フィロソフィーのダンスにとっての“愛”とは?全国ツアーを通して見つけた愛の形(ライブレポート) – 音楽ナタリー

POP

23
336
この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。
フィロソフィーのダンスの全国ツアー「Love 4 You TOUR 2022」の最終公演が、昨日6月26日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで行われた。
フィロソフィーのダンス「Philosophy no Dance『Love 4 You TOUR 2022』」最終公演の様子。(photo by nishinaga "saicho" isao)
大きなサイズで見る(全8件)
フィロソフィーのダンス「Philosophy no Dance『Love 4 You TOUR 2022』」最終公演の様子。(photo by nishinaga "saicho" isao)[拡大]
今年3月に発表したメジャー1stアルバム「愛の哲学」を携え、全国12会場を回ったフィロのス。十束おとはの卒業が決定している彼女たちにとっては、これが現体制で最後のツアーとなった。ツアーファイナルの東京公演は小笠原拓海(Dr)、千ヶ崎学(B)、田口慎二(G)、松本ジュン(Key)がバックを務めるバンド編成。生演奏ならではの自由度の高いアレンジに乗せて、メンバー4人も自由かつパワフルなパフォーマンスを繰り広げた。
フィロソフィーのダンス(photo by nishinaga "saicho" isao)[拡大]
開演前のBGMからクロスフェードするように小笠原がドラムソロを叩き始め、松本がピアノの音を重ねるとステージ中央に置かれたフィロのスのロゴに光が灯る。そして千ヶ崎のベース、田口のギターと演奏は徐々に厚くなり、じわじわと上がる場内の熱気とシンクロするようにフィロのスロゴが上昇。観客は一斉に立ち上がり、大きな拍手でメンバー4人を迎え入れた。一瞬の沈黙ののち、日向ハルは伸びやかなハイトーンで歌い始め、そこに十束、奥津マリリ、佐藤まりあの声が重なる。ライブは「愛の哲学」収録曲「サンフラワー」で幕を開け、奥津は「世界で一番幸せな空間、TDCホールへようこそ!」と観客を歓迎した。
フィロソフィーのダンス(photo by nishinaga "saicho" isao)[拡大]
「でっかい愛を届けにやって来ました、私たちがフィロソフィーのダンスです! 世界で一番楽しい夜にしましょう」と叫ぶ日向の声に応えるように、観客は「ロック★with you」の四つ打ちビートに乗せてハンドクラップを打ち鳴らす。2曲を終えたところで、メンバーは1人ずつ自己紹介。十束は「みんなの人生の日の最高を更新しにきました」と宣言し、佐藤は「ここまで11公演で、私たちがメキメキ成長してきた姿を見せたい」とツアーファイナルの意気込みを語った。スウィングするビートが心地よい「ダンス・オア・ダンス」でライブが再開すると、4人とバンドメンバーは伸び伸びとパフォーマンス。間奏では小笠原がメンバーの指示に合わせてリズムを鳴らし、観客との一体感を作り上げる。続く「エポケーチャンス」と「バイタル・テンプテーション」のメドレーでは8人がさらにアドリブ性の高いステージを展開し、TDCホールにはファンキーなグルーヴが渦巻いた。
フィロソフィーのダンス(photo by nishinaga "saicho" isao)[拡大]
一転、「テレフォニズム」ではクールな演奏に乗せて甘い歌声を響かせる4人。日向と奥津は交互にフェイクを披露して観客を惹き付けた。ここでステージは暗転し、「ホテルに集まってツアーの打ち上げパーティをしたい」と打ち合わせをするメンバーの寸劇タッチの音声が流れる。パジャマのような姿で再登場した4人は、チルなアレンジが施されたmihimaru GT「気分上々↑↑」のカバーをしっとりと歌い上げた。ライブを満喫する十束は「ずっとこの時間が続けばいいのにね」と思わずつぶやく。今回のツアーでは平行して“運命の人”探しをしていたという日向は、次のナンバー「誓い合ったんだってね、LOVE」の最中に自分のメンバーカラーである赤のペンライトを持った観客を指し「ついに東京で運命のハル推しと出会えましたー!」と告げた。ワウギターと歯切れのよいビートのインスト「FUNKY BUT CHIC」に乗せて、4人はパジャマを脱ぎ捨て、白い衣装にチェンジ。「ラブな仲間たちを紹介します!」とバンドメンバーを1人ずつ紹介し、インディーズ時代からの人気曲「アイドル・フィロソフィー」へとなだれ込んだ。続く「シスター」では4人の歌声とエレクトリックピアノのメロウな響きで場内はうっとりとしたムードに。千ヶ崎がエレクトリックアップライトベースに持ち替えてのソウルバラード「ジャスト・メモリーズ」ではパワフルに歌い上げる日向のボーカルがホールを包み込んだ。
