【全曲動画付】ベスト・クリスマス・ソング50曲:洋楽の名曲たち – https://www.udiscovermusic.com/

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言い古されたことではありながら、クリスマスは一年にたった一度しか巡って来ない。けれどそれは実に多くの、真に時代を超えたこの季節の数々の名曲を生み出すきっかけとなっている。そんな中から選りすぐりの決定版となるクリスマスのヒット曲リストを作ることは、サンタクロース本人にとっても酷な要求になるだろうが、こちらが我々の考える最高のクリスマス・ソング50曲である。
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いわゆるノヴェルティ(変わり種)・ソングでありながら、 「The Chipmunk Song (Christmas Don’t Be Late)」はこの手の大半の曲と比べてかなり寿命が長い。ロス・バグダサリアンSr.(当時の芸名はデヴィッド・セヴィル)が1958年に書いたこの曲は、この頃としては革新的なスタジオ技術を模索する中で、ヴォーカルを様々なテープ・スピードで録音することでハイピッチな“チップマンク”・ヴォイスを作り出すという発想から生まれた。したがって、ヴォーカル・クレジットはセヴィルのアニメ版バンドであるザ・チップマンクスとなっているが、1958年のグラミー賞で“最優秀コメディ・パフォーマンス”、“最優秀児童向けレコード”、そして“最優秀エンジニアリング・レコード(非クラシック)”の3部門を手にしたのは彼らの創造主だった。
 
「You’re A Mean One, Mr Grinch」は1966年、スース博士(オドア・スース・ガイゼル、アメリカの高名な作家・挿絵画家で子供向け絵本も多数手掛けた)による児童書を原作としたスペシャル・アニメ番組『How The Grinch Stole Christmas!』のために書かれた。歌っているのは、この記事の読者の中でもある程度の年齢の方々なら、ケロッグ・コーン・フレークのアニメ版スポークスマン、トニー・ザ・タイガーの陽気な声で慣れ親しんでいるかもしれないサール・レイブンズクロフトなのだが、番組のエンド・クレジットで彼の名前が入っていなかったために、この曲のヴォーカルはしばしば、この番組でナレーションとグリンチの役の両方を務めていたボリス・カーロフによるものと誤認されることがある。
 
長く親しまれているクリスマスの名曲ではありながら、実はフランク・シナトラが共作者としても名を連ねている 「Mistletoe And Holly」が1957年にキャピトルからリリースされた当時は、チャートをかすりもせずに終わった。この曲はシナトラにとっての最初のホリデイ・アルバムとなった『A Jolly Christmas From Frank Sinatra』でフィーチャーされ、以来ジャック・ジョーンズやチャーリー・バードらのカヴァーのおかげもあって、長くこの季節の定番ソングとなっている。
 
ニール・ダイアモンドの3作目のクリスマス・アルバム『A Cherry Cherry Christmas』は2009年10月にリリースされた。オープニングを飾るのは書き下ろしのタイトル・トラックで、歌詞の中にはニール・ダイアモンド初期のヒット曲「Song Sung Blue」と重なるフレーズも含まれており、この季節の定番曲としてこれから先も長く親しまれるであろう要素が詰まっている。このアルバムには、その他にもアダム・サンドラーの 「The Chanukah Song」のカヴァーも収録しているのだが、この曲をレコーディングした理由について彼は、「世の中にはこんなに沢山の素晴らしいクリスマス・ソングが溢れているのに、ハヌカー(ユダヤ教における宮清めの祭)を歌った曲はほとんどないからさ」と明かしている。
 
「赤鼻のトナカイ」や「Rockin’ Around The Christmas Tree」で知られるジョニー・マークスが作曲を手掛けたチャック・ベリーの「Run, Rudolph, Run」は、自身のヒット曲「Little Queenie」に酷似しているが、そこにクリスマス特有の歓喜の要素が加えられ。曲自体は大きなヒットを記録することはなかったが(全米シングル・チャートで最高位69位)、後にキース・リチャーズ、レイナード・スキナード、ビリー・アイドル、ルル、そしてマンチェスター出身のグラム・パンク・バンド、スローター&ザ・ドッグスら、多くのアーティストたちにカヴァーされ、世間に知られる曲となった。
 
