Tokyo沖縄めし（８）沖縄すろ～ふ～ど う～みや八重洲別邸 東京都中央区日本橋
東京メトロ日本橋駅に近く、高島屋そばのビルの地下にある。
八重洲別邸ということは、ほかにも店があるのか。その通り、道玄坂にもあり、昨年、コロナの渦中に茅場町にも店を構えた。神保町には沖縄料理をアレンジしたバルも展開している。
手始めはやっぱりテッパンのオリオンビール。そこに海ブドウだ。翡翠色とでも言うのか、透き通った緑の濃淡にキラキラの輝きが、沖縄の強烈な日差しに照らされた海面のきらめきにも似ている。口のなかで弾けるプチプチ、いいですよね。
続いて、ミミガーのピリ辛ネギ和え。ミミガーというと、ピーナッツバターなどで和えたものが多いが、こちらは辛味の効いた味付けでビールが進む。ミミガーのコリコリとネギのシャキシャキ感、いいコラボだ。
う～みやを展開する会社の代表取締役、大庭正広さんが、いまの店を始めたのは2006年３月。それまでは青果業を皮切りに食品スーパーや酒のディスカウントストアなどさまざまな業態にかかわってきたという。
元々、沖縄が大好きで、沖縄県内で飲食店を営んでいる知人から料理や事業などのノウハウを学んだ。当初、メニューやレシピは大庭さん一人で考案し手掛けてきた。いまでは基本的なレシピは変わらないが、店ごとに料理長らが考案することもある。「店ごとに味が微妙に違う場合もあるが、それも家庭の味なのかなと思う」と話す。
東京生まれの大庭さん。父親は長崎出身でずっとルーツは長崎だと思っていた。が、十年ほど前、親類の葬儀のときに曾祖父が沖縄の出身だと知り、仰天。そうだと知らずに沖縄の料理店を営んでいることに不思議な巡りあわせを感じたという。
店名の「う～みや」は、苗字の大庭が大きな庭と書き、ウチナーグチで「うーみや」と言うことから名付けた。
沖縄とのかかわりは深くなっていき、8年前から南都と提携しクラフトビールやハブボールなど酒類の卸販売も手掛けるようになったという。ことし8月には神楽坂に新たな店舗を構える計画だ。「これからの時代に合った店をどんどん広げたい」と意気込んでいる。
さてと、次はモズクサラダだ。海の幸が山？陸？の幸と出合って、さらさらと体によさげな養分が入っていく感じだよ。
おっと、忘れちゃいけない。泡盛参上。
きょうはまず瑞泉の水割り。30度を注文した。
瑞泉の名を聞くたびに、幼い頃、ほぼ毎日、父親に二合瓶を買いに行かされた記憶がよみがえる。
それにしても泡盛の銘柄の多いこと。沖縄本島北部地域や久米島、宮古島、石垣島など離島の地酒が並ぶ。泡波、舞富名とか希少なものもある。一つの銘柄でも度数や熟成期間が異なり、飲み比べてみるのも楽しそうだ。
泡盛が来たら、続いてラフテー、厚揚げ、卵の煮つけ。「ザ・沖縄料理」である。
ラフテーはしっかり味がしみこんで、アジクーターだ。厚揚げはかめば、じわっと表面の皮部分にしみ込んだ出汁が口に広がる。
「ザ・沖縄料理」第2弾。ゴーヤーチャンプルーだ。こちらのゴーヤーの上には鰹節が盛りつけられている。アチコーコーで鰹節がダンスしている。鰹節の香りもあって、ゴーヤーを運ぶ箸も軽い。比嘉酒造の残波の白は口当たりがよく飲みやすい。
◇ ◇
別の日、ランチでそば定食を注文した。
そばの上にはソーキ（豚のあばら骨）とラフテー、チキアゲ、かまぼこが乗り、おにぎりとクーブイリチー、口直しにサーターアンダギーのセットとなっている。
そばは沖縄でよく知られた亀浜製麺所の麺。沖縄県内では人気店の多くがそこの麺を使っている。平細麺で1本の麺が長いのが特徴だ。そばをすするときに、なかなか一気にいけない。でも、コシがありのど越しの食感は、沖縄そば通の熱い支持を受けている。
クーブイリチーも安定の味。サーターアンダギーは一口サイズで、サクサク感がいい。脂っこくなくて沖縄そばの後でも爽やかに食べられる。ごちそうさまでした。
〈メモ〉
沖縄すろ～ふ～ど う～みや八重洲別邸
〒103－0027 東京都中央区日本橋3－8－3 SAKURA building B1
ランチ 11：00～14：00
ディナー 17：00～23：30 土日祝日は休み
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