Gacharic Spin – Skream!

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LIVE REPORT
Japanese
Skream! マガジン 2022年08月号掲載
2022.07.02 @豊洲PIT
Reported by 真貝 聡 Photo by ゆうと。
Gacharic Spinのワンマン・ライヴ”Gacharic Spin LIVE 2022「☆G!G!G!PREMIUM!!」”を豊洲PITで観たのだが……どこまで書けばいいのだろう、と正直戸惑ってしまった。それだけトピックが盛りだくさんのライヴだったのだ。

まず、開演時間になるとステージに設置された大型スクリーンに、”LIAR GAME”よろしくのピエロが現れて”もうすぐ開演だというのに、ライヴ・タイトルの「G!G!G!」の意味が決まっていないようだ。メンバーよ、早く決めないと本番に間に合わないぞ”と言って、画面がマフィアのアジト風の部屋に切り替わった。そこにはメンバー6人が机を囲み、”G!G!G!”の意味を話し合っていた。いろんな案が出るなか”じじい! じじい!じじい!”に決まりかけたが、ギリギリのところで”Gacharic Spin! Ground! Games”に決定。再びピエロが登場し、”……というわけで、ここは君たちのグラウンド。運動会だと思って声が出せないぶん、思う存分に身体を動かしてゲームのように夢中になって楽しむんだ!”と言い放つと、ステージにオレオレオナ(Key)が姿を表し、本当の運動会さながらに準備体操が始まった。

ほぼ強制的に観客の身体が温まったところで、オレオ(オレオレオナ)がメンバーを呼び込みタイトル未定曲で幕を開けた。2曲目「1GAME」で、はな(Vo)、アンジェリーナ1/3(Mic Performer)の歌声に勢いが増して”さぁここから!”というときに、F チョッパー KOGA(Ba)が演奏を止めて”テイク2行かせてください!”と仕切り直しを要求すると、他のメンバーが”おい!”、”もうライヴが始まってんのよ!”と総ツッコミ。ステージ上で”え、どこからやり直すの?”とその場で話し合いが行われた(そういう演出ではない)。TOMO-ZO(Gt)の機材トラブルがあったようだ。”もう1回やるので、クラップしてもらえますか?”とお願いされて観客が手を叩くと、再びレオナがメンバーを呼び込む。ようやく再開かと思ったら、オレオが”(拍手を)止めないと演奏に入れないのよ!”となぜかこちら側を注意し、”待って待って! 今日ってコント的なやつ!?”と困惑していたが、戸惑っているのは我々観客側である。

まさかの1曲目からやり直すという、珍事件で始まったGacharic Spinのワンマン。出だしこそ思わぬ笑いを起こしたものの、演奏をすれば”さすが”のひと言に尽きる。はなの野太くパンチ力のある歌声、アンジェリーナ1/3の捲し立てるマイク・パフォーマンス、KOGA(F チョッパー KOGA)の高速スラップ、TOMO-ZOのハード・ロックを感じるギター・ソロ、オレオの躍動感のあるキーボード、yuriの正確なドラミングと6人のパフォーマンス力の高さが光る。その後、Aメロでアンジェリーナ1/3の静かな歌い出しから、サビで強烈な演奏と力強いツイン・ヴォーカルになる”静と動”を見せた「KiraKirai」、yuriの重厚なドラムが際立つハード・ロック調の「Parallel⇄loop」と新曲を連続で披露。

MCになりアンジェリーナ1/3が”私とyuriが加入してからバンド色が強くなって、カッコいい路線になっていきましたが、この振り幅がGacharic Spinの強みだと思うんですよ。面白さもあれば、カッコ良さもあれば、かわいい一面も(笑)!?”と話す。その言葉にKOGAも深く頷いて”そうだね。私たちは持ち曲が100曲以上あるから、どの曲で攻めるか迷うわけですよ。ただ……今日は全部乗せでいきたいと思います!”と言うと会場から大きな拍手が起きた。実際、その言葉に嘘はなかった。はなの”いつだって私たちはあなたの味方です”という語りから始まった「Where you belong」はファンに対してのラヴ・ソングとも取れるバラード。会場をしっとりと感動的な雰囲気にして、次はライヴで盛り上げることをイメージして作ったという「GS! Live Love Life!!」で、アンジェリーナ1/3がメイン・ヴォーカルを務めて会場の温度をさらに高めた。

メンバーがステージ袖へ捌けると、スクリーンに楽屋の様子が映っていた。ピエロが”メンバーのみなさんには、体育館へワープしてもらいます”と言って、戸惑いながらも6人は体育館へ瞬間移動。そして走り幅跳び、長座体前屈、上体起こしで競い合うなか、要所要所で苦しそうに顔を歪ませるメンバーの顔がどアップで映る。いったい何を見させられているんだろうと思いつつ、深く考えてはいけないと私は自分に言い聞かせた。