アメリカの作曲家でフルート奏者のメレディス・ウィルソンが1951年に書いた「It’s Beginning To Look A Lot Like Christmas」は、以来数多くのアーティストたちによってレコーディングされているが、元々は同年にペリー・コモがリリースしたヒット曲であり、ビング・クロスビーによるカヴァーも高く評価された
高名なカナダ人歌手、マイケル・ブーブレによるヴァージョンは、彼の2011年のアルバム『Christmas』に収録されており、今作はリリース直後に全米アルバム・チャートのトップに輝いた。
 
現代版クリスマス・ソングとして定番になりつつある、レゲエ調の「Mistletoe」はジャスティン・ビーバーと、この曲のプロデューサー・チームであるナスリ、アダム・メッシンジャーによって共作された曲だ。ジャスティン・ビーバーの生まれ故郷であるカナダでTOP10ヒットとなり、アメリカでも2011年のリリース当時に、全米シングル・チャートでTOP20入りを果たした後、現時点で110万ダウンロードを突破。史上最も売れたクリスマス/ホリデイ・デジタル・シングルの4位にランクインされており、この数字は今も伸び続けている。
 
ジェシー・J がこのサンタの袋一杯のプレゼントに寄せる抒情歌を最初にレコーディングしたのは、2015年のブーツ(英国の有名ドラッグストア)のクリスマス広告のためだったが、後の2018年に彼女がリリースした初のクリスマス・アルバム『This Christmas Day』にも収録されている。もっともこの曲が最初に世に出たのは1950年代初期のことで、アメリカの多才なジャズ/ポップ・シンガー、ケイ・スターによるヴァージョンは、長年全米の“トップ・クリスマス・ソング”リストの常連だった。
 
ペンタトニックスによる「Mary, Did You Know?」の印象深いヴァージョンは、このアカペラ・グループが2014年に出したサード・アルバム『That’s Christmas To Me』に収録されており、今作は全米アルバム・チャートで最高2位を記録し、アメリカでダブル・プラチナムを獲得した。
イエス・キリストの母メアリーに呼びかけるこの万能のクリスマス・ソングのオリジナルは、クリスチャン・レコーディング・アーティストのマイケル・イングリッシュが1991年に出したデビュー・ソロ・アルバムのためにレコーディングされたもので、以来ラッパーのシーロー・グリーンからカントリー・スターのケニー・ロジャースやウィノナ・ジャッドまで、多種多様なヴァージョンが録音されている。
 
サウンドから受ける印象に反して、1962年リリースされた、実生活でも夫婦のソングライティング・チーム、ノエル・レグニーとグロリア・シェインによる楽曲「Do You Hear What I Hear?」は、あわや核戦争と騒がれたキューバのミサイル危機の最中、平和への希求として誕生した曲だった。
しかしながらこの曲の持つ普遍的なメッセージに感銘を受けたマーキュリー・レコードが、ザ・ハリー・シメオン・クレオール(「Little Drummer Boy」で名を挙げた)にレコーディングさせ、次いで1963年10月に、ビング・クロスビーが自らレコーディングしたヴァージョンがヒット・チャートに送り込まれた。
 
ブライアン・アダムス1985年に発表した最もお馴染みのクリスマス・ナンバー「Christmas Time」は、ブライアン・アダムスと長年のコラボレーターであるジム・ヴァランスとの共作で、彼はこのシングルのB面曲 「Reggae Christma」の作曲も手掛けている。
後者の曲は噂によれば、リンゴ・スターとの偶然の対面に触発されて生まれた曲で、元々は1984年の12月にファンクラブ会員限定でリリースされたものだった。B面には「Plum Pudding」と題して、ブライアン・アダムスと彼のバンドからのクリスマス・メッセージが添えられていたそうだ。
 
