Mrs. GREEN APPLE | Skream! インタビュー 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト – Skream!

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INTERVIEW
Japanese
2022年07月号掲載
メンバー:大森 元貴(Vo/Gt) 若井 滉斗(Gt) 藤澤 涼架(Key)
インタビュアー:石角 友香
1年8ヶ月の沈黙を破ったフェーズ2を告げる新曲「ニュー・マイ・ノーマル」で、これまでのMrs. GREEN APPLEと変わったところ、変わらないところを明快に表現。さらにモダンにアップデートしたミセス(Mrs. GREEN APPLE)流ファンク「ダンスホール」、そして昨年「ヨワネハキ feat. 和ぬか, asmi」(MAISONdes)でブレイクしたasmiをフィーチャリングした「ブルーアンビエンス(feat. asmi)」も先行配信中だが、メジャー・デビュー日である7月8日リリースのミニ・アルバム『Unity』には外に開かれた楽曲のみならず、大森元貴の内面に潜ったシリアスな側面もしっかり刻まれている。大いなるインプットを得たうえで、これまでに培われたマインドも窺える新作に至る日々、そして新曲たちに込められたアイディアやスタンスを語ってくれた。
-フェーズ2の始まりはいつ頃から具体的な構想が始まったんですか?
大森:話す順序が難しいけど、フェーズ2自体は去年の下半期ぐらいから、ちゃんと2022年に始めましょうっていうのを決めたよね?

藤澤:そうだね。

大森:でも去年の夏の段階だと、まだ2022年の何月だっていう話は決まってなかったんで、はっきりと決まったのは去年末。
-まさに前回のツアー・ファイナル(”Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR / エデンの園”)以降、コロナ禍が本格化して、いろんなアーティストが、活動の中で逡巡があったと思うんですが、こういうときだからこそ吸収できたり気づいたりしたことってありましたか?
大森:一貫してですね、特にふたり(若井、藤澤)はなんですけど、1年ちょっと楽器をまったく触ってなかったんですよ。

若井&藤澤:(笑)

大森:まず休止の話を時系列的にすると、僕が2018年ぐらいに、もうインプットとアウトプットがちょっと追いつかないし、ミセスのためにも僕自身の心身の疲弊的にも1回休みが欲しいって話をまずして。アリーナが決まってるからっていうことで2020年の2月まで走りきるっていうことを決めて。世間的には7月に休止って言ってたんですが、僕らとしてはライヴが終わってすぐ休止だったんで、もう2年以上にはなるんですけど。そういう時系列があるなかで、休止の捉え方が違ったというか、僕は僕自身が休みたいって言ったんで休養。ふたりは言われちゃった側なので、おのおのきっといろいろ思ってくれてか、鍛錬の期間にしようっていうふうに考えてくれて。僕とふたりで休止の考えにちょっと差があるっていうのはまず大前提としてあるんだよね。

藤澤:はい。

大森:で、どうでした? 過ごし方って。

藤澤:活動休止に入って僕と若井は、海外でそれぞれの担当楽器のことを改めてイチから学ぼうとしていたんですが、コロナによるパンデミックがあって白紙になって。ただおっしゃるように、この期間だからこそできることもあるよなってことで、自分自身を見つめ直す期間にしていこうって話をしたんです。元貴は元貴で今回のこの休止というのは自分の中で意味があると思うし、僕らは僕らで、なんか成長できることがあるよねってことでコロナが一時期ちょっと落ち着いたときに、共同生活を始めて。自分自身ともそうだしメンバー同士も向き合う期間というか、自分たちの内側と向き合う時間はいっぱい取っていた気がしますね。
-楽器を触ってなかった時期っていうのは重なるんですか?
若井&藤澤:そうですね。
-何をしてたんですか?
大森:面白かったよね(笑)。
-え(笑)?
大森:ダンスとか、僕はソロでちょっと早めにお披露目してるんですけど、別に僕が特別にやったっていうよりかは全員でダンスの先生についてもらって、表現の一環としてちゃんと学ぼうっていうことで、ダンスをやらせてもらったりとか、あとボディメイクというかトレーナーさんについてもらったりして。あとふたりは他にもいろいろとやってたよね。

