もはや一つの文化に、K-POPが世界を席巻できた5つの理由 – マイナビニュース

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10月14日から16日にかけて、韓国のカルチャーフェスティバル「KCON 2022 JAPAN」が開催される。コロナ禍でオフライン開催の中断もあったが、KCONは日本や米国はもちろん、タイやメキシコ、フランス、アラブで開催され好評を博している。ファッションやフード、ドラマなど韓国カルチャーを幅広く楽しめるフェスではあるが、その中心はやはりK-POP。今回は、K-POPが世界中で愛されるようになった理由を改めて掘り下げたい。
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K-POPが世界進出できたのはまず第一にインターネットによるところが大きい。何を今さらという話だが、お金、時間、距離、言語、規制という5つの障害物を越えられるインターネットという環境はK-POPが世界に進出するためには不可欠であり、インターネットがなかった時代、レコードショップでCDを購入する時代には、今の世界規模のK-POP市場は生まれなかっただろう。
インターネット時代にK-POPは、コンテンツを無料開放するfree-mium(フリーミアム)という概念を導入した。K-POPのミュージックビデオは世界中で視聴可能なのはもちろん、公開と同時に多言語字幕でのサービスも展開している。近年では変わりつつあるが、日本のミュージックビデオは著作権保護のため国外では見られないものが少なくない。
韓国はこの障壁をなくした。すなわちミュージックビデオを無料でSNSで公開するだけでなく、多くの場合、ダンスパーフォーマンスver.まで制作される。音楽番組でのステージは、放送後すぐさまインターネットにあげられるほか、チッケムと呼ばれる、メンバー1人1人の表情や動きを追ったソロ動画もアップ。アルバムやCDを購入しなくても、曲そのもの=コンテンツを中心にファンとの共感を大事にするシステムを作った。
2番目の要因は、まさにその共感で、熱心なファン文化・Fandom(ファンダム)の存在が挙げられる。K-POPのファンは、ただライブ会場に来るだけでなく、さらに進化してFandom文化を作った。
K-POPでは、新曲のミュージックビデオが発表されると、すぐさまファンによってカバーダンスがYouTubeやTikTokに数多くアップされる。ファンは、他のグループのカバーダンスを見て「あのチームが上手い」「自分たちも頑張ろう」と、音楽を聞くだけではない、新たな楽しみ方をしている。
新曲リリース時には、Fandomが一体となって音楽を連続再生し、チャートインを狙ったり、自らお金を出して街頭広告を出すなど、アーティストを独自に応援する。事務所やレコード会社がお金をかけて行うプロモーションとは違う、彼ら独自のプロモーションでグループをもり立てるのだ。
これはなにも韓国国内だけの話ではない。韓国とは縁遠そうな、キューバ、東欧、アフリカなどでも数多くのK-POPサークルが存在し、SNSを通じて一か所に集まり、K-POPをかけて共に踊ったり、カバーダンスの腕を競い合ったりしている。
3つ目はダンスだ。K-POPは、刀群舞(カルグンム)と言われる、角度やスピードを指先まで完全に一致させた正確なダンスで世界を魅了している。それまでは、一般的にアイドルのダンスは音楽に添えられるという意味合いが強かったが、K-POPではダンスに音楽と同等の価値を置いた。
それをさらに進めたのがポイントダンスだ。日本でもヒットしたKARAの『ミスター』でのヒップダンスなど、その歌を聞けば誰もが思い出せる印象的な振り付けを徹底的に研究し、取り込んだのだ。これにより、ダンスは間奏時間を埋めるものではなく、曲と切っては離せない欠かせない要素となった。
こうして広がったK-POPは、パーティーでその曲がかかれば、皆がその場で同じ動作で群舞を踊るという珍しい光景を作り出すことになった.
4つ目は歌詞。意味が分からなくても楽しめる曲を作ったのが大きな要因といえる。
初期のK-POPのプロデューサーや作詞家は、どうすれば言葉の壁を乗り越えて世界に韓国音楽を伝えることができるか悩んだ。そこで取り組んだのがフックソングだ。フックソングは同じフレーズを繰り返し、人の耳を虜にする音楽だ。
言葉の意味を放棄し曲が単純で過度に商業的になりすぎるという批判もあるが、果敢に導入を決めた。歌詞に、韓国語の擬声語や擬態語、韓国特有の語感を大切にすることで、世界中の人々にもあえて耳残りをする歌を作った。作詞の際に、音韻学をもちいて言語学者と一緒に作業をする場合もあるという。
また、それまでの多くのラップがお金や車、女と麻薬を歌っていたが、K-POPはもっと幅広い。ご存知のようにBTSのメッセージは平和だ。
さらに、そこから作り手側が意図していない現象が現れるようになった。歌を聞いた海外のファンたちが、歌詞の意味を知ろうと自発的に韓国語を勉強するようになったのだ。K-POPのコンサート会場では、アーティストとファンが一緒に韓国語で合唱する珍しい光景が見られるようになったのだ。
5つ目は、プロデューサーの情熱と優秀さだ。現在、K-POPアーティストが所属する韓国の芸能事務所は、そのほとんどが1990年代後半から2000年代初期に設立された。今もその時の設立者がCEOとして会社を取り仕切っている場合が大半で、彼らの多くは韓国の名門大学出身だ。大学院でアメリカに留学したり、幼い頃駐在員だった父親の影響でアメリカに住んでいた経験があったりして、アメリカ音楽や英語に慣れ親しんでいた。彼らは韓国に戻ったとき、大企業に就職するのではなく、自ら作曲しダンスを踊り、K-POPグループを育成する道を選んだ。彼らの情熱は、K-POP黎明期の資金不足を耐え抜き、K-POPを世界に広げたのだ。
アメリカのアルバムチャートビルボードでは、Pop、HipHop/R&B、Dance、Country、Latin、RockにK-POPが追加されている。これは非常に意味のあることだ。それはK-POPが一つの文化として根付いていることを意味する。
かつてグラミー賞を受賞したこともある米国の音楽プロデューサー、クロード・ケリーは、K-POPはひとつの音楽のジャンルで終わるのではなくハリウッドのように一つの産業になったと語ったことがある。
この10年、K-POPは世界の音楽市場で急激にその存在感を増してきた。いまから10年後、どんな新たなK-POPアーティストが世界のチャートを賑わしているか、楽しみでならない。
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