「Christmas Time Is Here」はリー・メンデルソンとジャズ・ピアニストのヴィンス・グアラルディとの共作で、1965年、アメリカのネットワークTV放送で最も初期のクリスマス・アニメ特番のひとつとして製作された『A Charlie Brown Christmas』で使用された。
この曲がヒットしたため、アルバム『A Charlie Brown Christmas 』にはヴィンス・グアラルディ・トリオによるインスト・ヴァージョンと、カリフォルニア州サン・ラファエルのセント・ポール監督教会所属の聖歌隊によるヴォーカル・ヴァージョンという、2つのヴァージョンが収録されている。
 
クリスマス・ソングの新種と呼ぶべき2015年のR&B風味の「Santa Tell Me」の中で、アリアナ・グランデ は北極に住むという大男が本当に存在するのかどうかを問いかけ、もし答えがイエスなら、今の恋が単なるクリスマスの間だけで終わるロマンスなのか、それとも本物なのか、アドバイスを求める。あざとさもありながら、洒落ていて、とてもキャッチーなナンバーだ。
 
モータウン調でお祝いムードたっぷりの 「You Make It Feel Like Christmas」は、ノー・ダウトグウェン・ステファニーによるクリスマス・アルバムのタイトル曲だ。カントリー歌手のブレイク・シェルトンとのデュエットで、2017年のクリスマスに合わせてリリースされた。
 
1944年にフランク・ロッサが書いた「Baby It’s Cold Outside」が最初に脚光を浴びたのはその5年後、大ヒット映画『水着の女王(Neptune’s Daughter)』のサウンドトラックでフィーチャーされ、アカデミー賞を受賞した時だった。厳密には祝祭についての歌ではないのだが、冬がテーマの曲として、今やクリスマスのスタンダードになっている。
この名曲デュエットは近年、ヴィンス・ギルとエイミー・グラント、ダリウス・ラッカーとシェリル・クロウら錚々たるアーティストたちによってカヴァーされているが、2014年に録音されたセス・マクファーレンとサラ・バレイジェスによるこのスウィング・ヴァージョンを超えるのはなかなか容易ではないだろう。
 
「Have A Holly Jolly Christmas」というタイトルでも知られる「A Holly Jolly Christmas」は、これまたジョニー・マークスが手掛けたクリスマスの名曲で、最も有名なヴァージョンはアメリカのエンターテイナー、バール・アイヴスが1964年にレコーディングしたものである。
収録アルバムは1965年10月にデッカ・レコードから最初にリリースされた『Have A Holly Jolly Christmas』で、今作には他にもバール・アイヴスによるお馴染みのクリスマス・ソング「赤鼻のトナカイ」が収められている。
 
テンプテーションズによる抒情的なクリスマス聖歌の定番「Silent Night(きよしこの夜)」は、モータウンの大スターだった彼らが、1980年に発表し、幅広い支持を得た2枚目のクリスマス・アルバム『Give Love At Christmas』に収録されている。19世紀のオーストリアで生まれた聖歌の、彼らのよるヴァージョンは、バス・パートのメルヴィン・フランクリンによる「Merry Christmas, from the Temptations!」(「テンプレーションズから、メリー・クリスマス!」)というエンディングのセリフで印象的に締め括られており、以来ホリデイ・シーズンになると決まってR&B系ラジオがこぞってかけるお馴染みの曲となっている。
 
「Little Saint Nick」はブライアン・ウィルソンマイク・ラヴがクリスマスをテーマに、サンタ・クロースと彼のそりについて書いたホット・ロッド・ソングだ。最初にリリースされたのは1963年12月9日で、ビルボード誌がスペシャル・シーズン週間に設けたクリスマス・シングル・チャートにおいて最高3位を記録した。またこの曲はビーチ・ボーイズが1964年11月にリリースした『Beach Boys Christmas Album 』にも収録されており、今作には新曲の他にも「White Christmas」や「Frosty The Snowman」といったスタンダードのカヴァーが収められている。
 
