【辺境音楽マニア】永久保存版! 誰でもわかる「デスメタル」と「ブラックメタル」の違い12選 – ロケットニュース24

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「辺境音楽マニア」では世界中のマニアックな “デスメタル” や “ブラックメタル” ネタを提供してきた。しかし元々この手の音楽に馴染みのない方々から、「そもそもデスメタルとブラックメタルってどう違うの?」と聞かれることも多い。
そこで今回は、このメタルの中でも最も過激とされる2つのジャンルの違いを、一般の方々にも分かるように簡単に説明していこう。
なお、デスメタルとブラックメタルは本来、「敵対」しているジャンルである。なぜなら、ブラックメタルはデスメタルを否定することによって発生したものだからである。
しかしその一方で「デスブラック」や「ブラッケンドデス」といった両方を混ぜ合わせたスタイルも存在するので、一概に真っ向から対立するジャンルとは言えず、友好関係にあるバンドも多い。また、それぞれの典型的な特徴のなかでも、いくらでも例外があることは先に断っておきたい。
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一般人の間で多く見られる混同がこれだ。恐らく、『デトロイトメタルシティ』のクラウザーからの影響である。この死体を模した白塗りは「コープスペイント」と呼ばれ、ノルウェーのブラックメタルから流行り始めた。
デスメタル側からすると「お化粧」のようなものとして馬鹿にされており、デスメタルが白塗りをすることはまずない。
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デスメタルは歌詞やコンセプトで、死体や殺人など猟奇的で具体的な現実世界のテーマを掲げることが多く、政治・社会問題を扱うこともある。
一方、ブラックメタルはサタンや地獄、反キリスト教、神話などより空想上のテーマを掲げることが多い。
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いくつかの源流が合わさって発生したので、一概には言えないが、デスメタルは主にフロリダやニューヨークなどアメリカ大陸で生まれた。
ブラックメタルは第一世代のものは世界各国にいたが、現在のメイン潮流である第二世代はノルウェーなど北欧発祥である。
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例外がいくつもあるので、これも一概には言えないが、大きな傾向として指摘出来るポイント。デスメタルはダウンチューニングで「ズンズン」した音質、グルーヴを取り入れることが多い。
一方、ブラックメタルはチューニングを下げることは少なく、音質も「シャリシャリ」した高音を強調しており、グルーヴを取り入れるバンドはいない。ただしデスメタルでもフルブラスト系は重さよりも速さを重視しているし、ブラックメタルでもアンビエントやドローン系は速さよりも重さを重視している。
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両ジャンルの違いを音質的な面で際立たせているのがボーカルである。デスメタルは「ガテラル」、「グロウル」などという名称で、一般的には「デス声」と呼ばれるボーカルが用いられ、その音質は基本的に低音である。
一方でブラックメタルは泣き叫んだり、ギャンギャン歌う「金切り声」である。デスメタルはブラックメタルのボーカルを「ドナルドダックボーカル」と馬鹿にすることが多い。ただしデスメタルでもかけ声のようなシャウトスタイルを用いるバンドもいる。
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デスメタルは攻撃性を重視しているため、メロディアスなフレーズはあまり取り入れない。特に「ブルータルデスメタル」というデスメタルのなかでも最も過激なスタイルは、メロディやハーモニーは軽蔑される対象ですらある。そもそもコードという概念が薄く、短音あるいはパワーコードで演奏することがほとんど。
一方、ブラックメタルの場合、クラシカルなフレーズやシンフォニックなキーボード、女性ボーカルを取り入れることもあり、メロディに対する拒絶感はない。しかしデスメタルのなかでも、日本では「メロデス」と呼ばれる「メロディアスデスメタル」というジャンルも存在する。
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デスメタルは基本的には長髪だが、アメリカで発展したジャンルのため、ハードコアやスケーター文化から影響を受けたバンドもいる。したがって所謂「メタラー」っぽい長髪ではなく、短髪やスキンヘッドも許された存在だ。
一方、ブラックメタルはスラッシュメタルからの発展形態のため、ほぼ長髪。しかしネオナチ的な傾向からスキンヘッドもたまに存在する。
