1971年に発売されたアルバム・ベスト50選:その後の音楽を大きく変貌させた50年前の名盤たち – https://www.udiscovermusic.com/

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1971年という年は、音楽の観点でいうと全てのものが形を成していった12ヶ月だったといっていいだろう。世界は60年代を過去のものとして振り払い、不確実な未来に向けて踏み出そうとしていた年だった。良かれ悪しかれ、何かが起こるかもしれないという感覚が、この年リリースされた数々の最高のアルバムには漂っていた。
60年代に人気を博したアーティスト達は新しいことにトライし、多くの新しい音楽がそれまでに登場した者達にチャレンジすべく、頭角を現していた。モータウンのスター達は大きな賭けに踏み切ろうとし、ブラジルのミュージシャン達は60年代後半に起きた音楽芸術運動であるトロピカリアの後に何が起きるのか見定めようとし、ビートルズのメンバー達はソロになっていった。
1971年は、その年の最も影響力のある50枚のアルバムをリストアップしても、まだその表面をかすめることができないような年だった。だからこの順不同で選んだ50選の記事は、音楽を永遠に変えた年を探求するための始まりのようなものだと思って欲しい。
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深い敬意をもって讃えられるマーヴィン・ゲイの『What’s Going On』は最近ローリング・ストーン誌によって史上最高のアルバムの栄誉を与えられた。このアルバムは痛烈で重要なメッセージを含む、時代を超えたレコードだ。
 
1971年、アルバム『Surf’s Up』でビーチ・ボーイズは自然を讃え、その自然に踏み込んで危険を及ぼそうとする工業化の動きに警鐘を鳴らした。アルバムのメッセージはその後年を重ねるごとにますますパワフルになるばかりだ。
 
その後の商業的な成功を約束することになったアルバム『Leon Russell And The Shelter People』の中で、「The Ballad Of Mad Dogs And Englishmen」は飛び抜けて素晴らしい楽曲だった。
 
史上最強のファンクバンド、ブッカー・T&ザ・MG’sによる1971年の『Melting Pot』は、彼らの作品中最もファンキーな作品の一つかもしれない。
 
『Live At The Cheetah, Vol. 1』は単にこの時代の最も才能あるラテン音楽のプレイヤー達のパフォーマンスを記録した音源であるだけでなく、史上最も優れた音楽ドキュメンタリーの一つであり、ラテン音楽映画の象徴ともいえる『Our Latin Thing』のサウンドトラックでもあった。
 
「Changes」と「Life On Mars?(火星の生活)」をフィーチャーしたアルバム『Hunky Dory』はボウイがジギー・スターダストへと変貌していく驚くべき前奏曲としての役割を果たした。
 
ジャズの今後の方向性であるワイルドで広大なビジョンを示したアルバム『Live-Evil』で、マイルス・デイヴィスは様々なものをとても暗い場所に連れて行ったのだ。
 
アイルランド出身でブルース・ロックの達人ギタリスト、ロリー・ギャラガーはアルバム『Deuce』で生々しい感覚を追求し、その決断は「I’m Not Awake Yet」のようにノリの良いナンバーで見事に成功している。
 
1971年有数の象徴的なリフで幕を開ける、ジェスロ・タルのアルバム『Aqualung』は宗教的なテーマ満載の、フルートをフィーチャーしたプログレ・ロック・アルバムだった。
 
エディ・ヘイゼルの超絶ギターソロをフィーチャーしたアルバム『Maggot Brain』はジョージ・クリントン率いる革新的なグループがその頂点を極めた傑作だ。
 
ちょっと風変わりなジャズのファンなら誰でも、エドゥ・ロボの遊び心に溢れたこのブラジル音楽の逸品に惚れ込んでしまうに違いない。
 
「Tiny Dancer(可愛いダンサー<マキシンに捧ぐ>)」や「Levon(リーヴォンの生涯)」といった名曲を含むこのエルトン初期の1971年のアルバムをこのリストから外すのは不可能だろう。
 