著名なソングライターであるサミー・カーンとジュール・スタインが手掛けた「The Christmas Waltz」は、元々フランク・シナトラのために書かれたもので、彼は新たにカヴァーした「White Christmas」のB面曲として、1954年にこの曲をレコーディングした。
その後、ペギー・リーが1960年にキャピトル・レコードからリリースしたアルバム『Christmas Carousel』でチャーミングなヴァージョンをレコーディングしたのを契機に、ドリス・デイ、ビング・クロスビー、ジョニー・マティス、トニー・ベネットハリー・コニックJr.といったスターたちの手により、色あせないこの曲の魅力と価値は繰り返し証明されている。
 
アメリカのシンガー・ソングライター、ジョシュ・グローバンとカントリー・スターのフェイス・ヒルとのデュエットによる「The First Noël」のカヴァーは、彼が2007年に発表したクリスマス・アルバム『Noël』に収録されており、このアルバムは2008年に北米で最も売れたホリデイ・アルバムとなった。
もっとも、コーンウォール地方にルーツを持つ、トラディショナルな英国のクリスマス・キャロルの定番であるこの曲自体は、一世紀以上にわたって、実に多種多様なパフォーマーたちにカヴァーされ続けており、ことに過去60年間では、フランク・シナトラからザ・ルーヴィン・ブラザーズ、アル・グリーン、チャス&デイヴまでがカヴァーに挑戦している。
 
スティーヴィー・ワンダーの8作目のスタジオ・アルバムであり、彼にとって初のホリデイ・アルバムとなった『Someday At Christmas』がモータウンから最初にリリースされたのは1967年11月のことだった。今作には「Ave Maria」や「Little Drummer Boy」といった祝祭曲のスタンダードのカヴァーなどと共に、新曲も収録されている。そのひとつが全米TOP30に入るヒットを記録し、後にジャクソン5やテンプテーションズ、メアリー・J.ブライジパール・ジャムらにもカヴァーされたこのタイトル・トラックである。
 
元々はオーケストラのための軽快なスタンダードとしてリロイ・アンダーソンが作曲した「Sleigh Ride(そりすべり)」が、初めてヒットチャートを賑わせたのは1950年、ミッチェル・パリッシュが歌詞を付け加え、ジ・アンドリューズ・シスターズがレコーディングした最初のヴォーカル・ヴァージョンだった。
その後はザ・ロネッツやスパイス・ガールズなどもカヴァーしているが、決定版と呼ぶべきヴァージョンはなんといっても1960年のエラ・フィッツジェラルドによる堂々たるテイクだろう。ヴァーヴ・レコードからリリースされた『Ella Wishes You A Swinging Christmas』の数あるハイライト・トラックのひとつとなるこのフル・スタジオ・オーケストラをバックにした録音で指揮を務めているのは、アカデミー賞にもノミネートされたフランク・デヴォルだ。
 
1984年、バンド・エイドのための崇高なる「Do They Know It’s Christmas?’」にボノがヴォーカルで、アダム・クレイトンがベースで参加した当時、U2 のバンド内ではクリスマス・ソングをプレイすることについて意見の対立があった。しかし1987年、後に『Rattle & Hum』のプロデューサーとなるジミー・アイオヴァインが監修を務めたスペシャル・オリンピックス(知的障害者のための国際競技会)向けのチャリティ・アルバム『A Very Special Christmas』に、U2はフィル・スペクターの書いた「Christmas (Baby Please Come Home)」のカヴァーを無償で提供している。
この前年、ダーレン・ラヴが同曲を人気TV番組『Late Show With David Letterman』で披露し(ここから始まった伝統は彼の番組終了まで続いた)、その縁もあってか、彼女は心を掻き立てるようなU2のヴァージョンにバッキング・ヴォーカルとして参加している。
 
