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配信
NiziU『CLAP CLAP』
NiziUが、11月から12月にかけて東京・大阪にて初のドーム公演『NiziU Live with U 2022 “Burn it Up”』を開催する。デビューから約2年でのドームツアーは女性アーティスト史上最速となる。 【写真】ツアー衣装で元気いっぱいなNiziU NiziUの単独公演は現在開催中のツアー『NiziU Live with U 2022 “Light it Up”』が初めてで、ステージ経験については豊富とは言い難い。しかし、年内のドームツアー開催に踏み出せたのはなぜなのか。その背景には、彼女たちのパフォーマンス力とそれに伴う人気のみならず、所属事務所であるJYPエンターテインメント流のイメージ戦略があるように思う。 韓国では“ガールズグループの名家”としても知られるJYP。NiziUを生んだオーディション番組『Nizi Project』の視聴者ならば、同事務所が大切にしているモットー「真実、誠実、謙虚」は馴染み深いだろう。遡ればWonder Girlsやmiss Aといったガールズグループがいるが、ここでは特に、日本出身メンバーが所属し、同じくオーディション番組『SIXTEEN』から誕生したTWICEを例に挙げたい。 TWICEの名を一気に広めたのが「TT」。同曲に代表されるように、分かりやすいメッセージ性を伝えることも多く、グループとしてはビジュアルも含めてチアフルでヘルシーな印象だ。もっとも、最近ではキャリアを重ねたことでグッと大人な楽曲も増えたが、それでもセクシー／色気というよりは落ち着いた／大人びたという言葉が似合う。インタビューやステージで見せるメンバー9人の立ち振る舞いは「真実、誠実、謙虚」を体現しており、今や事務所を代表するグループともなっている。
TWICEが培ってきたものを引き継ぐかのように、NiziUもオーディション番組時代から“チアフルでヘルシー”なイメージを保っている。ポジティブなプレデビュー曲「Make you happy」はその最たる例だろう。その後にリリースされた「Take a picture」や「CLAP CLAP」ではクールな一面を覗かせつつも、ベースにあるグループ像はブレていない。ステージに立ってもメンバーの親しみやすさは変わらず、どこか安心感がある“憧れのお姉さん”的なポジションをキープしている。今後どのようなコンセプトの楽曲をリリースしていくかはわからないが、TWICEを踏襲した路線に進むのであれば、大きくグループのイメージを変えることはないだろう。 オーディションの模様が朝の情報番組『スッキリ』（日本テレビ系）と連動して放送されていたことも影響しているかもしれないが、筆者が参加したライブ会場（ツアー代々木公演最終日）にはメンバーと同世代の観客はもちろん、小中学生や親子の姿も多く見られた。いわゆるK-POPグループのファンとはまた異なる層に届いているという印象だ。K-POPガールズグループに興味はあったが、言語の壁などでハマりきれなかった、そんな層に見事にマッチしたのがNiziUなのだろう。もしかすると初めて“推し”ができたり、ライブに足を運んだという人も少なくないかもしれない。こうした観客の心をどう掴み続けるかがドーム公演成功の鍵にもなっていくはずだ。 JYPからはTWICEに続き、ガールクラッシュ的な要素の強いITZY、高い実力と異例な世界観のNMIXXもデビューしている。TWICEが持つ魅力をローカライズして広げたのがNiziUならば、それに続くグループが生まれていく可能性もある。また、ボーイズグループオーディション『Nizi Project Season 2』も控えている。そこから誕生するグループはどのようなカラーになるのか。そして、NiziUのドーム公演は見事成功するのか。いずれもJYP流のイメージ戦略が大きく関わりそうだ。
村上夏菜
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