BTS、なぜコンサートで多くの人を魅了? JIN&J-HOPE&V&JUNG KOOKの生配信やインタビュー発言から紐解く – リアルサウンド

 BTSが、3月10日、12日、13日と『PERMISSION TO DANCE ON STAGE – SEOUL』を開催。本国・韓国での対面コンサートは約2年半ぶりとあり、多くのARMY(ファン)がその日を今か今かと待ち望んでいた3日間だ。本日、3月13日は最終日とあってさらに盛り上がりを見せることが予想される。
 なぜBTSのコンサートは、こんなにも多くの人を魅了するのか。その理由を、直前に控えた3月6日にJIN、J-HOPE、V、JUNG KOOKの4人で配信されたV LIVE、そして7人が揃って登場した雑誌『GQ JAPAN』2022年4月号のインタビューから知ることができた。
 今回のコンサートは念願の対面コンサートではあるものの、感染症拡大防止対策のため客席から歓声を上げることができない。さらに収容人数も制限されたなかでの開催となった。V LIVEの配信ではJUNG KOOKが「僕たちはこういう公演では初対面だから、どうすればいいのか。歓声の代わりに何ができるのか」と心配そうに話を振る場面もあった。
 すると「ヘッドバンギングできないかな」「体をバウンスさせるのは?」とJ-HOPEとVからアイデアが飛び出す。それは、まるで観客として参加するARMY同士が「こんなふうに盛り上がれないか」と作戦会議をしているかのような光景だ。さらに、そこにJINが「ネットでチケッティングレビューを見たんですけど、待機チケットが30万人だと書いてあったんです」と共有。それほどのプレミアチケットを手に入れることができた人たちなのだからきっと喜んでいるはずだと、会場全体の盛り上がりを期待する様子が映し出された。
 加えて、これまで『PERMISSION TO DANCE ON STAGE』の無観客オンラインコンサート、LA公演ではアンコールでヘアアレンジをして登場するなど、サプライズを仕込んできたJIN。そんな彼に「今回は?」とうれしそうにたずねるJ-HOPEもまたARMYを代表してくれているようだ。
 ちなみにJINは話題になった「SUPER TUNA」を推したのだそうだが「ソロ曲はダメだって」と却下されてしまったと言い、サプライズのネタに困っているとのこと。とはいえJINの性格上、何もしないわけがないと期待してしまうところ。最終日もどんな仕掛けでARMYを楽しませてくれるのか注目が集まる。
 こうしたまるでARMYの一員かのような4人のやりとりに、先日SUGAが1人でライブ配信したときのことを思い出した。ARMYから「BTSはいいな、(BTSの)コンサートに行けるから」とコメントをもらい「僕たちは毎回行ってますからね」と答えていたのだ。
 もしかしたらBTSにとってコンサートとは準備してきたパフォーマンスを披露する場でありながら、まずは彼らが思いっきり楽しむ場所なのではないだろうか。今回で言えば、4分の1に制限されてしまった収容観客数を受けて「僕たちが4分の3を埋めなければなりませんね」(JIN)という発言も聞こえてきた。BTSからARMYへエンターテインメントを一方的に届けるものではなく、BTSとARMYが共に過ごす時間。そう考えると、ARMYに負けない熱量で盛り上がり方を考えるのも納得だ。
 雑誌『GQ JAPAN』のインタビューではJIMINが「パフォーマンスができなかった期間、何が一番恋しかったか?」という質問に、「“共有”という言葉が一番初めに頭に浮かびます」と答えていたのが印象的だった。そして「パフォーマンスは単に観られるものではないのです。自分自身も言葉では表現できないさまざまな感情を共有しています。僕だけではなく、メンバーも観客もスタッフも、全員がその瞬間を共有していると思います。それが不思議なんですよ」とも。
 また、RMは「ARMYを構成する何百万もの個人は、僕をよりよい人間に変えました。だから僕は彼らを心からリスペクトしています。そういう意味で、僕もARMYのファンです」とも語っていた。
 きっと誰にでも「この人に会うと元気になる」「もっと頑張ろうと思う」そんな尊敬と信頼を寄せる人がいるはずだ。そして、誰かにとってそんな人になれたら、人はまたそんな自分をもっと好きになることができる。
 ARMYがメンバーから得るだけではなく、ARMYからまたメンバーにも与えているという手応え。きっとBTSのコンサートには、メンバーとARMYの相互にそうしたいいエネルギーの交換が成り立っているのだ。






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