このアルバムの1曲目「Sonido Bestial」はサルサ音楽でも最も愛された楽曲の一つだが、『El Bestial Sonido de Richardo Ray y Bobby Cruz』の他の楽曲もリッチー・レイがいかに素晴らしい(そして多才な)ピアニストかを如実に証明している。
 
フィル・コリンズとスティーヴ・ハケットが参加した最初のアルバムである『Nursery Cryme』はこのバンドの新しい時代の始まりを告げたアルバムだった。
 
このライブ盤で逃げも隠れもしないパフォーマンスを聴かせたガル・コスタは、収録の19曲を通じてその信じられないほどのユニークな才能を改めて見せつけた。
 
有名なタイトルナンバーだけではなく、アルバム『Imagine』にはあの忘れられない「Jealous Guy」も収録されている。
 
ジャズ・ハープ奏者のアリス・コルトレーンによる精神的な旅路は、アルバム『Journey In Satchidananda』でその全貌を明らかにした。
 
史上最高のサウンドトラック盤の一つ、『Shaft』はアイザック・ヘイズの絶頂期の作品だ。
 
このアルバムは、圧倒的な人気を誇るブラジルのアーティストにとって最もパーソナルなアルバムの一つで、言語の壁を超越した美しくもグルーヴィーな音楽に溢れた作品だ。
 
『Fragile』はリック・ウェイクマンのイエスへの参加を歴史に刻んだアルバムで、その結果バンドのサウンドをよりシンセサイザーを中心にした領域に伸ばしていった。
 
ザ・ローリング・ストーンズのキャリアは数々の傑作アルバムで彩られているが、1971年の『Sticky Fingers』はおそらくその中でも最高傑作の一つだろう。
 
このスター総出演のコンサートは、人道的な活動としてNYのマディソン・スクエア・ガーデンで開催されたが、このアルバムはボブ・ディラン、ラヴィ・シャンカール、リンゴ・スターなど多数のアーティスト達が一つのステージで演奏する様子を聴ける貴重な機会を提供してくれた。
 
この独得なイギリスのバンドは、アルバム『The Low Spark Of High Heeled Boys』でしばしば驚くべき回り道をしながら延々と長いジャム・セッションを繰り広げていた。
 
多くの人が、アルバム『Master Of Reality』が他のバンドやジャンルに与えた根本的な影響について指摘している。しかしながら、このアルバムは単なるタイム・カプセルではない。ここに収録された曲は今聴いても当時の剥き出しのパワーを一つも失っていないのだ。
 
この物悲しげなフォークを歌う吟遊詩人は、彼の祝福された楽曲を集めたアルバム『Bless The Weather』で、ソロ活動に復帰した。
 
『There’s A Riot Goin’ On』はその意図された荒々しさとファンクへの実験的アプローチのおかげで、今聴いてもリリース当時同様新鮮な感じを受けるアルバムだ。
 
ジョニ・ミッチェルのシンガー・ソングライターとしての傑作は、発表後何十年経った今も、その完璧な歌詞と意表を突くコード進行で、聴く者の心に響いてくる。
 
ジャズ・フュージョン界最高のグループの一つ、ウェザー・リポートのデビュー作は今聴いてもちょっと先の未来の音楽のように聞こえる。
 
ビートルズ後のポール・マッカートニーのソロアルバムの中でも最高作の一つとされる『Ram』では、ポールが妻と協力してささやかな喜びを表現する傑作を創り出している様子が窺える。
 
このスピリチュアルなジャズ・アルバムで、ファラオ・サンダースは音楽を通じて光を追求している。冒頭の曲名「Astral Traveling」の通り、正に星の世界を旅しているかのようだ。
 
『Histoire de Melody Nelson』はわずか28分というクールな短さだが、自然なクールさと緻密なオーケストレーションに溢れていて、セルジュ・ゲンスブールの最高の瞬間を捉えている。
 