フィロソフィーのダンス「Philosophy no Dance『Love 4 You TOUR 2022』」最終公演の様子。(photo by nishinaga "saicho" isao)[拡大]
ライブ終盤を前に、4人はこのツアーを通して感じた“愛”について語り出す。フィロのス加入前は「仲間なんていらない」とソロで活動し、挫折して音楽を辞めることも考えていたという奥津は、「あのとき辞めていたらこんな素敵な仲間にも出会えず、みんなにも会えなかったんだなと思うと、あのとき辞めずに1人でがんばっていた自分を褒めてあげたいです。今が本当に人生で一番幸せです。これからも容赦なくみんなのことを愛していきますのでよろしくお願いします」とコメント。佐藤は「私にとっての“愛”ってなんだろうと考えたときに、やっぱり一番に浮かぶのはフィロソフィーのダンスとファンの皆様のことで。うるさいぐらいにぎやかで、愉快で、頼もしいメンバーのことが大好きだし、そんな私たちを愛してくださるファンの皆様のことが本当に大好きです。この4人での活動は限られていますが、限られているからこそ、この4人にしかできない方法で愛を伝えていきたいし、これから新しくなるフィロのスも皆さんに愛していただけるように真面目にがんばっていくので、これからも付いてきてください」と観客に呼びかけた。日向は「ずっと人に甘えることのできなかった私が、人を愛することや人に弱さを見せることを知ったのは、このグループに入ったおかげです。7年間一緒にがんばってきた仲間がこの3人でよかったなって改めて思います。3人ともどんなときも味方でいてくれてありがとう」とメンバーへの愛を伝える。そして、グループを去ることを決意した十束は、自身が参加する最後のツアーがファイナルを迎えてしまったことを惜しみつつ、「このツアーを通して思ったことは、本当にフィロソフィーのダンスに入ってよかったなって。メンバーに出会えてよかったなということと、ファンのみんなが本当に大好きなんだということでした。私は7年間、何を誇りにがんばってきたのかと言えば、みんなが喜んでいる姿を見るのが一番幸せで。みんなは私にとって心から誇れる存在です。私のアイドルとしての命はもう残り数カ月しかないけど、それでも、みんなが一生分思い出せるくらい大きな愛を、みんなが嫌だと言うほど、11月まで精いっぱい届けていこうと思います。そして、私がいなくなったあとのフィロソフィーのダンスも、もっともっと愛されるグループになりますようにと心から願っています」と涙を流した。
フィロソフィーのダンス「Philosophy no Dance『Love 4 You TOUR 2022』」最終公演の様子。(photo by nishinaga "saicho" isao)[拡大]
それぞれの“愛”を伝えた4人は、ここで最新アルバムの表題曲である「愛の哲学」を披露。歌いながら感極まり、思わず目に涙を浮かべてしまう。明るくライブを締めくくるべく、4人はフィロのスの哲学が詰まったナンバー「ダンス・ファウンダー」へとつなげ、ステージ上の4つのミラーボールがギラギラと光を反射させる中、力強いパフォーマンスで観客にもダンスを促した。アップテンポな「フォーカス」でさらに場内を盛り上げ、最後はライブの楽しさを全身で表現する「ライブ・ライフ」でフィニッシュ。アンコールを受けて再度ステージに上がるも、十束は「ホントに終わりたくないから曲振りしたくないんだけど!」とゴネる。4人は名残り惜しそうにしながらも、バンドメンバーとともにもう1曲、「ベスト・フォー」をパフォーマンス。弾けるような笑顔で約2カ月におよんだツアーを終えた。
また本日のアンコールでは、十束のラストステージが11月19日の東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)公演となることが発表された。ライブの詳細は追ってアナウンスされる。
この記事の画像(全8件)
01. サンフラワー
02. ロック★with you
03. ダンス・オア・ダンス
04. エポケーチャンス~バイタル・テンプテーション
05. テレフォニズム
06. 気分上々↑↑
07. 誓い合ったんだってね、LOVE
08. FUNKY BUT CHIC(INST)
09. アイドル・フィロソフィー
10. シスター
11. ジャスト・メモリーズ
12. 愛の哲学
13. ダンス・ファウンダー
14. フォーカス
15. ライブ・ライフ
<アンコール>
16. ベスト・フォー
2022年11月19日(土)東京都 日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)
読者の反応
松浦 シゲキ | shigekixs.eth @shigekixs
いいライブでした!

