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メガフォース・レコード（Megaforce Records）の創設者で、“ジョニーZ”の愛称で親しまれたジョン・ザズーラ（Jon Zazula）が、2022年2月1日、フロリダで家族に見守れながら逝去した。69歳だった。遺族によると、彼の死因は、稀な神経障害性疾患である慢性炎症性脱髄性多発神経炎（CIDP）、慢性閉塞性肺疾患（COPD）、骨減少症の合併症だったという。
ジョンのパートナーでメガフォース・レコードの共同創設者であるマーシャ・ザズーラは、昨年1月10日に癌のため68歳で亡くなっている。
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ザズーラ夫妻の娘リッキーは、自身ソーシャルメディアで父の訃報を次のように伝えている。
「今日、世界は真のレジェンドを失いました。私たちの父は、彼が世界にもたらした音楽と同じくらい速く、ハードでヘヴィな、そしてパワフルで影響力のある人生を送りました。彼の情熱と執念は、間違いなく最も影響力のあるメタル・バンドや、一時代を築いたメタル界の偉人たちのキャリアに火を付けました」
「彼は私たちにとっては父親でした。父と母は、愛と人生、そしてビジネスにおいて豊かなパートナーシップを築いていました。彼らは共に途方もない夢を信じ、その情熱、反骨精神、そして粘り強さで、フリーマーケットに置いた一箱のレコードから、マルチプラチナムセラーのレコード・レーベル、マネジメント会社、出版社へと帝国を築き上げました。父が亡くなったことは非常にショックですが、父と母はついに再会を果たせました。そして、彼のいない世界は想像し難いように思えます。彼を知り、愛したすべての人のために、これからもヘヴィであり続けてください。父よ、安らかにお眠りください。あなたがいなくなって本当に寂しくなりますが、あなたのLegaZ（レガシー）は永遠に生き続けるでしょう。私たちやあなたの孫たちの中だけでなく、この惑星に存在するすべてのヘッドバンガー （ヘヴィメタルファン）たちの中で、永遠に」
メガフォース・レコードは、メタリカがエレクトラ・レコードとメジャー契約を結ぶ以前、1983年の『Kill ‘Em All』と1984年の『Ride The Lightning』という最初の2作のアルバムをリリースし、バンドをデビューさせたことで広く知られている。
他にも同レーベルには、アンスラックス、テスタメント、オーヴァーキル、エース・フレーリー、ミニストリー、キングスX、ストームトゥルーパーズ・オブ・デス、レイヴンなどのアーティストが在籍。
これまでに全米チャートに登場したメガフォースのアーティストには、メタリカ、ブルー・オクトーバー、アンスラックス、オーヴァーキル、テスタメント、マッシュルームヘッド、ミニストリー、バッド・ブレインズ、ミート・パペッツらが含まれる他、ブラック・クロウズとミート・パペッツの作品は、全米レコード協会から数々の認定を受けている。
1952年生まれのジョン・ザズーラは、ニューヨークのブロンクスで路上生活を送っていた不遇な青年時代を経て、ウォール街で働くようになったが、やがて（突如として）音楽ビジネスへと移行し、メタリカやアンスラックスなどを発掘した人物としてその並外れたキャリアをスタートさせた。
1981年、ウォール街の仕事を辞めたジョン・ザズーラは、家計を支えるためにフリーマーケットに出店し、レコードを売り始めた。“Rock N’ Roll Heaven”と呼ばれたその店は、やがて大手レコード店へと成長を遂げ、今日のヘヴィメタル・ムーブメントに影響を与えることになる。
1982年の冬、ジョン・ザズーラは、無名のアンダーグラウンド・バンド“メタリカ”から思い掛けずデモ・テープを受け取った。この音楽をどうしても全世界に聴いてもらいたいと熱望し、決意したジョンと妻のマーシャは、翌年メガフォース・レコードを設立し、『Kill ‘Em All』を発表。このリリースにより、メガフォースは、アメリカのヘヴィメタル界で事実上の音楽レーベルとしての地位を固めることになった。
2019年10月に出版され、高く評価されたジョン・ザズーラの自伝本『Heavy Tales: The Metal. The Music. The Madness. As Lived By Jon Zazula』には、ザズーラ夫妻が、その後数十年にわたってヘヴィ・メタル界のサウンドを形成したメタリカと契約することになった経緯が綴られている。
そんな彼はVariety誌の過去に取材にこう語っていた。
「一生懸命働き、賢くあり続け、勝負に参加し、やがて何かが自分のところにやってきて、その準備ができた時、すべては祝福されるのです。そして、それに飛びつき、乗ることができるんだ。マーシャと私は、世界で最も偉大になったバンドになった彼らに選んでもらえてとても幸運でした。歴史を作った他の偉大なバンドのことは言うまでもありません」
Written By Caren Gibson
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