2023年はガールズK-POPが断然面白い – KKBOX

『第73回NHK紅白歌合戦』にTWICE、IVE、そして2023年1月にイルボンデビューするLE SSERAFIMが出場。『紅白歌合戦』で3組のK-POPグループが揃うのはKARA、少女時代、東方神起が出演した2011年以来、実に11年振りとなるのと同時に、ガールズグループが独占出場することにも注目が集まっている。そしてどのグループにも日本人メンバーが在籍していることで、より親近感がわきそうだ。また2010年に日本デビューを果たし、日本におけるK-POPブームの火付け役となったKARAと少女時代が、デビュー15周年となる2022年に再活動をスタートしたことも話題に。レジェンドとニューカマー(第3世代、第4世代)のK-POPガールズグループの活躍を見られる2023年は注目の年になりそうだ。今回は改めてK-POPガールズグループの現在を紹介していきたい。
日本におけるK-POPブームの火付け役となったのKARAと少女時代は2010年の同じ時期にイルボンデビュー。しかし、それ以前から豪華なパッケージの輸入盤が大型CDショップ店頭のメインスペースを占拠するなど、人気は既にヒートアップしていた。KARAの日本デビューシングル「ミスター」(8月11日リリース)はオリコンシングルチャート5位に初登場、海外女性グループのデビュー作TOP10入りは、ノーランズ(1980)の「ダンシング·シスター」以来、29年8ヶ月振りという快挙だった。「ミスター」ではサビの振り付けでセクシーに腰を動かすダンスを披露し、KARAと言えば「ヒップダンス」という記憶が強いだろう。ただ当時驚いたのはメンバー全員が日本語に堪能だったことだ。バラエティ番組などで日本のタレントや芸人と日本語でやりとりする姿に驚かされた。
出典元:YouTube(SMTOWN)
一方の少女時代は、KARAのイルボンデビューから1ヶ月後の9月8日に「GENIE」をリリース。KARAの「ミスター」を上回るシングルランキング4位に初登場。海外女性アーティストのデビューシングル史上最高記録を更新している。そして少女時代の名を知らしめたのが「Gee」。キュートなフォーメーションダンスに日本の若者言葉と韓国語が混じり合って生み出される気持ちのよいヴァイブスはとても新鮮だった。また少女時代は女性ファンを多く獲得した。それは、ダンスや楽曲の魅力だけでなく、本人たちのルックスやキャラクター、メイクやファッシなどを通じて、日本の女性たちが韓国トレンドへ興味を持つようになったのも、少女時代の大きな功績だ。 昨年末ごろからTikTokで「#韓国懐メロ」の再生数は4億回を超えるなど大きなトレンドになっているが、なかでも「Gee」はいまでも断トツの人気を誇っている。
出典元:YouTube(SMTOWN)
常にライバル関係であり続けたKARAと少女時代。デビュー以降も様々な日本の音楽賞、セールスやデジタルダウンロードなどで競い合いながら、日本の音楽シーンにおいて確固たるK-POPジャンルを強固にしていった役割はとても大きものだった。2013年1月にKARAは K-POP女性アーティストとしては単独で史上初となる東京ドーム公演を敢行、また少女時代も2014年12月に単独公演を成功させている。そんなKARAと少女時代がデビュー15周年のアニバーサリーとなった2022年、活動を再開したというのは嬉しいニュースだ。
出典元:YouTube(dingo music)
これまでのヒットナンバーを歌う〈完全体〉としてのKARAに感涙
KARAは2014年にニコルとジヨンが脱退。入れ替わりでヨンジが加入しギュリ、スンヨン、ハラの4人体制となるが、2019年11月にハラが亡くなり、グループ活動は行われていなかった。今回、ギュリ、スンヨン、ニコル、ジヨン、ヨンジという〈完全体〉としての復活はファンに限らずサプライズだろう。12月21日には『MOVE AGAIN – KARA 15TH ANNIVERSARY ALBUM [Japan Edition]』をリリース。アルバム・タイトルの「MOVE AGAIN」は、待っていたファンたちにステージ上のKARAの姿(MOVE)を再び素敵に見せたいという意味が込められているという。