1960年、アメリカ人ブルーズ・シンガー兼ピアニストのチャールズ・ブラウンによって最初にレコーディングされた「Please Come Home For Christmas」は、1961年12月に全米シングル・チャート入りを果たし、その後9シーズンにわたってクリスマス・シングル・チャートに顔を出した末、1972年には遂に全米No.1に輝いた。ドン・ヘンリーがリード・ヴォーカルを務める1978年のイーグルスのヴァージョンは、全米チャートで最高18位まで上昇し、1963年のロイ・オービソンの「Pretty Paper」以来初めてTOP20入りを果たしたクリスマス・ソングとなった。
 
スペシャル・オリンピックの支援を目的にA&Mが制作された1992年の『A Very Special Christmas 2』は、クリスマスをテーマにしたコンピレーション・アルバムの2作目で、オープニングを飾るトム・ペティ& ザ・ハートブレイカーズによる書き下ろしの「Christmas All Over Again」は、祝祭ムードに相応しく、どこかバーズを思わせるジャカジャカと賑やかしい曲である。アルバムは北米だけで200万枚を売り上げ、2001年にダブル・プラチナムに認定された。
 
こちらも50年代からクリスマスの定番となっている、ジョーン・デイヴィスとフィリップ・ストリンガーが手掛けた「Santa Baby」は、1953年にアーサ・キットが発表し、大ヒットしたナンバーである。大半の祝祭ソングと比べるとぐっとお気楽な雰囲気のこの曲は、セーブル(クロテン)の毛皮やヨット、ティファニーの装飾品といった煌びやかな贈り物を欲しがっている女性が、サンタクロースに宛てたクリスマスのウィッシュ・リストを冷やかし半分に眺めるという構図だ。
間違いなく長年にわたって愛され続けているクリスマス・ソングのひとつである「Santa Baby」は、アメリカでゴールド・ディスクに認定され、その後もマドンナやカイリー・ミノーグ、アリアナ・グランデらにもカヴァーされている。
 
1943年にビング・クロスビーのオリジナル曲として全米TOP10ヒットとなった、キム・ギャノンとウォルター・ケントの共作による「I’ll Be Home For Christmas」は、元々第二次世界大戦中、クリスマスの時期に故郷に焦がれる海外出征中の兵士たちへ捧げる歌として書かれたものだった。
以来この曲はこの季節のスタンダードとなり、グレン・キャンベルが1968年のアルバム『That Christmas Feeling』の中で哀愁に満ちた歌声で披露しているのに加え、フランク・シナトラ、ジャック・ジョーンズ、コニー・フランシスといった面々もそれぞれのヴァージョンをレコーディングしている。
 
1947年のクリスマス・シーズンに「Merry Christmas Baby」が全米R&Bジュークボックス・チャートで3位に輝いた当時、ジョニー・ムーア率いるスリー・ブレイザーズはアメリカ西海岸屈指の人気ブルーズ・グループだった。この曲のレコーディング・メンバーは、ギタリストのジョニー・ムーアに、シンガー/ピアニストのブラウン、ベーシストのエディ・ウィリアムズ、ギタリストのオスカー・ムーア(ジョニーの弟で、当時はナット・キング・コール・トリオの一員だった)という顔ぶれだった。
永く聴き継がれるヒット曲となった「Merry Christmas Baby」は、チャック・ベリー、オーティス・レディングB.B.キング、エルヴィス・プレスリー、ブルース・スプリングスティーンをはじめ、数多くのアーティストたちによってカヴァーされている。
 