藤澤:1日のスケジュールをきっちり組んで、みたいな。

大森:いろいろ勉強してたよね。とてもインプットしてるなって傍から見て僕は思ってました。
-ダンスとかボディメイクっていうのはもちろん、表現者としても役に立つし、人として健やかに生きていくためにもしたほうがいいと。
大森:本当にその通りですね。デビューとか結成のときからずっと怒濤のように、ありがたいことに活動させてもらったんで。1回サイクルからちょっと離れてみるっていうのがとても大事な時間だったと思うし。今良くも悪くも次があるっていう言い方になっちゃったけど、間に合わせになっちゃわないギリギリのところで、ずっとヒリヒリしながら活動してたので。フェーズ1は、絶対に付け焼き刃にはしたくないっていう想いのもと活動していたじゃない?

藤澤:そうだね。

大森:今自分らに必要なものとか、次何が必要なのかとかまったく考えないで、今やりたいこととはなんなのか? みたいなナチュラルなマインドの中で、僕もそうだし、傍から見ていてふたりも過ごしていたのではないかなと個人的に思ったりはしてます。
-でもコロナとかじゃなかったら海外に行けていたわけで。
大森:チケットを取って、来週行ってくるねみたいな話をしてたんですよ。イギリスでギタリストの付き人をするとか、ニューヨークでジャズ・ピアノをちゃんと学びに行くとか、もうそこらへんまでかっちり決まってたのに、そういうのが全部白紙になっちゃったので。

藤澤:180°転換して楽器弾かない1年半(笑)。
-180°違うことに全振りしたわけですね。
若井:完全に振り切りました。
-なるほど。それはもう明らかですよね。「ニュー・マイ・ノーマル」のMVとか観たらわかることだし。「ニュー・マイ・ノーマル」がフェーズ2の開幕1曲目って感じになりましたけど、タイトルからして時代っていう感じするじゃないですか。
大森:”ニュー・ノーマル”という言葉に”マイ”をつけてってことですよね。はい。

-なぜこの曲を1曲目にしたんでしょうか。
大森:2年間休んでまったくミセスから離れていると、自分がミセスだっていう実感がだんだんわかんなくなってくる、もうかけ離れていっちゃったわけですよね。ふたりもそうだと思うんだけど。でも休止中にストリーミング総再生回数が20億回行きましたとか連絡がきて、ミセスが自分の知らないところで、自分ごとのように思えないぐらいのとこまで育っているというのはすごく不思議な感覚で。それでちょっと引きの目でミセスを見れるようになっちゃったっていうのもあったんです。僕が作るはずなのに次のミセスの新曲復帰一発目ってどんな曲なんだろう? と、僕が楽しみになっちゃうみたいな。そういう初めての感情の中で、どんな曲を一発目にしたらバンド編成が変わったこととか、なぜ2年休んだのかとかが曲として伝わるんだろうってところが入口でしたね。だから闘志とか、これからの期待ってよりも今までとこれからへの感謝というか、地に足がついた楽曲を作らないと、きっと届かないものになっちゃうなと思ったんです。誰に聴かせても恥ずかしくない曲を作りたいと思ったんで、”ニュー・マイ・ノーマル”ってタイトルを付けましたね。
-フラットな印象を言うとすごいミセス節じゃないですか。
大森:ははは! 嬉しい。
-特にサビとかサビへの飛翔とか。いろんなものがブラッシュアップされているんですけど、でもミセスっていったらこういう曲でしょ、と。
大森:うんうんうん。僕らもミセスっぽさというか、ミセスだったらこれでしょってのがわかるようになったんです。だから、変わんなきゃいけないことも、順応しなきゃいけないことも疲弊するぐらいたくさんあるけど、変わらないところもちゃんとあるんだよっていうのを伝えるには、こういう曲じゃないといけなかったんだろうなとは思いますね。
-加えて、楽曲の展開が深みを増すというか、後半の間奏の若井さんのギターとかめちゃめちゃマシンガン・ギターだし。
大森:そこのやりとりがかなりマシンガンですよね。