少女時代は2017年10月にティファニー、スヨン、ソヒョンが契約満了で他事務所に移籍することを発表。「グループは脱退しない」という条件があり、K-POP界では契約終了とともに解散するグループが多かったことから、“事実上の解散”と考えらていた。しかし、その後もデビュー記念日やメンバーの誕生日にはプライベートで集まる姿をSNSで発信するなど、強い絆を見せてくれていた。そんな姿にいつかは再結成!という願いを持っていた人たちも多かった思う。そして遂にデビュー15周年記念日を迎えた8月5日に、アルバム『FOREVER 1』で5年ぶりにカムバックを果たしたのだ。大人の女性になりながらも「Gee」で感じたキュートさやポップさは健在。いや、それ以上に最新型の新たな魅力を見せてくれている。
出典元:YouTube(SMTOWN)
K-POP第3世代と言われるTWICEは、InstagramやTikTokなどのソーシャルメディアが爆発的に伸長していく中、それを積極的に活用しプライベートの日常や、彼女たちのファッションやメイクなどの情報を広く発信し続けている。そこに親しみやすさを感じることができ、歌やダンス、パフォーマンスだけではないファンとの身近な関係性を生み出すことにも成功しているのだろう。
出典元:YouTube(JYP Entertainment)
〈7年目のジンクス〉という言葉がある通り、7年目で活動形態が変わったり解散となるK-POPグループ(今年もApril、CLCが活動終了)が多い中で、2022年にデビュー7周年を迎えたTWICEは初の英語詞シングル「The Feels」のリリース、大規模な北米ツアーでは15万人を動員させるなど確かな手応えを掴んだ1年だったと言える。北米ではBLACKPINKが商業的な成功を収め、レディー·ガガ、デュアリパなどのビッグアーティストとのコラボ作品もリリースしている。TWICEもまたアメリカや海外を視野に、今後さらに大きくステップアップした活躍が見られるに違いない。
モモ、サナ、ミナの3人の日本人メンバーがいるTWICEの大成功以降、ガールズK-POPグループでの日本人の活躍が目立っている。期間限定で活動を終了した人気グループIZ*ONEでも宮脇咲良(元HKT48)、矢吹奈子(元AKB48/HKT48) 、本田仁美(元AKB48チーム8)が在籍していたし、その後もZ-Girlsに川村真洋(元乃木坂46)、 Rocket Punchに高橋朱里(元AKB48)、 HONEY POPCORNに橋本楓(元アイドリング!!!)など数多くの日本人たちが渡韓している。2021年にデビューしたIVEにも日本人メンバー・レイが所属しラップパートを担当している。彼女は2004年2月生まれの18歳。中学を卒業すると韓国に渡り、ソウル公演芸術高等学校実用音楽科で学びながらデビューを目指した驚くべき努力家だ。
出典元:YouTube(starshipTV)
そしてンバー全員が10代ながら「ガールクラッシュ(女性が憧れるような力強い魅力)」のグループコンセプトを持ち、第4世代の象徴として早くからティーンたちからの熱い関心が集まっていた。それを裏付けるかのように、イルボンデビューは2022年10月ながら、今夏に発表された「JC・JK流行語大賞2022 上半期」では「ヒト部門」で堂々の1位に輝いている。8月に韓国でリリースされた「After LIKE」は、グロリア・ゲイナーの『恋のサバイバル』をサンプリングした70年代のディスコブームを彷彿させるテイストで、これまでのK-POPになかったサウンド感が幅広い層に受け入れられる楽曲になっている。そんなこともあってか、韓国ではリリース2日目でこれまでのK-POPガールズグループ初動セールス歴代3位の約46万枚を記録、9月にはミリオンセールス突破するなど凄まじい人気を示している。