これもまたクリスマス・ナンバーの名手、ジョニー・マークス(バール・アイヴスの「A Holly Jolly Christmas」他)が手掛けた陽気なお祝いソング「Rockin’ Around The Christmas Tree」が最初にレコーディングされたのは1958年、歌手のブレンダ・リーはまだ13歳の時だった。
当時も全米シングル・チャート入りは果たしたものの、真の意味で(現時点での)全米チャートにおける最高位となる9位が記録されたのは2018年のことである。現在はすっかりこの季節のお馴染みとなった「Rockin’ Around The Christmas Tree」は、1990年の大ヒット映画『ホーム・アローン』にも大々的にフィーチャーされている。
 
エルトン・ジョンとバーニー・トーピンによる「Step Into Christmas」が最初にリリースされたのは1973年のことだったが、60年代のフィル・スペクターによるかの有名な“ウォール・オブ・サウンド”に対するオマージュとして、ミキシングの段階で意図的に大量のコンプレッサーが掛けられていた。レコーディングはごく短時間で行なわれたが、この曲にはいつまでも色あせない魅力が宿っており、2017年に再発されると全英チャートで最高11位まで駆け上った。
 
1950年代以降、ずっとこの季節の定番となっている 「(There’s No Place Like) Home For The Holidays」だが、恐らくこの曲はいまだに伝説のクルーナー、ペリー・コモと関連づけて語られることが多いのではないだろうか。彼はこの曲をミッチェル・エアーズ・オーケストラとザ・レイ・チャールズ・シンガーズとの共演で2度レコーディングし、最初のリリースでは1954年に全米シングル・チャートで最高8位を記録している。一方で、カーペンターズがレコーディングした優しげなこのヴァージョンは1984年の『An Old-Fashioned Christmas』に収録されている。
 
プエルトリコ出身のシンガーソングライター、ホセ・フェリシアーノが「Feliz Navidad」を書いたのは1970年で、以来この曲は永くクリスマスのポップ・ソングとして愛され続けている。スペイン語のコーラス部分で、伝統的なクリスマスと新年の挨拶、“Feliz Navidad, próspero año y felicidad”は、訳せば「クリスマスおめでとう、新しい年の幸せと繁栄をお祈りします」となり、英語の歌詞部分の“I wanna wish you a Merry Christmas from the bottom of my heart”(「心の底からあなたにメリー・クリスマスと告げたい」)に込められた真摯な思いは本物だ。「Feliz Navidad」には言語を超えた普遍的な魅力があり、その意味ではアメリカやカナダで、この曲がこの季節に最も頻繁に聴かれる曲となっている事実は驚きに値しないだろう。
 
いつまでも色あせることのないクリスマス・ソングの代表格で、1957年に最初にリリースされたボビー・ヘルムズの「Jingle Bell Rock」は、ジョセフ・カールトン・ビールとジェームズ・ロス・ブースによって書かれたナンバーで、歌詞の中にはビル・ヘイリーの「Rock Around The Clock」といった、50年代に人気を博したヒット曲も登場する。驚いたことに2019年1月、この曲は、1958年に最初にチャート入りを果たしてから、実に60年の時を経て初めて全米シングル・チャートTOP10に食い込んだ。
 
マライア・キャリーにとって、4作目のスタジオ・アルバムにして初のクリスマス・アルバムとなる1994年の『Merry Christmas』からのアップテンポな先行シングル「All I Want For Christmas Is You」は、近年最も売れたクリスマス・ソングで、現在までに1600万枚のセールスを記録している。
また批評家たちからも高い評価が寄せられており、ザ・ニューヨーカー紙はこの曲を「現代のヒット曲の中で数少ない、クリスマスの聖典に加える価値のある楽曲のひとつ」と位置づけている。
 
クイーンによる祝祭の歓びを歌った、感動的な「Thank God It’s Christmas」は、リード・ギタリストのブライアン・メイとドラマーのロジャー・テイラーによる共作である。1984年11月26日にリリースされたこの曲は、クリスマスと新年にまたがる6週間にわたって全英チャートにランクインし、最高21位を記録した。
アルバムとしては、後に1999年の『Greatest Hits III』にのみに収録されていたが、2011年にリマスタリングされたアルバム『The Works』のデラックス・エディションの中にボーナスEPとして同梱されている。
 