若井:今回のソロは涼ちゃん(藤澤)と僕が任せてもらって、”考えてみて”って言われて、それぞれが10パターンぐらい考えて。

藤澤:お互いに考えては更新し合って、ずっとやりとりして。

若井:この2年間を経て、やっぱりギター・スタイルとかキーボード・スタイルもちょっと変わっていって、新しいフレーズみたいなことも考えてできたんで、すごく面白かったです。
-変わらないところもあって変わったところがあるっていうか、それがこう1曲にパッケージされてて。
大森:あぁ、良かったー。もう、そういうものですよね。ミセスがとかバンドがとかじゃなくて、このコロナっていう2年間も然りですけど、特定のことに限らず、生きてるっていうか生活してればみんなそういうこともあるよなっていう出来事が僕らはバンドとして起こっただけで。だから普通に生きていたらとか、生活していたらみなさん引っ掛かるところがあるんじゃないかなとは思いますね。バンドが云々、ミセスが云々じゃなくて。
-”変われないところだけを今は数えてしまう”って歌詞がすごく印象的です。
大森:うん。風貌も変わりつつバンド編成も変わりつつ、いろいろ自由度が増しているアレンジなのに、こういう歌詞があるのが僕だし、ミセスなんだろうなって。離れてみて結局そこに行き着くっていうのも僕にとっては気づきになったし。
-「ダンスホール」ももう世に出ているのですが、ベタなことを言うとハイパーなSILK SONICみたいな印象を受けました。これはどういうところからできました?
大森:朝の情報番組(“めざまし8”)のテーマ曲ということで、朝から聴いて気持ちも盛り上がりたいんだけど、嫌みのない無責任なポップスみたいなものを歌いたくないなっていうところで、そういうバランスを取るとこから始まりましたね。大丈夫って言いつつも絶対大丈夫じゃないわけで、情勢は。でもそのなかでも大丈夫って言おうみたいな。そういうただ大丈夫ってニュアンスじゃなくて、考え方ひとつで世界は彩れるってところとか、いかに自分を騙して奮い立たせて歩いて行くかみたいなところに、シニカルな部分を上手いこと混ぜられるといいなと思って作っていきましたね。

-それでもやはり、なんとかなる、大丈夫っていうニュアンスはミセスとしては珍しい。
大森:うん。たしかに、はっきりここまでそう言ってるのって珍しいかも。ずっと歌詞に出てくるのは初めてかもしれないですね。
-そう思います。そしてアンビエンスというか、音像がいろんなものを詰め込んで楽しくするというよりはすっきりしてるなと。
藤澤:そうかも。

大森:たしかに。「ニュー・マイ・ノーマル」とかはわりと入れ込んでる感じがあるけど、「ダンスホール」はわかりやすくファンクに振ったというか。ただそのファンクの音像を往年の感じってよりかは昨今の音像にというか、モダンな感じに仕上げるために考えた感じですけど、構成自体はすごくシンプルで。
-若井さんのカッティングとかもすごく明快ですし。楽器触ってない時期が逆にそうさせたんですか?
若井:それこそダンスとかで培ったリズム感だったりとか、そういうノリが生かされた曲かなと。