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デスメタルは気候が温暖なアメリカで発展したため、スニーカーや短パン、パーカーのバンドマンが多く存在する。上半身はリスペクトする別のデスメタルバンドのTシャツを着ているのみ。
一方、ブラックメタルは北欧で発展したため、防寒機能に優れた革で出来た衣服かミリタリーファッション。またそれに伴いガンベルトや鋲、ワッペンなど金物を装着しまくったジャケットや革ジャンを着ることが多い。
いわゆる「デスメタル」っぽいと巷で思われているファッションは、実は「ブラックメタル」か「スラッシュメタル」なのである。最近のデスメタラーは、ハードコアかアメリカ風の若者と見た目がそれほど変わらない。
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デスメタルは楽曲構成やリフに凝ることが多く、テクニカルな傾向にある。その結果、演奏力に技量を要する複雑な展開を持つ曲が多い。
一方、ブラックメタルはトレモロリフを延々と繰り返したりと、シンプルな曲構成が多く、テクニックや曲構成の複雑さを追究することはあまりない。シンプルさや技巧性を極力排除した、「プリミティブ・ブラックメタル」というジャンルが存在するぐらいで、よく知らない人が聴くとローファイ過ぎてメタルにすら聞こえないだろう。
それとは対極的にシンフォニック・ブラックメタルという、まるでオーケストラのような複雑な楽曲と編成を採るスタイルも存在するのだが、そうした多様なサブジャンルが存在するのもブラックメタルの特徴だ。
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デスメタルが原色を用いたカラフルなジャケットを用いる傾向が強いのに対して、ブラックメタルはそういった派手さを忌み嫌い、白黒のジャケットにすることが多い。白塗りのメイクとの雰囲気にも合致する。
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デスメタルはその源流のひとつに、「パンク → ハードコア → グラインドコア」という流れを汲んでいることから、反体制的・左翼的な主張を掲げるバンドがたまにいる。しかし多くがホラー映画やスプラッターなどの猟奇的なコンセプトを掲げており、政治的な思想や主張とジャンルが必ずしも一体化している訳ではない。
一方、ブラックメタルは北欧で流行り、反キリスト教を主張していたことからエスカレートして、右翼・民族主義・白人優越主義・ネオナチズム的な主張を掲げていることが多い。ただしその発展型バージョンとして近代文明を否定して、エコロジーを主張した「カスケイディアンブラックメタル」、クラストコアから影響を受けた「ブラッケンドクラスト」などは、左翼主張を掲げていることが多いので一概には言えない。
さていかがだっただろうか? これであなたもデスメタルとブラックメタルの違いを聞かれても、すぐに答えられるのではないだろうか。巷ではこういった激しい音楽の代名詞として、「デスメタル」が使われることが多いが、実際にイメージされているのは、実はむしろ「ブラックメタル」が多かったりもする。
また、デスメタラーはブラックメタラーと混同されるのを嫌がるし、逆も然りである。部外者からすると同じに思えても、当事者からすると「そんなのと一緒にしないでくれよ~」と、内心かなりの不満を抱いていることも多いのだ。しかしデスメタルとブラックメタルの違いのポイントを押さえておけば、今後彼らの怒りを招くことは劇的に減るだろう。
執筆:ハマザキカク
イラスト:Rocketnews24
▼最も典型的なデスメタルのイメージに合致するCannibal Corpse
Cannibal Corpse – Hammer Smashed Face

▼バスケットのユニフォームを着たりとハードコアにすら見えるDying Fetus
DYING FETUS – “From Womb to Waste” (Official Music Video)

▼もはやヒップホップのファッションをしているEpicardiectomy
Epicardiectomy – Live at Mountains of Death 2010

▼必ずしも本流ではないがブラックメタルのイメージに最も合致している
CRADLE OF FILTH – Lilith Immaculate

▼白塗りを飛び越えてもはや宇宙人みたいなDimmu Borgir
DIMMU BORGIR – Gateways (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

▼平均的なブラックメタルのイメージはこれ
MARDUK – Frontschwein (OFFICIAL VIDEO).

▼自らの事を「ヘビーデスメタル」と言ってるのに白塗りしているモザンビークのScratch
Scratch – Va fambi vamussiya ( Video By Cr Boy )

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