いささか込み入った背景を持つクリスマス・ソング、「The Little Drummer Boy」は、元々1941年にアメリカのクラシック音楽の作曲家、キャスリーン・ケニコット・デイヴィスにより、“ドラムのキャロル”として書かれた曲だった。最初にレコーディングしたのは1951年のザ・トラップ・ファミリー(かの『サウンド・オブ・ミュージック』で名を馳せた)だったが、この曲が広く世間に知れ渡り、幅広い人気を得たのは、1958年に作曲家/指揮者のハリー・シメオンの手で「The Little Drummer Boy」として新たなアレンジが施されて以降のことである。
対位旋律のハーモニーと歌詞が追加されたこの曲を、デヴィッド・ボウイとビング・クロスビーが1982年に 「The Little Drummer Boy/Peace On Earth」として取り上げたヴァージョンは、ヨーロッパで大ヒットを記録した。
 
1946年に初めて(ただし一年に2度)、更に1953年、そして最後は1961年に、ラルフ・カーマイケルの指揮するオーケストラと共にレコーディングされた「The Christmas Song (Merry Christmas)」は、今も世界中で広く認められているクリスマス・ソングの鉄板曲のひとつだ。皮肉なことに、作者であるボブ・シェルズとメル・トーメがこの曲を書いたのは、うだるような夏の盛りだったそうだが。
 
フェリックス・バーナードとリチャード・B.スミスという2人の作曲家が「Winter Wonderland」を共作したのは1934年で、以来この曲はクリスマスのスタンダードとなり、実に200以上のカヴァー・ヴァージョンを生み出している。
中でも史上最高のクリスマス・ソングという評価を得ているのは、トニー・ベネットとレディー・ガガによる活気に満ちたヴァージョンで、この曲は2人が全米No.1を獲得した2014年ジャズ・スタンダード・アルバム『Cheek To Cheek』の発売から間もない時期に、単曲としてリリースしたシングルである。
 
ザ・ムーヴの主要メンバーであり、ELOの結成メンバーでもあったことを踏まえてみれば、ロイ・ウッドが相当なキャリアの持ち主があることは言わずもがなだろう。そんなロイ・ウッドは、グラム・ロック・バンドのウィザードでレコーディングした、アンセミックな「I Wish It Could Be Christmas Everyday」のおかげで、クリスマスにおいても優れた実績を誇っている。
この曲が最初にリリースされたのは1973年12月で、全英チャートを一気に第4位まで駆け上がったものの、惜しくもその年のクリスマス週のNo.1の座は、同じくらいに記憶に残るスレイドの「Merry Xmas Everybody」に奪われてしまった。しかし、それ以来、「I Wish It Could Be Christmas Everyday」は英国文化の一部となり、2012年の12月にITVが放送した『The Nation’s Favourite Christmas Song(英国のお気に入りクリスマス・ソング)』の投票では、「Fairytale Of New York」に次ぐ2位に選出された。
 
ジョン・フレデリック・クーツとヘイヴン・ギレスピーによる息の長い名曲「Santa Claus Is Comin’ To Town(サンタが街にやってくる)」が最初にレコーディングされたのは1934年で、以来ビング・クロスビーからジ・アンドリューズ・シスターズ、ブルース・スプリングスティーン、そしてマライア・キャリーまで、この曲は何世代にもわたって歌い継がれてきた。ジャクソン5のゴキゲンなヴァージョンが最初に世に出たのはベストセラー・アルバム『Jackson 5 Christmas Album』がリリースされた1970年だった。
 
1979年にリリースされたオリジナル・ヴァージョンで全英TOP10ヒットを記録していた「Wonderful Christmastime」は、今やすっかりこの季節の定番となりつつある。この曲はいまだに毎年この時期になるとラジオで大量にオンエアされ、またダイアナ・ロス、ジミー・バフェット、デミ・ロバートにザ・シンズと、実に多様なアーティストたちにカヴァーされているのも興味深い。
 