大森:久々に何も楽器触らずにみんなで初めてスタジオ入ったときにうまくなってるみたいな。

若井:まさかの(笑)。

大森:本当面白くて。だからちょっとこう、生きてるのかもね。
『Variety』から7年。同作と対になる部分も散見されるフェーズ2の1作目。サビへの飛翔やビート感にらしさを窺わせながら間奏で若井滉斗(Gt)、藤澤涼架(Key)共にブラッシュアップしたリフの応酬を聴かせる「ニュー・マイ・ノーマル」、ホーン・アレンジやカウンター・コーラスやギター・カッティングが鮮やかな「ダンスホール」、高速BPMでasmiとスリリングな掛け合いをする「ブルーアンビエンス」、アトモスフェリックなSEがモダンな印象を添えながら、幹になるバンド・サウンドは骨太な「君を知らない」、「インフェルノ」を洗練させたようなソリッドなマイナー・チューン「延々」、90年代的なピアノ・バラードに大森元貴(Vo/Gt)の本音が刻まれた「Part of me」。再開に相応しい6つの表明と言えそうだ。(石角 友香)
日本のミレニアルズ~Z世代の不安と理想を映し出しつつ半歩先を走ってきたミセス、結成からの7年を集約。初期の高速BPM且つ情報量の多い「StaRt」や「Speaking」。人間としての成長がおおらかなサウンド・プロダクションに着地した「どこかで日は昇る」、音楽のエンターテイメント性を積載した「Love me, Love you」。ミセスがミセスたる所以とも言える、人の摂理や矛盾にフォーカスする「パブリック」と「アウフヘーベン」という一対の曲。さらに、生身の音を聴かせる新曲「アボイドノート」。初作品収録で今回再録した「スターダム」が冒頭を飾り、ラストにまったくの新曲「Theater」を配置したことにも注目。バンドという概念を更新し続けてきた、”フェーズ1″を凝縮した初ベストだ。(石角 友香)
オーケストレーションやエレクトロ、R&Bなどウィングを前作で広げ、そもそもミセスがどんな態度=Attitudeで音楽を奏でているかを証明するかのようなアルバム。ギター・ロック成分に驚いた「インフェルノ」やエクストリームな「Ke-Mo Sah-Bee」、より素直なギター・ロック「嘘じゃないよ」、ロマ風の弦のアレンジと日本語に聴こえないAメロがユニークな「Viking」、ヴォードヴィル的な華やかさの中にQUEENを想起させる大仰な転調が盛り込まれた「lovin’」。展開の多さでは「ロマンチシズム」も共通するニュアンスが。また、大森元貴の歌と藤澤涼架のピアノのみで展開する「Circle」のシンプル故の個性。そして、ありのままを定着させた理由は楽曲「Attitude」で確かめてほしい。(石角 友香)
2019年第2弾シングルは資生堂”SEA BREEZE”のCMへの書き下ろし。が、CMで流れるパンキッシュなブロックの次にキモになる”愛を愛し”という威風堂々としたサビが登場する。そのあともめくるめく展開を見せるあたりが『ENSEMBLE』以降の曲構成といった印象。加えてラヴ・ソングにも取れるが、根っこには倫理観がしっかり根を張っているのは大森元貴(Vo/Gt)らしい。「How-to」はアグレッシヴなエレクトロとエッジの効いたギター・リフ、トリガー的なドラム・フレーズが拮抗する仕上がりが痛快だ。そして「月とアネモネ」は2014年にすでにあった曲を今回完成させたもの。キメの複雑なポスト・ロック的なパートや大森と山中綾華(Dr)のAOR的なデュエットも聴きどころだ。(石角 友香)
2019年第1弾リリースは、大森元貴(Vo/Gt)が”勝負やスポーツに対して曲を書いたことがない”なかで、彼ならではのスタンスで”第97回全国高校サッカー選手権大会”のために書き下ろしたナンバー。そのタイトルが”僕のこと”なのは、自分がどう生きているかを歌うことでしか、エールを送ることができないという意味なのではないだろうか。静かな歌い出しから、ストリングスやホーンも加わったスケールの大きなサウンドが立ち上がるアレンジは、顔を上げると仲間やライバルのいるスタジアムを想起させ、ラストは静かに閉じる。見事な構成だ。アッパーななかに切なさが溢れるミセス節と言えそうな「灯火」、サンプリング的な感覚を生で演奏し、ピアノが存在感を示す「Folktale」も新章を示唆している。(石角 友香)
