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写真提供: 現代ビジネス
「3年半ぶりの韓国は驚くほど変わっていました。正直、自分が知っているソウルじゃない！ 別の国!? と思う部分もありました」というのは、韓国人YouTuberのジンさん。 【写真】韓国でBTSよりも人気は、なんと演歌（トロット）歌手!? コロナ禍と仕事で思うように里帰りができなかったジンさん一家。前回の記事では、ソウルの街並みの変化、驚くほど進んでいたデジタル化についてお話いただいた。今回は続編。今、ソウルで流行っているもの、意外なエンタメトレンドなどについてレポートしてもらった。 取材・文/上田恵子 以下より、ジンさんのお話です。
韓国は流行の移り替わりが早い国です。たとえばスポーツだと、少し前まで猫も杓子もゴルフ、ゴルフだったところが、今はテニス一色。女性はみな、オシャレなレギンスを履いて、日焼けしないようインドアテニスを楽しんでいます。 日本も企業がブームの仕掛け役になることは多いですが、韓国も同様で、日本以上かもしれません。なにしろ企業が次から次へと新たなブームを仕掛けてくるので、それに乗り遅れないようにするのが大変なんです。メディアも「今年はテニス！」と煽るので、乗り遅れたら恥ずかしいとばかりに、みなが同じことを始めます。
出典/イム・ヨンウン公式instagram
一方、今エンターテインメントの分野で盛り上がっているのは、以前から人気があるシンガーソングライターで女優のIU。彼女は安定した人気を誇っていますね。そして、今韓国でみんなが知っている歌手といえば、元々トロット(演歌)歌手の「イム・ヨンウン」。デビューしたのは、2016年ですが、国民から圧倒的な支持を受けている大スターです。「イム・ヨンウンシンドローム」という言葉が生まれるほど。 歌が上手いのはもちろん、人柄も良く、歌声に癒しがあると、幅広い層から愛されています。日本ではまだ彼を知っている人が少ないかもしれませんが、正直言って韓国では現在、BTSより人気も知名度もあります。 広告などの目安となる調査研究をしている韓国企業評判研究所が2022年5月に発表したデータによると、企業のブランド力の評価では、1位がイム・ヨンウン、2位がBTS、3位がPSYだったといいます。 トロットは日本語に訳すと「演歌」となってしまうため、ノリノリのこぶしが回る演歌を連想する人も多いと思います。実際にそういう歌い方をする人も多く、BTSやSEVENTEENなどのK-POPアイドルもバラエティなどで、トロットを真似てこぶしを回して歌ったりすることがあります。でも、今のトロット=「演歌」とは言い切れない感じです。 イム・ヨンウンも、ノンジャンルでいろんな要素を取り入れた曲を歌っています。なかでも人気が高いのは、切なく優しく情感溢れるバラード。Netflixで今春から配信が始まった人気ドラマ『私たちのブルース』のOSTでもバラード曲が話題を集めました。8月21日、韓国のオンライン音源サイト「melon」のチャートトップ10に、イム・ヨンウンの曲が6曲もチャートインしたというのですから、人気は相当なものです。 また、イム・ヨンウンの曲はカラオケでも人気があります。カラオケでBTSの曲は一人では歌いにくいため選曲する人は少ないのですが、イム・ヨンウンの曲はみんな歌いたがります。 日本や海外にはたくさんのARMYがいるので驚くかもしれませんが、韓国では、世代によってはBTS自体を知らない人もいました。名前は聞いたことがあっても、どんな人たちで、どんな曲を歌っているのかまでは知らない。日本では、世代関係なくBTSを推している人とたくさん出会います。でも、韓国ではアイドルにハマるのは基本的には10～20代なので、大人世代はBTSに触れる機会がないのかもしれません。もちろん、韓国でも40代以上のファンもいますが、日本の熱さとはちょっと異なります。ニュースなどで兵役問題や国連総会参加などの話は聞きかじっていても、みなそんなに詳しくない感じです。 3年半前に里帰りした際には、江南の周辺でも明洞でもBTSの広告があふれていましたが、今回の里帰りで、ソウルの街中で彼らの広告等を見かけることもほとんどありませんでした。現在、グループ活動中ではないから、仕方ないのかもしれませんね。
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