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センバツで話題を呼んだ近江ブラバンの『HOT LIMIT』演奏。あれから3カ月、西川貴教と近江の“ 生コラボ”が実現した photograph by L）Sankei Shimbun、R）Yukiko Umetsu
毎週楽しみに見ているNHKの「うたコン」。近年、生演奏の音楽番組がめっきり減ってしまったが、吹奏楽部出身の筆者にとっては、アーティストの生歌を引き立てる演奏も楽しみの1つだ。 【記事写真】西川貴教が“男気贈呈”…800個のサラダパンを近江高校に差し入れ！うれしそうな吹奏楽部員たち、大阪桐蔭ブラバンの“イラスト入り”楽器トラックなど、すべての記事写真を見る 「うたコン」は通常、プロのミュージシャンによる生演奏だが、6月28日(火)放送の西川貴教のステージで近江高校吹奏楽部が出演すると聞き、番組が始まった瞬間から固唾を吞んで見守っていた。このコラボが実現したのは、近江が準優勝した今春の第94回選抜高等学校野球大会がきっかけだ。
4年前にリニューアルした近江の応援は、ファレル・ウィリアムスの『Happy』や、チャンステーマとして使うピットブルの『Fireball』などの洋楽を演奏するスタイルが、高校野球ファンの間ですっかり定着。センバツ準決勝からは、「地元らしさを出したい」と、滋賀県出身の西川の『HOT LIMIT』を急きょ応援曲に取り入れた。吹奏楽部顧問の樋口心氏に聞いたところ、西川が日頃からメディアで滋賀県のことを話していたことから、常々「応援に取り入れたい」と考えていたという。 西川は、2008年に初代「滋賀ふるさと観光大使」に任命され、主催する大型野外フェスティバル「イナズマロック フェス」を琵琶湖畔で毎年開催。2020年には滋賀県文化功労賞を受賞するなど、近年、滋賀愛あふれるアーティストとしても話題だ。 センバツの応援がきっかけで、ツイッター上で西川との交流が始まった近江高校吹奏楽部。センバツ終了後には西川から、刻みたくあんのマヨネーズあえがサンドされた滋賀名物「サラダパン」が、全校生徒分約800個贈られたという。 このセンバツでの出来事がきっかけとなり、今回「うたコン」でのコラボが実現。近江高校吹奏楽部にとっては、テレビ番組での生演奏は初めてだ。
「♪Yo！ SAY 夏が 胸を刺激する ナマ足 魅惑の マーメイド～」 西川のパワフルな歌声に合わせて、3年生を中心とした30名の部員たちが元気いっぱいにパフォーマンスを繰り広げる。生演奏終了後、樋口氏に感想を聞いたところ、「センバツの準々決勝の帰りに、バスの中で次の試合から『HOT LIMIT』を応援で使うことを考えました。それからたった3カ月でこんなことになるなんて、本当にびっくりしています。新型コロナウイルスの影響で、なかなか楽しいことのなかった3年生に最高の思い出を1つ作ることができました」とほっとした様子で胸を撫で下ろす。トランペットを担当する部長の福永千秋さんも、「野球部のみんなのおかげで、貴重な体験ができました。最高に楽しかったです！」と興奮冷めやらぬ様子で話してくれた。 同番組には、これまでに天童よしみと大阪桐蔭吹奏楽部や、東京スカパラダイスオーケストラと千葉県の習志野高校吹奏楽部がコラボするなど、甲子園で応援経験のある吹奏楽部が出演。大阪桐蔭吹奏楽部はこの番組で天童とコラボしたことをきっかけに、昨年の第72回NHK紅白歌合戦にも出場。「あんたの花道～ブラバンSP～」を披露し、話題になったのも記憶に新しい。 習志野高校吹奏楽部は、2020年に開催が予定されていたスカパラのデビュー30周年記念ライブに出演するはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でライブ自体が中止に。スカパラからの提案で同番組での共演が実現したという経緯がある。
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