ミセスが3rdアルバム『ENSEMBLE』からわずか3ヶ月半でニュー・シングルをリリース。本作では、久々にバンド・サウンドに回帰している。映画”青夏 きみに恋した30日”の主題歌として書き下ろした表題曲は、疾走感溢れるアッパー・チューンで、同映画の挿入歌「点描の唄(feat.井上苑子)」は、しっとりとしたデュエット・ソング。3曲続けて聴くと「ア・プリオリ」だけが異色に感じられなくもないが、前2曲が体現する夏および青春特有の儚い煌きは、大森元貴(Vo/Gt)に”ア・プリオリ”な視点があるからこそ描くことができるものだ。尖った曲だけでなく、多くの人に対して開かれた曲の中でここまで彼らが裸になれたのは、今回が初めてではないだろうか。(蜂須賀 ちなみ)
音楽そのもので夢や希望や理想を表現すること、それがMrs. GREEN APPLEの指標だったと、そもそもの彼らの志向が実現したことに快哉を叫びたくなる。ミュージカルを思わせる「Love me, Love you」に始まり、1曲の中で楽器編成が変わり、ストリングスも含めすべての楽器が歌うような「PARTY」、ヒップホップやビートに新世代ジャズ的な面白さまである「REVERSE」、MONGOL800のキヨサク(Vo/Ba)を迎えた「はじまり feat. キヨサク from MONGOL800」など、多彩を超えて1曲ごとの強度が凄まじい。そこにこれまでのミセス節が残るシングル群やEDMナンバーも加わり、さながら音楽のアミューズメント・パークが出現。なんとも体験的だ。(石角 友香)
前作『WanteD! WanteD!』、そしてデジタル・シングル「WHOO WHOO WHOO」でバンドが表現するEDMの究極まで振り切ったミセス。2018年第1弾はまた異なるベクトルに振り切ってきた。まず表題曲の「Love me, Love you」はホーンが煌びやかで、ダイナミックに展開するミュージカルのようなビッグ・バンド・サウンドに驚く。だが、大森元貴(Vo/Gt)の脳内に広がる希望の世界を表現するために、このサウンドスケープや世界観は必然なのだろう。早くライヴで自由にリアクションしたい曲だ。2曲目の「Log (feat.坂口有望)」はドラマ”僕たちがやりました”のサントラも作曲している注目のキーボーディスト/プロデューサー Kan Sanoとシンガー・ソングライター 坂口有望が参加。また「春愁」も初音源化して収録。(石角 友香)
メジャー・デビュー2年で早くも5枚目のシングルとなる本作。タイトル・チューンの「WanteD! WanteD!」はコミック原作のドラマ・テーマならではの荒唐無稽さもありつつ、”このままでいいのか?”という10代の焦燥感はドラマ”僕たちがやりました”と自然とリンクする内容。大げさに言えばポスト・トゥルースの時代を君はどうやってサバイヴするのか? という命題をエレクトロ・ファンクやモダンなR&BなどUSのトレンドとも符合するタイトなアレンジに昇華したのが新しい。「On My MiND」は随所にデビュー当時からの代表曲「StaRt」をアップデートしたような仕上がりで、過去と今の対比が最もわかるナンバー。加えて大森元貴(Vo/Gt)が中3のときに書き、ついに音源として完成した「光のうた」の明らかな”祈り”のような優しさにも驚かされる。(石角 友香)
ツアー真っ只中のミセスから早くも4作目のシングルが到着。2ndフル・アルバムから「鯨の唄」が新たなスタンダードとして脚光を浴びる今、今回のリード曲「どこかで日は昇る」もスロー・テンポでストリングスが効果的に施されたアレンジなど、”聴かせる”ミセスの真骨頂だが、名曲的なムードに収まり切れないサビでの違和感のある転調や、大森元貴(Vo/Gt)の振り切れるエモーションに彼らの個性を見る。売れない女漫才師が主役の映画”笑う招き猫”主題歌としてもしっくりくる仕上がりだ。打って変わってアッパーで踊れる「スマイロブドリーマ」は、生音とエレクトロニックのいずれもがソリッド且つポップで突き抜けた仕上がり。ビートのアプローチがユニークな「SwitCh」も含め、バンドがどんどんタフになっていく過程を体感できるシングル。(石角 友香)