【ライブレポート】フィロソフィーのダンスにとっての“愛”とは?全国ツアーを通して見つけた愛の形 https://t.co/L1XAulN0aj
関連記事
フィロソフィーのダンスから十束おとはが11月に卒業
フィロソフィーのダンスのほかの記事
リンク
関連商品
フィロソフィーのダンス「【Amazon.co.jp限定】愛の哲学(初回限定盤A)」
2022年4月27日発売 / SMR / SRCL-12090~12092
フィロソフィーのダンス「【Amazon.co.jp限定】愛の哲学(初回限定盤B)」
2022年4月27日発売 / SMR / SRCL-12093~12096
フィロソフィーのダンス「【Amazon.co.jp限定】愛の哲学(通常盤)」
2022年4月27日発売 / SMR / SRCL-12097
タグ
日向坂46丹生明里、1st写真集より青いビキニカット公開
YUKI「大人エレベーター」CMに出演
「パチスロBOOWY」人気曲&ラストライブの映像搭載
スノ阿部亮平「今夜はナゾトレ」新レギュラーに
KinKi KidsのNHK特番に松本隆、山下達郎、織田哲郎ら
日向坂46のムードメーカー渡邉美穂が卒業、空柄ドレスで22人最後のステージ飾る
SOUL SCREAMがSHAMO&輪入道迎えた新曲配信、dj hondaがサウンドプロデュース
The Songbardsの表現力を堪能できる「ダフネ」ライブ映像公開
GOMESS & Yackle新曲「濃霧 REMIX」にyella goat、Mijeua、野崎りこん参加
Jumping Kiss、大人の女性に近付く4人の表情収めた「キッスはあげない」MV
Mrs. GREEN APPLE「ダンスホール」MVでキレのあるダンスパフォーマンス披露
早見沙織がアニメ「聖剣伝説 Legend of Mana」OP担当、シングルリリース決定
私立恵比寿中学ツーマンツアーに新しい学校のリーダーズ、石崎ひゅーい出演決定
BiSの明るい新曲「Hey boy hey girl」MV公開、先行配信もうすぐスタート
ポラライト、1stミニアルバムより「僕らのポラライト」MV公開
BOØWY「PSYCHOPATH」
作家魂を支える“北海道のヤンキーの血”とは?
ハロプロソングを中心に名曲連発!気鋭作家の仕事に迫る
なぜ後藤正文は音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」を作ったのか?
海外から見た日本のアイドル(後編) ~ マーティ・フリードマンが掘り下げる「日本アイドルの特殊性」
「テイルズ オブ アライズ」はプレイヤーに寄り添ってる?富澤Pにゲーム設計の理念を教えてもらいました
日向坂46渡邉美穂、空柄ドレスで22人とラストステージ
CLASS:y初の日本ファンミーティングで全力パフォーマンス
iKON、3年ぶりのソウル公演で31曲をパフォーマンス
エビ中・安本彩花24歳「本格的に大人になりたい!」
フィロのス、全国ツアーを通して見つけた“愛”
GOMESS & Yackle新曲に野崎りこん、yella goatら参加
ソウスクがSHAMOと輪入道迎えた新曲配信
Jumping Kiss「キッスはあげない」MV公開
早見沙織がアニメ「聖剣伝説」OP担当、リリース決定
KAMIJO、4年半ぶりにアルバムリリース
音楽
日向坂46丹生明里、1st写真集より青いビキニカット公開
音楽
YUKI「大人エレベーター」CMに出演
