BTSのRMも所有していた加藤泉の作品がプラモデルになってしまっ … – Yahoo!ニュース


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加藤泉の作品ってわかる? ああ、あのちょっと怖いけど可愛いかもしれない不思議なやつ。彼の作品はヨーロッパやアジアでもますます人気が高まっていて、韓国の人気グループBTSのメンバーで現代アートコレクターのRMも所有していて話題になった。拾ってきた石に顔や体をペイントすると、どんな石も加藤作品になってしまうというそんな強烈さがある。今、開催中の展覧会で加藤がちょっと面白い企みをした。
Photo/ Yusuke Sato, Courtesy of the artist, ©︎2022Izumi Kato
近年、ますます国際的にも人気、評価の高まっている画家・彫刻家の加藤泉。彼が作り出す作品に登場するのは人物なのか、精霊なのか。人がたの異形の生物なのか。ともかく一度見たら忘れられない何ものかなのである。 彼は今「加藤泉一寄生するプラモデル」と題した、ちょっと面白い珍しい展覧会をワタリウム美術館で開催している。 もともと画家としてキャリアをスタートした彼だが、2000年くらいから立体作品も手がけるようになり、表現の幅が広がったのだが、それは木彫だったり、ソフビ(ソフト塩化ビニール)だったり、ブロンズ像になっていたり、あるいは自然石にペイントしたものだったり。それぞれを組み合わせたりすることもあり、マテリアルはとても自由だ。 加藤の作品にはこれまでもプラモデルが要素として登場してはいたが、今回の展示ではそれを徹底的に追求している。加藤はずっと外で遊ぶのが好きな少年だったが、出身地の島根県は雨が多く、外で遊べない時は家でプラモデルを作っていたそうだ。 そんな加藤は近年、プラモデルを本格的に作品に取り込むことを考え、調査しているうち、動物や昆虫、植物などをモチーフにしたプラモデルをネットオークションなどで見つけ、それをできるだけ収集した。1950年代~70年代にアメリカや日本で作られたものらしい。おそらく教材的な意味合いのものなのだろう。加藤はそれらのプラモデルをパンデミックの間、コツコツと集め、自分の作品へと昇華していった。 加藤の生み出す人がたも、結局、人間の写しなのではないか。それも単純な肉体を描いたものではなく、内面までも描き出すような。それは人が必ず持つ心理状態とか、さまざまな感情、あるいは霊的なもの。それを見せているのではないか。 絵画作品や版画と、プラモデルの外箱や組立説明書が壁一面に展示されているのはなかなか見応えがあり、わくわくしてくる。それと同時にこうやって見ていると、人がたを描き、作る加藤の制作の根底にあるものや心境も少し見えてくるような気もするのだ。 プラモデルを作品の素材とした加藤はさらなる追求をする。それはオリジナル・プラモデルを生み出すことだ。これまでも加藤は立体作品の縮小版的なソフビのフィギュアはリリースしているが、今回はそうではない。なんと、石のプラモデルを作り、そこにデカールを貼ることで、まるで加藤が自然石にペイントした作品に見紛うというプラモデルだ。 このプラモデルはおよそ2年かけて作られた。石を原寸大のプラモデルにするという前代未聞の試み。それに際して、通常の3Dスキャナーではなく、なんと医療用のCTスキャナーで元になる石をスキャンしたそうだ。 プラモデル本体、デカール、組立説明書、作品解説を記したポスターが付属し、貼り箱も加藤自ら設計した。それぞれを製作してくれる各方面にオーダーしたりと手間がかかっている。 このプラモデルを組立説明書に沿って作ったとしたら、それを作った人の作品なのか。いや、しかし、完成するといやでも加藤の石作品になってしまうわけだから加藤の作品なのか。しかし全く同じものはできないからユニーク作品なのか。でも、当然ながら加藤の美術作品とも言い切れない。プラモデルの段階ではレディメイドのマルチプル作品のようなものだが、作った人ごとに形が変わる結果、ユニーク作品、でもアーティスト加藤泉が企んだ作品ではある。そこにコンセプチャルアート的な問題提示が見えてくる(とまで言っておこう)。 いわゆる「未完」の作品でもないし、これをプロのモデラー(プラモデルを作る職人)に作ってもらったらどこから見ても加藤作品になるし、それは加藤作品の真作ではないけれど、加藤が意図したものである以上、贋作でもないわけで。 と、ややこしい話をしたのは、アート作品って何だろうという話に関係してくるからだ。これは「オリジナル・プラスチックモデル」という名前ではあるのだが、実はそういうわけで、歴とした加藤泉のアート作品なのだ。エディション数(という言い方は正しくない。版画のように完成しているものに付けるわけではないので。限定生産数という言い方をしておこう)、限定生産数は200点。アート作品となると、プラモデルの値段ではないだろうが、今後、販売の情報が待たれる。 『複製芸術時代の芸術』を書いたヴァルター・ベンヤミン先生や「レディ・メイド」の概念を知らしめたマルセル・デュシャン先生にも聞いてみたいところだが、ともかく、展覧会でぜひ、プラモデルだけどプラモデルとも言い切ってしまうにはちょっとシュールで特別な、でも見たら、そこらへんの石ころみたいなプラモデルを見に行ってみよう。 加藤泉-寄生するプラモデル 会期:2022年11月6日(日)~ 2023年3月12日(日) 会場:ワタリウム美術館 加藤泉/Izumi Kato 1969年島根県⽣まれ。 1990年代末より画家として本格的にキャリアをスタート。2000年代から木彫作品を発表し、現在は、ソフトビニール、石、布、プラモデルなど幅広い素材を使い制作している。2011年、ヴェネツィア・ビエンナーレにも参加。近年の主な個展として、Red Brick Art Museum (北京、2018年)、Fundación Casa Wabi (プエルト・エスコンディード、メキシコ、2019年)、原美術館/ハラ ミュージアム アーク(東京/群馬、2館同時開催、2019年)、SCAD Museum of Art (サバンナ、米国、2021年) など。 Yoshio Suzuki 編集者/美術ジャーナリスト。雑誌、書籍、ウェブへの美術関連記事の執筆や編集、展覧会の企画や広報を手がける。また、美術を軸にした企業戦略のコンサルティングなども。前職はマガジンハウスにて、ポパイ、アンアン、リラックス編集部勤務ののち、ブルータス副編集長を10年間務めた。国内外、多くの美術館を取材。アーティストインタビュー多数。明治学院大学、愛知県立芸術大学非常勤講師。東京都庭園美術館外部評価委員。
TEXT=鈴木芳雄
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