【洋楽を抱きしめて】ビートリーなポップ満載のリンゴ・スターの代表作『リンゴ』 – オーヴォ

POP
『リンゴ/リンゴ・スター』 (ユニバーサルミュージック)
『リンゴ/リンゴ・スター』
(ユニバーサルミュージック)

 1940年7月7日生まれのリンゴ・スター。齢81にして現役感バリバリのビートルである。これまでに20枚以上のスタジオ・アルバムを発表。’89年に始動したオール・スター・バンドのライブ・アルバムは約10枚リリースされている。
 そんなリンゴの代表作といえるのが’73年発表の『リンゴ』である。多くの友人たちーもちろん他の3人のビートルたちーの助けを得て、ビートリーなポップが満載したアルバムをリリースしてくれたのだ。自らの名前を冠しただけに自信もあったのだろう。
 アルバムの冒頭を飾るのはジョン・レノン作の「アイム・ザ・グレーテスト」。ジョン自身が歌ったら反発を受けそうな「俺は一番だ」といった歌詞を、「人柄の人」リンゴは何ともいえない味を出して歌い上げている。ジョンはピアノとバック・ボーカルで参加。
 アルバムからシングル・カットされたのが「想い出のフォトグラフ(Photograph)」。リンゴとジョージ・ハリスンの共作。ジョージはきらめくような12弦ギターを披露、バック・ボーカルも担当している。米国では米ビルボード誌のチャートで首位を獲得した。
 ジョージはさらにカントリー調の作品「サンシャイン・ライフ・フォー・ミー」を提供。レコーディングにはジョージやザ・バンドのメンバーが参加。
 当時、他のビートルたちとの不仲がいわれていたポール・マッカートニーもリンゴのために参加。これまた米ヒットチャートで1位を獲得した「ユア・シックスティーン」で、紙に口を押し当てて音を出した「マウス・サックス」を披露。
 また、ポールは彼らしいナンバー「シックス・オクロック」を提供した。ポールはストリングスのアレンジを担当。ピアノ、シンセサイザー、バック・ボーカルでも貢献。
 アルバムからのシングルとしてはリンゴとビニ・ポンシアの共作「オー。マイ・マイ」も忘れてはいけない。米国ではチャートの5位まで上昇した。
 貢献が目立ったジョージはアルバムの最後を飾る「ユー・アンド・ミー」もマル・エバンズと共作。マルはビートルズのローディーを務めるなどグループの側近の一人として知られる。ジョージはギターでも参加。エンディングでは、リンゴのアドリブなのだろうか、レコード制作に参加してくれた一人一人の名前を挙げてお礼を言う。
 うれしいのは、リンゴがジョージ、ジョン、ポールの名前を挙げていることだ。
 ビートルズ解散後、4人が現役バリバリだった70年代前半。レコーディングには(4人がそろったわけではなかったが)ジョージ、ジョン、ポールが参加し、「ビートルズ再結成か?」などとも騒がれた、そんな夢が現実の夢としてまだ生きていた時代の輝きがある。
 リンゴの半世紀以上にわたるソロ活動でのオリジナル・アルバムの中から何か一枚を手に取ってみようという人には、何といってもおすすめなのが『リンゴ』なのである。米国では最高位2位、英国でも同6位を記録している。
文・桑原亘之介
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