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西合志南中の体育大会の準備運動で「泉ダンス」を踊る生徒＝合志市
「西合志南中（熊本県合志市）に入学した娘が、体育大会前に『いずみ体操』を習ってきました。初耳なのですが、市の伝統でしょうか？」。熊日の「SNSこちら編集局」（S編）に、こんな疑問が寄せられた。熊本市出身の記者も初耳。調べてみた。 投稿を寄せた女性（46）によると、掛け声に合わせて跳びはねたり横移動したりする体操で、「職場の20歳の後輩も合志中で踊ったと聞き、不思議に思った」という。市学校教育課によると、以前市内の学校にいた体育の泉恭子教諭（63）が考案したらしい。現在勤める大津北中（大津町）へ、さっそく会いに行った。 泉教諭によると通称は「泉ダンス」で、準備体操として作ったという。1999年開催の「くまもと未来国体」の開会式で披露されたダンスの曲を使い、振りをアレンジ。「ラジオ体操より気持ちが乗り、一体感が生まれる」と、赴任した合志市の3中学校と大津町の大津北中で教えてきた。 21日、西合志南中の体育大会開会式で、今年も泉ダンスを実施。陽気な音楽とともに「ヤー！」の掛け声でスタートし、「ハイ！ハイ！」と拳を突き上げてステップを踏むと、最後は再び「ヤー！」で締めるという、約3分のハイテンションな構成だった。
泉恭子教諭
中畑公宏校長は「全校生徒で元気に踊る様子は壮観。雰囲気が盛り上がる」と話す。泉教諭とは6年間共に働いたといい、「厳しく指導する場面もあり、熱い先生だった」と振り返る。 「泉ダンス」という名前は、自然と生徒から呼ばれるようになった。別の教諭が異動先で取り入れることもあり、今年は菊池市の泗水中も実施。「怖い先生」という口コミもあったが、全校生徒が取り組む体操に個人の名前が冠されていることからも、泉教諭が愛されていることが十分伝わった。「気恥ずかしいが、泉ダンスが卒業生の共通の話題になるならうれしい」と教諭。1人の先生が作ったダンスは、自治体を越えて広がりを見せていた。（深川杏樹）
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