お笑い
パンサー尾形、NHK「笑わない数学」始動
コミック
映画「ゆるキャン△」公開記念“ぞぞキャン△”
ステージ
明日海りお主演「ポーの一族」日テレプラスで
このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 フィロソフィーのダンス の最新情報はリンク先をご覧ください。
音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。
Webエンジニア募集のお知らせ
Twitterコメント機能リニューアルのお知らせ
麻倉ももの新作に注いだこだわりを太田雅友と田中秀和が語る
ユーミンやYMOを世に送り出した村井邦彦の偉大な足跡
WOWOWプラス特集|フレデリック初の代々木第一体育館公演を生中継
eillが歌う、自分で自分を愛するための“1人パーティ”
鈴木雅之 feat. すぅ「GIRI GIRI」特集|すぅが語る、鈴木雅之の計り知れない魅力
THE YELLOW MONKEY特集 山田健人、横山マサトインタビュー
THE YELLOW MONKEYメジャーデビューから30年の軌跡とその魅力に迫る
TOOBOE×yama|TOOBOEが精神の深層までを表現したメジャー2ndシングル
森七菜インタビュー|森山直太朗の書き下ろし曲で見つけた新しい私
ヒトリエ「PHARMACY」インタビュー
MARiA「Moments」で見せるボーカリストとしての真価
ヒーラーガールズ、美しいハーモニーで癒し届けるユニットの魅力
MONGOL800×WANIMAそれぞれの魅力が詰まった「愛彌々」
マカロニえんぴつインタビュー|結成10周年、ロックバンドが見せる夢
三月のパンタシア、三原康司との対談とみあ単独取材の2本立て特集
学芸大青春「君と僕の唄」インタビュー
超ときめき♡宣伝部「すきっ!」の次は「ギュッと!」
首振りDolls、結成10周年アルバム携え武道館目指す
“明るく生きる”ONE N' ONLYのポジティブな新曲完成
OverToneメジャー1stアルバム携え大阪から全国へ
バーチャルK-POPアーティストAPOKIとは?
Yuta & Seina特集|本気で音楽と向き合った1stシングル
木梨憲武にとって音楽とは?
ネクライトーキー、石風呂楽曲のセルフカバー第2弾が完成
Novelbrightにとって“ライブ”とは?武道館公演を前に思いを語る
Who-ya Extended、多角的な視点で“生”を表現した3rd EP
由薫メジャー1stシングル特集|変化し続ける次世代SSWの現在地
まらしぃ主催イベント「まらフェス」
鈴木愛理が歌う王道ポップソング「ハートはお手上げ」レビュー
日向坂46
丹生明里
妻夫木聡
BOOWY
米津玄師
「爆裂都市 BURST CITY」グッズ
「輪るピングドラム」グッズ
「らんま1/2」グッズ
ナタリー公式アプリ「マイナタリー」無料配信中!
© Natasha, Inc. All Rights Reserved.

source

最新情報をチェックしよう!
広告
>すべての音楽情報をあなたに・・・

すべての音楽情報をあなたに・・・

インターネットで情報を探すとき、あなたはどうやって探しますか?いつも見ているページで情報を得る?検索エンジンで好きなアーティスト名を検索してでてきたものを見る?本当にそれであなたの欲しい情報は手に入れられていますか?

CTR IMG