これまでの10代の壊れやすくて柔らかい心を誰よりも理解し、並走してきたミセスのエモーショナルな部分はもちろん残しながら、より日本のロック・シーンのトレンドに拘泥することなく、純粋にポップ・ミュージックとしての完成度を圧倒的に上げてきた2ndアルバム。プログレッシヴな展開を持つ「絶世生物」での楽器隊の成長、ストリングス・アレンジも決して大仰に聞こえない歌と演奏のダイナミズムが堪能できる「鯨の唄」や「umbrella」、エレクトロ・サウンドでヴォーカルも全編オートチューンのダンサブルな「うブ」、どこか海外ドラマのワンシーンを思わせる「Just a Friend」など、アルバムの中でピーク・ポイントが何度も訪れる。シングル曲「サママ・フェスティバル!」、「In the Morning」も絶妙な流れで配置されている。(石角 友香)
シンセ・ポップの手法を勢いのあるアレンジで消化したサマー・チューン「サママ・フェスティバル!」の明るさから、硬派なメッセージを歌うバンドとしてのMrs. GREEN APPLEの第2章、そんな胸騒ぎがするのが今回の表題曲「In the Morning」だ。よりピアノ・ロック感が増した印象は、他の楽器の音数も曲に必要なものかどうかを吟味したからだろう。楽しいばかりじゃない、むしろちょっとしんどい朝の始まりに、無理矢理笑顔になることなく心を強く前向きに持てる、そんな1曲だ。Track.2の「ツキマシテハ」での思いを言い放つような強い調子の言葉や、ラストの大森元貴(Vo/Gt)の絶唱は表題曲とは対照的だが、対にして聴いてみてほしい。Track.3の「Oz」は寓話的な展開を様々な楽器の打ち込みで膨らませた音像もまさにマジカル。(石角 友香)
白飛びするような夏の光と解像度の高い情景が、”サママママ・フェスティバル!”という若干突拍子もない歌い出しとともに、すごいスピードで描き出されるミセス流の夏曲が登場。シンセ・ポップ寄りのアレンジだが、スピード感は加速した印象。加えて、シングルでは各々独立した濃い意味合いを持つ楽曲を収録するというスタンスから、ピアノや弦楽四重奏が効果的に配置された「umbrella」は、大森がいつかのライヴで話していた”音楽を作らずにはいられないが、作ることによって苦しみもする”という心情がうかがえる。もう1曲はライヴでも場面転換的な曲として人気の「ノニサクウタ」が音源化。ミセスの特徴のひとつである”音楽隊”としての魅力を表現した、オーガニックなアンサンブルが楽しめる。(石角 友香)
テクニカル且つ踊れるビートのTrack.1「愛情と矛先」や先行シングルのTrack.2「Speaking」で鮮やかに聴き手を受容。そしてライヴのラストなど重要な位置で演奏してきたTrack.3「パブリック」もついに音源化したことから、今のミセスの覚悟が窺える。また、スローなピアノ・バラードに明確に舵を切ったTrack.6「私」の新鮮さ、ミセス流のグランジとも言えるTrack.8「ミスカサズ」のヘヴィネスとソリッドさなど、美しさも黒い感情も振り切ったサウンド・プロダクションで表現。明るくスタートし、徐々に内面に潜り、終盤では未来を見据えるような前向きなニュアンスが訪れるという”体験型”のアルバム構成だ。テン年代ロックの未来を19歳の大森元貴という才能が描いたという意味でも記念碑的。(石角 友香)
空気を読めるようになるとか、SNS上で尖った言葉にも傷つかないように殻を作ることは本当の強さだろうか。シンセや同期が鮮やかに弾けると同時にこれまで以上に重心の低い太いベース・ラインが心臓が脈打つような印象を残し、サビの”僕には話してよ”から繋がるラテン・テイストなコーラスも相まって、大森元貴(Vo/Gt)の”届け、気づけ”という祈りは音楽的にとてつもない情報量をまとったキャッチーさへ昇華されている。メジャー1stシングルとしてもミセスの声明としても最強だ。Track.2「恋と吟(うた)」は曲作りを始めたころの楽曲で、思いの吐き出し先が音楽にしかない苦しさと表現者の宿命すら感じさせる切実さも。Track.3「えほん」は絵本を通じて無償の愛に包まれたころの記憶と自分もそれを持ち得る微かな光が見える。(石角 友香)