メンバーがステージに戻ってくると、アンジェリーナ1/3が”次のミッションは全員でジャンプだぁ~!”と言って、新曲「リバースサイコロジー」で観客全員にジャンプを強要。4分ほどジャンプをすると、KOGAが”さすがに長くない!? みんな死にそうな顔してんじゃん!”とツッコミ。しかし鬼教官のアンジェリーナ1/3は観客に”なんでちゃんと飛ばねぇんだよ!”と檄を飛ばす。観客が心の中で”飛んでるわ!”と叫ぶが、彼女の言い分としては、つま先を地面につけたまま踵を上げ下げしているのはジャンプではない、と言う。もはやカツアゲと同じ理屈だ。再びジャンプの時間が続きヘロヘロになっていると、今度は「WINNER」でメンバーと観客全員で曲が終わるまで腿上げをすることに。もはや我々に弱音を吐くことは許されない。曲が終わりを迎えるタイミングでステージにゴールテープが用意されて、演奏終了とともにテープを切るアンジェリーナ1/3。”ありがとう! みんなもよくやったよ!”と謎の達成感を会場みんなで噛み締めた。

そんななか、TOMO-ZOが”みんなぁ~、疲れてるよね? 大丈夫ぅ~? でも安心して! 私がビームを出してあげる~♡”と耳を疑うことを口にする。さらに”生きてるといろんなことがあるよねっ!”と言って、メルヘンな音に合わせてミュージカル調の語りを始めた。”ビームの件はどうした!”と言いたいが、彼女はお構いなし。そのままTOMO-ZOが独唱する新曲「マジックアンブレラガール」へ。”初めて私たちのライヴを観る関係者の方々が来ているので、私もヒヤヒヤしながら頑張っております。……では、ビームを出したいと思います”と待望(!?)のTOMO-ZOビームで会場に笑顔が生まれた。

笑いと熱気と感動とカオスを生んだライヴはいよいよラストを迎え、17曲目「I wish I」でこの日一番の見せ場を作り、最大の拍手に包まれて本編が終了。ただ、観客が帰るはずもなく、すぐにアンコールが起きた。改めてメンバーがステージに登場すると、6人を代表してKOGAが観客に言葉を発した。”私たちの存在がみんなの力になれるように。その想いを込めてこの曲を聴いてください”。スクリーンには仲睦まじいメンバーの様子が映っている。そんななか、演奏される「365日」は優しく温かった。

Gacharic Spinとはカッコ良くて、面白くて、感動的で……それらを内包したエンターテイメントなバンドである。この日のワンマンは、それを改めて感じた一夜だった。
初のセルフ・プロデュースで挑んだメジャー5thオリジナル・アルバム。今作からはなとアンジェリーナ1/3(Mic Performer)のツインVo体制となり、曲によってはアンジェリーナ1/3がメインVoを担当。そこには新たなGacharic Spin像が強烈に打ち出されており、驚く人も多いだろう。常に変化して進化し続ける彼女たちの姿にエネルギーを注入されるよう。また、スペイン語と日本語を織り交ぜた「ミライ論争」、メルヘンちっくな雰囲気と攻撃的インスト・パートを盛り込んだ「マジックアンブレラガール」、バラード調の「Days」、童謡風味の合唱コーラスが映え渡る「365日」などバラエティに富んだ楽曲が勢揃い。明暗の感情を吐き出したリアルな歌詞にも注目。(荒金 良介)
昨年、アンジェリーナ1/3(Mic Performer)とyuri(Dr)の加入により、はながVo/Gtに変更し、新6人体制(第5期)で挑んだ初のアルバム。驚くのはツイン・ギター編成になったことで、ロック度が強化されている点だろう。また、大村孝佳が作曲アレンジを担当した「起死回生 Forever」、THE BACK HORNの菅波栄純(Gt)が作詞作曲を手掛けた「超えてゆけ」、スウェディッシュ・ソングライティング・チームの提供曲「永久 No mission」の3曲はガチャピンの新たな魅力を引き出しており、作品の振れ幅をグッと広げている。スラップ・ベースが火を吹くヘヴィな「FRUSTRATION」もかっこ良く、ライヴで一段と映えそうな楽曲が収録された好盤と言っていい。 (荒金 良介)
結成10周年を祝したベスト・アルバムは入門編、中級編、上級編の3タイプでリリース。入門編は新メンバー アンジェリーナ1/3(MC)を含む新5人体制で作り上げた新曲「逆境ヒーロー」に加え、メジャー時代の楽曲を収録している。中級編には入門編にプラスして、インディーズ時代の楽曲やライヴ音源を追加。上級編は前述の音源をすべて網羅しつつ、メジャー・デビュー以降のMVが13曲と、これまでリクエストが多かった[“ライバー大宴祭”The Movie]収録のBlu-rayも付属。全曲リマスタリングが施され、ファンにはたまらない内容になっている。その中でも注目は「逆境ヒーロー」だろう。彼女たちの熱い意志が漲る楽曲で、聴く者を鼓舞する歌詞に多くの人が勇気づけられるに違いない。ジャケも秀逸。(荒金 良介)
今までありそうでなかった曲も入れられたのは、セルフ・プロデュースの強み――聴きどころ満載のめちゃくちゃいいアルバムになった
“最高最強”と名高い第5期本格始動となるニュー・アルバム完成!
ピンチを進化に繋げたGacharic Spin――10年間の歩みを封印した濃厚ベストが完成
2022.07.02 @豊洲PIT
2022.01.10 @Zepp Haneda(TOKYO)
2018.04.15 @TOKYO DOME CITY HALL
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Skream! 2022年07月号

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