【評論】ダンス部の教育的効果〜DANCEで創る未来を生きるチカラ(前編) | – ダンスニュースメディアサイト Dews (デュース)

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更新日 : 2022/07/14

「ダンスで若者が成長している」
「ダンス部の高校生たちは入部当初から見違えるほど成長する」
「元ダンス部の卒業生たちが、その経験をきっかけに自分の進路を切り開いている」

ー 筆者が強豪校に取材に行くたび顧問の先生から聞く言葉だ。
ダンス部の活動には、若者の人格形成に大きな影響がある。
そして、新しい教育の可能性が潜んでいる。
今回は、強豪ダンス部を育てた5人の顧問の先生の意見と経験を
いくつかの観点で聞きながら、ダンス部と教育の接点を探っていこう。

青木 郁美 先生
樟蔭高校ダンス部顧問及び同校身体表現コース主任。体操競技からダンスへ転向し、樟蔭高校では創作ダンスからストリート系の大会まで活躍する部に育てる。卒業後にプロダンサーとして活躍するOGも多い。


▲バレエやモダンの技術習得や規律正しい生徒の動き、主要部員の座談会では負けず嫌いな面も!
緒方 浩 先生
ストリートダンサーだった経験を活かし、ダンス部黎明期の25年ほど前から北九州市立高校の顧問として活動。全日本高等学校ダンス連盟代表理事、全日本高等学校チームダンス選手権大会を主宰する。


▲緒方先生が陣頭指揮をとり、北九州市のバックアップのもと決勝戦が開催されるチームダンス選手権。
神田橋 純 先生
三重高校在籍時に作ったダンス同好会を、教員として戻った際に部に昇格させる。大会での活躍のみならず、イベント出演やメディア出演、自主公演、SNS活動、アーティストとのコラボなど縦横無人の活動を展開する。


▲ハイテンション練習や地獄シリーズなどキツい練習を楽しんでいくノリが面白い。自主公演動画も!
桜井 里枝子 先生
体操選手として活躍し、千葉県立幕張総合高校では150名を超えるダンス部を率い、関東有数のヒップホップチームに育てた(現在は退任)。自身の経験を活かして、ダンサー向けのフィジカルトレーニングなどを指導。


▲大所帯のダンス部員が校内敷地に広がって猛練習する様はまさに青春! フィジカルトレも細かく解説。
八木 克容 先生
大阪府立和泉高校から久米田高校へ赴任し、ダンス部顧問として全国トップの強豪校に育てる。大会出場以外にも、さまざまなボランティア活動やイベント出演を経験させ、その後の進路を切り開いたOGも多い。


▲悲願の日本一をかけ神社参拝でスタートする新年の練習をレポート。部員同士のブツかり合いがすごい!
矢下 修平 先生
J-POPにロックダンスを合わせた青春スタイルで京都文教高校を全国レベルへと導く。最近ではアーティストのMV出演や企業のPR出演など活躍の幅を広げる。三重高校の神田橋先生とは学生時代に同じダンスチーム出身。


▲企業コラボのMV風動画。振り付けから演出、カット割、ロケーションまでを部員が担当した。

創部23年を数える北九州市立高校の練習風景。ストリートダンスの軽やかさとカルチャー感を感じさせる作品は、部員の自主性とダンスへの情熱から生まれている。長年の功績を評価され、北九州市からは2013年には市民文化賞を受けた。現在のダンス専用練習場は市の予算により建設されたという。
顧問の先生方が、ダンス部を改革する時にまず取り掛かるのが、挨拶や礼儀の徹底、そして規律正しい運営、という形が多い。しかし、それらが単なる形式になっていては意味がないという。まずはそのあたりから、ダンス部を「きちんとした部活」に改革した先生方の経験を伺おう。
緒方先生:一般的にダンスが好きな生徒って、チャラチャラした(軽薄な?)印象を持たれがちです。練習も音楽かけて踊っているだけなので、遊び半分のような印象を持たれることが多かったと思います。創部当時はそのような印象を払拭するべく、ダンス部員にはとにかく「よき生徒」であることを求めました。「よき生徒」とは学業をがんばり、校則を遵守し、他の生徒の模範となるような生徒です。ダンス部が、勉強もせず校則も守らないような生徒たちの集まりであれば、学校の先生方に認めてもらえるわけがありません。当時の生徒たちもそのことをよく理解してくれて、積極的に「よき生徒」である努力をしてくれました。
八木先生:規律や礼儀を守ることは評価されやすいんです。そして、評価されること・褒められることで自己肯定感が上がってくる。私が最初に見たダンス部の生徒たちは、たくさん良い部分を持っているのに、損をしているなぁと感じていました。
矢下先生:礼儀とか挨拶って、ある意味便利な道具だと思うんです。誰とでも仲良くなれる魔法のアイテム。だから、それを無碍に使いまくれっていうのは、ちょっと違うのかなって気がします。敬語をしっかりと話せる人間でも「イエ〜イ!」と言った方が良い場面ではその方が適切で、要はTPOを考えて言動できるようになろうってことです。挨拶もウチでは強要はしてなくて、基本は「挨拶したい気持ちならばしよう」という考えです。もちろん形から入るのも良い方法ですが、挨拶したくなる関係性や心持ちを持つこと、適切な言葉や挨拶を選択できる方が大事なんじゃないかと思います。
桜井先生:幕張総合高校に赴任した当時のダンス部は、練習が始まるとすぐにお菓子タイム。これには参りましたが(笑)、生徒主導で運営しているし、何とかなりそうだと思っていました。まず指導したのは、時間を守ることと基礎練習の認識を変えること。大会で勝ちたい目的があるならば時間を効率的に使ったほうが良いし、基礎を積み上げればダンスが変わってくる。そうやっていくうちに、挨拶や服装なども自主的に良くなっていきましたね。
ダンス部マガジン『ダンスク!』
Dews編集者
(株)ディーエスケイ代表、ダンス部評論家の石原ヒサヨシが運営する唯一のダンス部専門メディア『ダンスク!』。全国中高配布のフリーマガジン、ウェブ、YouTubeチャンネルで展開中。
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