LE SSERAFIMはBTSやTOMORROW X TOGETHER、SEVENTEENなど数多くのボーイズグループを擁するHYBEが手がける初の女性K-POPグループであり、プロデュースにはBTSを生み出したパン・シヒョク、クリエイティブ・ディレクターはキム・ソンヒョンが担当するということで、遂にBTSの妹的存在が誕生という大きな関心が集まっている。そんな中、韓国では4月にミニ・アルバム『FEARLESS』でデビュー。10月にリリースした2ndミニ・アルバム『ANTIFRAGILE』は、なんとBillboard200で新人としては異例の初登場14位という快挙を達成。早くもグローバルサイズの人気が加速している。
出典元:YouTube(HYBE LABELS)
注目したいのがミクスチャー・ダンスフロア・ソングとも呼びたいユニークなサウンド構成。既発の「FEARLESS」「ANTIFRAGILE」とも共通するのが、音数が少ないトラックに各メンバーのボーカルが絶妙に織りなす独自のヴァイブスと音像感。そして「FEARLESS」の 冒頭から“Bam ba ba ba bam”というフレーズが無国籍感を増幅させ、「ANTIFRAGILE」ではラテン音楽を連想させる“Anti ti ti ti fragile fragile”という独特なフレーズが印象的で、気分が高揚させられていく。何度もリピートしたくなる中毒性を持ちつつ、これにキレのあるダンスを合わせてくるのだから魅了されてしまうのも納得せざる得ないのだ。『紅白歌合戦』のステージを見たら、新年はこのフレーズが頭から離れなくなることだろう。
出典元:YouTube(HYBE LABELS)
LE SSERAFIMはメンバー構成にも注目。元IZ*ONEのSAKURA(宮脇咲良)と、バレエ留学先のオランダからオンライン・オーディションを受け見事に加入が決まったKAZUHA(中村一葉)の2人の日本人メンバーの役割も大きい。特にKAZUHAはオランダの国立バレエアカデミーに留学するほどの実力者で、韓国内でも大変な人気となっている。他のグループにはない個性がグループ内に良い影響を与えていくことだろう。

そしてHYBEが畳み掛けるように手掛けたのが、新レーべルADORから2022年8月にデビューしたNewJeans。事前プロモーションがなかったにもかかわらず、完成度の高い音楽と独特な世界観で大きな注目を集めデビューアルバム『NewJeans』は発売当日に26万枚のセールスを記録、K-POPガールズグループのデビューアルバムの発売初日として過去最高を記録した。
出典元:YouTube(HYBE LABELS)
全員が10代(最年少のヘインは14歳)の5人組であるNewJeansのビジュアルは斬新だ。メンバー全員が長髪の黒髪というヘアスタイル(デビュー時)と佇まいには、少女性と透明感を感じさせられ、最近のK-POPガールズグループにはない強力なアイコニック性を生み出している。サウンドに関してはLE SSERAFIMと方向は違うものの、NewJeansも音数が少なくテンポも緩やかなので耳障りがとても良いのだ。「Attention」も「Cookie」もR&Bをベースにしたメロウな肌触りなものになっていて、90年代のゆるい感じのネオ・ソウルサウンドを彷彿とさせてくれる。シティ・ポップムーブメントや、シルク・ソニックの70年代のソウルサウンドへの回帰など、世界的に温故知新的音楽が評価されている潮流の中で、NewJeansもそんな世界観を兼ね備えている気がする。
出典元:YouTube(HYBE LABELS)
NewJeansというグループ名には「いつ着ても飽きないジーンズのように、時代のアイコンになる」という意味が込められているという。これまでのK-POPサウンドになかなか馴染めなかった世代の人たちも、NewJeansのサウンドにハマってしまうのではないだろうか。K-POPガールズグループとしてこれまでにないタイプのNewJenasは、新たなK-POPの魅力を吹き込んでくれる存在になりそうだ。
また先日、このHYBEに元欅坂46の平手友梨奈が電撃移籍したニュースが発表された。平手友梨奈もグローバルでの活動へのスタートになるのか、こちらも注目だ。

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