を愛するにはどうしたらいいのでしょう。香山さんは、「生きているだけで価値があるんだよと言っても、そう簡単には実感できません。私は『自分で自分をご機嫌にすることを考えましょう』と伝えています」と教えてくれました。こうすると心地いい、これが好き、という自分の気持ちを大切にすることだといいます。
暗いニュースが続くなかで、「自分をご機嫌にする」なんて不謹慎に思われるかもしれません。でも、どんな問題が起きていても、私たちの日常は続きます。自分で自分をハッピーにするすべを身につけて、ハッピーの連鎖を生み出せたら最高ですよね。
1970年、東京生まれ。明治大学卒。1993年、読売新聞社に入社。秋田支局、立川支局などを経て2000年から家庭面を担当。食や保育、働き方などについて幅広く執筆してきた。2014年には、過去100年に読売新聞に掲載した2万件以上の料理のなかから次世代に伝えたい料理を紹介する連載「100年レシピ」(文芸春秋から書籍化)を担当した。16年に秋田支局長、18年に「OTEKOMACHI」編集長、22年6月から現職。
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