遊園地もしくは高速チェンバー・ポップなTrack.1「StaRt」は些細なことでも幸せと気づけないんならスタートに戻ろうという、ミセスの所信表明。続く「リスキーゲーム」は最も古い曲ながら3度目のRECで最新型に。深い海の底に沈むようなイントロが孤独という本質と”Love Person”の存在を示唆する「L.P」。”鈍感vs繊細”という単純な図式に回収できない自分の命の濃さに翻弄されるような「VIP」、ボロボロになった気持ちにそっと毛布をかけてくれるような「ゼンマイ」、そして”こんな世界を未だ憎めないのは何故か”という歌詞の一節をリスナー自身で見つけるようにラストに用意されている「道徳と皿」の平熱のポジティヴィティ。避けては通れないリアルな心情を変幻自在なポップ・ソングに結晶させた新たな世代の1枚。(石角 友香)
家族、恋人、友人、同僚、クラスメイト、その他数え切れないほどの人、人、人。不特定多数の人との繋がりの中で傷つき、転がり、そして救われていくことで自分がやっと見えてくる。感情を共有するから喜怒哀楽が生まれる。Mrs. GREEN APPLEは、初の全国流通盤となる今作でそういった大切なことを歌った。作詞/作曲/編曲すべてを手がける18歳のフロントマン大森元貴の鋭いアンテナでキャッチされた混沌とした不安や孤独、敏感な心で感じる大切な人への願いは、5人の眩しい衝動によってすべて音に刷り込まれている。「WaLL FloWeR」で歌われる”素晴らしいと思えるように醜いと思ってみよう”という言葉の通り、肯定する強さを持った彼らの音は燦々と眩しく光っている。(齋藤 日穂)
バンドが人と連なるってこういうことだなと思うし、それをあえて”Unity”と呼ぶっていうのがこの作品だったんです
ミセスの核を今再び伝えるための姿勢=アティテュードそのものの4thアルバム
何が音楽的なのか考えたとき、この5人でしか鳴らせないアンサンブルを突き詰めることなのかな? と思ったんです。
肯定するような言葉がシングルでは続いてきたけど、今回は”ほんとにそれでいいの?”っていう内容のシングルだと思う
いい映画だし、いい曲を書くのは大前提で、ただの”いい曲”では終わりたくなかった
邦ロックがどうとかじゃなく、自分たちが思う音楽の自由なあり方を提示したかった
「In the Morning」は聴く人を信じて委ねる、今までになかったちょっと大きな曲
難しいことをやってるわけじゃないから、より自分たちの色が濃く出たと思う
アルバム1枚で”12個のコンセプトを歌う”――その濃度の意味
自分たちがいいと思ったものを際限なく取り入れているバンドが織りなすイベントになりそう(甲斐一斗)
より多くの人に聴いてもらいたいという意味で ロック・バンドの概念やプライドがないんです
“出会い”から喜びも悲しみも生まれるけど、悲しみに目を向けるのではなく喜びに目を向けたい
時代を映しながら普遍性も追い求めたバンド・シーンのトップ・ランカー、"フェーズ1完結"にして初のベスト・アルバム『5』の意義
ミセスの核を再び伝えるニュー・アルバム 『Attitude』に至るまでの軌跡 2…
2022.07.08 @ぴあアリーナMM
2020.02.16 @国立代々木競技場 第一体育館
2018.09.08 @幕張メッセ国際展示場
2017.05.19 @東京国際フォーラム ホールA
2016.04.10 @赤坂BLITZ
2015.12.24 @LIQUIDROOM ebisu
2015.12.06 @代官山UNIT
2015.09.26 @渋谷WWW
2015.07.20 @Shibuya eggman
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Skream! 2022年07月号
26時のマスカレイドの"26時の音楽図鑑"
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