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以前の記事で、アフリカ・ボツワナ共和国のへヴィメタルシーンについてお伝えした。アフリカではへヴィメタルのアーティストが数多く活躍しており、独自の進化を遂げている。
そんなアフリカのシーンの事情を、大変わかり易く伝える良書が発売されたぞ~ッ! その名も『デスメタルアフリカ』だ。はっきり言ってバンド名を見ても、どんなバンドなのか想像さえつかない。しかしながら本書を読んでいると、俄然興味が湧く! インタビューも多数掲載されており、めちゃくちゃしっかり作り込んでいるのである。
この書籍の何がどうスゴイのかを、細かく伝えるよりも、各バンドにつけられたキャッチコピーを紹介した方が興味を持ってもらえると思う。コピーを見ているだけで、「どんなバンドなんだよ! めっちゃ聞いてみてえぇえ!」となるに違いない。
「ナゼかブラックメタルの白塗りをした国民的ロックスター 『SCRATCH』」
「ドラマ仕立ての凝ったPVだが超絶音痴なNu Metal 『OVNI』」
「美人キーボードを擁する退屈極まりないゴシック! 『MAGNA』」
「質問を完全無視して勝手に好きな事を送ってきたデスメタル! 『OVERTHRUST』」
「白塗り記念写真が充実してるシンフォニック・ブラックメタル! 『AMPERUS ALEGOR』」(デスメタルアフリカより引用)
あのね……。どんなバンドなんだよ! 楽曲はいいから、とりあえず見てみたい! どんなヤツらなんだよ!! 白塗りした国民的ロックスターってどんなのだ!? 白塗り記念写真充実ってなんの話だよッ!? イチイチ面白い、紹介するコピーが面白くて俄然興味が湧いてしまうのである。
興味が湧いたところで本文を詳しく読んでみると、著者の涙ぐましい努力が垣間見える。まず大変なのだが、アポイントを取ることだ。モザンビークの国民的スターのSCRATCHは、国民的スターでありながらアポイントを取る先がなかったようだ。アノ手コノ手を駆使して、何とかメンバーの話をチャットで聞くことができたそうだ。
アポが取れても一筋縄ではいかない。何しろ相手はマイペースで、質問を投げかけた途中で食事に行ったり、犬にエサをやりに行ったり。本書をまとめるのに、驚くほど苦労したことだろう。なかでもひどいのは、OVERTHRUSTだ。送った質問内容は完全無視。その代わりに無駄に詳細なバンドの来歴が届いたそうだ。その来歴はほとんどカットされており、メンバーの写真だけが載っている……。
ちなみにアフリカで活動するへヴィメタルバンドはもれなく資金不足で、海外に遠征したいのに、そのお金がないそうだ。卓抜した演奏技術を持つバンドも少なくないというのに、世界の舞台に立てないのは残念なことである。とにかく、日本のバンド事情からは思いもよらない実情を垣間見ることができる。
この書籍は本当にいい本だ。紹介しているバンドの音源を聞くことができる、YouTube やFacebook のURLも記載されているので、書籍と合わせてサイトを閲覧してみると、面白さが倍増するに違いない!
参考リンク:Amazon デスメタルアフリカ 世界過激音楽 Vol.1
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
▼書籍で紹介されていた、モザンビークの国民的スター『SCRATCH』
▼超絶音痴なNu Metalと紹介されていた『OVNI』
▼白塗りのシンフォニックメタル『AMPERUS ALEGOR』
▼PVを見ていると、ナゼか不安になる『HOLY ANGELS』
▼機材がやたら充実しているけど没個性、と紹介されていた『IN OATH』
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