東工大、「合コンしたくない大学」1位独走 女子枠導入で“陰キャ … – Yahoo!ニュース


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独特の景観が楽しめる東京工業大学大岡山キャンパス【写真:ENCOUNT編集部】
 国公立大を志望している受験生は共通テストを終え、二次試験に向けて新たな気持ちで勉強に打ち込んでいることだろう。ところで、最難関と呼ばれている国立大の中で、今年とくに注目されているのが東京工業大と東京医科歯科大だ。両大学は昨年10月に、2024年度中の統合を目指すことで合意しており、新たな大学の名称は「東京科学大」に決まった。政府から10兆円規模の基金支援を受ける「国際卓越研究大学」を目標にしており、今後の飛躍が期待されている。一方、東工大の学生についてOBからは「かつて合コンしたくない大学1位を独走していた」との声が上がっている。「女子枠」導入や「東京科学大」への名称変更で彼らに“モテ期”は来るのか? 【グラフ】意外と堅実? 女性が結婚相手に求める「最低ラインの年収」 「東工大と東京医科歯科大だけではなく、東京外国語大や一橋大、一時期、東京藝術大も連携して単位互換などをやっていたので、いつか合併する大学もあるだろうとは思っていました。その中でも東工大と東京医科歯科大が統合して発足する東京科学大は理系専門の大学と見ることができるので良いマッチングだと思います」。こう語るのは麗澤大学大学院経済研究科長の籠義樹(かご・よしき)教授(工学博士)だ。東工大工学部社会工学科卒業後、同大学院理工学研究科社会工学専攻を修了するなど一昔前の東工大をどっぷり体験してきた。 「東工大には生命理工という分野があって、医学と関係する研究テーマもあるでしょうから、合併により共同研究などがやりやすくなればメリットがあります。東京医科歯科大は1学年300人未満の小規模大学で医学以外のカリキュラムを充実させるのに苦労していたと思いますが、東工大は文系科目も含めて充実していますので、カリキュラムが多様になります。また、国際的に卓越した研究をするプロジェクトに乗り出すことで国の補助金を得ることができるかもしれません」  前途洋々といった感じだが、籠教授の胸中は複雑だ。「私が東工大生だった80年代後半から90年代初頭は風変りな学生が多く、“ヲタク”“陰キャ”といった雰囲気を漂わせていましたね。当時併願できた京都大に合格しながら蹴って東工大に来た同窓生もいました。“女性にモテたい”といった学生はあまりおらず、そもそも当時の東工大生はそんなことは望んでいなかったです。私自身もアルバイト先のガソリンスタンドで知り合った仲間たちと男だけのスラッシュメタルバンドを組んで夢中になっていました。  そもそも女子学生がほとんどいないので女子と話す機会がなく、自分の行動に対する女子の反応が分かりませんでした。それでもマニアックでトガッていたのが東工大生の特徴でそれを妙な誇りにしていた部分はありましたね。研究室に入ってからは研究室の先輩や後輩と研究室で生活していました。着替えるためにたまにアパートに帰る、みたいな。そもそもモテ期を望みたい人は早稲田や慶応に行くべきで、東工大を選んだ以上、すでに覚悟ができていたのです」  そんな硬派の東工大にも時代の波が押し寄せる。当時、あまりに女子学生が少なく一部校舎内に女子トイレすらなかったというが、理系を専攻する女子学生が次第に増加し女子トイレも整備。最近になり大学の多様性を目指して「女子枠」を導入することも決まった。24年4月入学の入試で物質理工学院、情報理工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院の4学院で新選抜を開始し58人の女子枠を導入。さらに25年4月入学者の入試では、残りの理学院と工学院の新選抜で85人の女子枠を導入する。この取り組みと一般選抜などで女子学生比率を約13%から一気に20%以上に引き上げるというから大きな挑戦だ。古き良き一時代を築いた東工大も変化を余儀なくされているのだ。 「OBとして言うならば、東工大は相変わらず、“陰キャ”のヲタク大学で、“合コンしたくない大学”の1位を走り続けて欲しいのです。それが東工大生の矜持でしたから。ただ、東工大も女子学生が次第に増えていますので、私たちが在学していた頃のようなタイプの学生は減って“脱陰キャ”が進んでいるのかもしれません。今後、東京医科歯科大との合併に加え、女子学生がさらに増えていけば“脱陰キャ”が加速する可能性はありますね」  急速に進む大学改革。「東京科学大」と言えば“陽キャ大学”―。そんな時代が来るのだろうか。
ENCOUNT編集部
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