息を呑むほどの領域をカヴァーするコンセプト・アルバムである、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイターの『Pawn Hearts』はそのリリースから何十年も経った今でも、聴く者を捉えて放さないアルバムだ。
 
スティーヴィー・ワンダーが70年代に傑作を次々に放つちょうど直前にリリースされた『Where I’m Coming From』は、それらの傑作に引けを取らないほど魔法のような楽曲満載のアルバムだ。
 
常にブラジル音楽史上最高アルバムの一つとして挙げられる『Construção』は弾圧的な政権下でリリースされた、体制への巧妙な抵抗表明だった。
 
オールマン・ブラザーズ・バンドは、そのバンドとしての卓越したジャム・セッションを披露することで、ようやく彼らのステージでの独得なアンサンブルの素晴らしさを『At Filmore East』で捉えてみせた。
 
ゴッドファーザー・オブ・ソウル、ジェームス・ブラウンは『Hot Pants』で、ふんだんな長尺のリズムリフの間奏でグルーヴを徹底的に強調してみせた。
 
当時台頭しつつあった精鋭のチカノ・ロック・バンド群の一つ、エル・チカノのこのアルバムで最も記憶に残る瞬間は、バラード曲「Sabor A Mi」の彼らによる素晴らしい演奏だ。
 
『Electric Warrior』は、「Bang A Gong (Get It On)」でマーク・ボランが正真正銘のロック・スターとして降臨した、グラム・ロックにおいて他に比肩するもののない傑作アルバムだ。
 
冒頭の曲「The Revolution Will Not Be Televised(革命はテレビで放映されることはない)」は、この前にもこの後にも殆ど例を見ないほど激しいサウンドのこのアルバムの序章にしかすぎなかったのだ。
 
この電撃的なデュオによる数少ない傑作コラボ・アルバムの中でも、『La Gran Fuga』はウィリー・コローンとエクトル・ラヴォーの最高のパフォーマンスを捉えている。
 
史上最強の轟音ロックンロール・アルバムの一つ、『Led Zeppelin IV』は今でもリリース当時と同じくらいロック史の記念碑的な重要作品だ。
 
オープニングの「Baba O’Riley」の冒頭を飾る象徴的なシンセ音だけでも、この『Who’s Next』は1971年のアルバムの中で最も崇拝される作品の一つだ。
 
この唯一無二のバンド、ジム・モリソンとその仲間達は最後のアルバム『L.A. Woman』の最高な楽曲のインスピレーションを得るためにブルースの世界を深く掘り下げた。
 
史上レコーディングされたアルバムの中でも最も野心的な作品の一つであるこのジャズ・オペラは、リリースされて何十年も経った今でも予想外の驚きと喜びを与えてくれる。
 
キャロル・キングがソロ活動を開始した頃には既に素晴らしいソングライターとしての実績を持っていたが、アルバム『Tapestry』はその才能を正に広く一般の聴衆に届けた作品だ。
 
キャット・スティーヴンスは、大きな成功を収めた前作『Tea For The Tillerman(父と子)』に続くアルバム『Teaser And The Firecat』で、更に繊細で忘れ難い楽曲群を発表した。
 
意識的にアメリカのロックンロールの影響を置き去りにしたカンの『Tago Mago』は、彼らをドイツの傑出したアヴァンギャルド・グループの一つとしての立ち位置を強固なものにした作品だ。
 
『Headless Heroes Of The Apocalypse』は、「Supermarket Blues」などのようにちょっと屈折した傑作曲満載なのに、過小評価されてしまっているファンクとソウルの珠玉作品だ。
 
ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズはその三作目のアルバム『Soul Revolution』で、後のアルバムで聴かれる傑出したサウンドに向けて大きくその一歩を踏み出し始めた。
 
 
これら音楽が爆発的に進化した年についてより多くのことを学ぶには、1971年の文化と政治を形作ったミュージシャンやその作品を多角的に紹介するApple TV+のドキュメント・シリーズ『1971年:音楽が全てを変えた年』をご覧下さい。
Written By Sam Armstrong

 
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