歌詞の中に登場する、愛する人と共に過ごす時間や、子供たちのそり遊び、暖炉で焼くマシュマロといった、いかにも祝祭らしい情景からも「It’s The Most Wonderful Time Of The Year」は間違いなく正統派な、クリスマス・ソングのお手本とも言えるナンバーだろう。
さらに興味深いことに、この曲は、プラチナム・セールス記録した『The Andy Williams Christmas Album』からの代表曲として広く知られていながら、今作が発売された1963年当時、元々プロモーション用シングルに選ばれていたのは、グラミー賞受賞歴を誇るアンディ・ウィリアムズによる「White Christmas」のカヴァーだった。
 
ビリー・ヘイズとジェイ・W.ジョンストンの共作による、哀愁漂う「Blue Christmas」は、ドーイ・オデルによって最初にレコーディングされ、その後カントリー界のパイオニア、アーネスト・タブがオリジナリティ溢れるヴァージョンを発表した。
しかしながら、エルヴィス・プレスリーがこの曲を1957年の『Elvis’ Christmas Album』のためにレコーディングしたことで「Blue Christmas」はロックンロール・クリスマス・クラシックとして不動の地位を手に入れることとなる。このアルバムは現在までに2,000万枚を売り上げ、最も売れたクリスマス・アルバムの世界記録を保持し続けているのである。
 
この長く歌い継がれている陽気な祝祭の歌は、1945年にRCAビクターのスタジオでヴォーン・モンローによってレコーディングされ、翌年1月末の全米ベストセラー・ミュージック・チャートでNo.1に輝くと、2月の末までその座を維持した。
ウディ・ハーマンによる甲乙付け難いヴァージョンも全米チャートで最高7位まで上昇したが、この曲の決定版としてしばしば挙げられるのは、偉大なるクルーナー、ディーン・マーティンが1959年のアルバム『A Winter Romance』のためにレコーディングしたトラックである。後の1966年にリリースした『The Dean Martin Christmas Album』には、同曲の再録音ヴァージョンが収録されている。
 
1969年3月と5月に企画したベッド・インを皮切りに、ジョン・レノンとヨーコ・オノが繰り広げてきた2年以上にわたる平和運動家としての活動の集大成である「Happy Xmas (War Is Over)」には、反ベトナム戦争のプロテスト・ソングとしての意味合いも込められていた。1972年の全英チャートで初登場でTOP5入りしたこの曲は、ほどなくして時代を超えた最高のクリスマス・ソングの1曲として評判を得ることになる。
 
ボブ・ゲルドフとウルトラヴォックスのミッジ・ユーロが80年代半ばのエチオピア飢饉救済のために書いた「Do They Know It’s Christmas?」には、スティング、フィル・コリンズ、U2のボノら、当代のスターたちがフィーチャーされている。この曲は全英シングル・チャート史上最速のセールス記録で、ウィングスの「Mull Of Kintyre」から1位の座を奪い、1997年にエルトン・ジョンの「Candle In The Windに抜かれるまでその地位を守り続けていた。
 
人が想像し得る限りにおいてこれ以上はないほどにほろ苦いクリスマス・ソングである、ザ・ポーグスとカースティ・マッコールによるケルト・フォーク風ナンバー「Fairytale Of New York」は、歌詞に荒っぽい言葉が使用されている( “You’re a bum, you’re a punk, you’re an old slut on junk”「お前なんかろくでなし、ゴロツキ、ヤク中のふしだら女」)ために、BBCから放送禁止の憂き目に遭ったが、この21世紀においては最も放送頻度の高いクリスマス・ソングとなっている。
歌詞のどこをとっても、唯一無二のバラードの持つパワーは否定のしようがなく、その意味では、1987年のクリスマス週に、ペット・ショップ・ボーイズによる「Always On My Mind」のカヴァーに1位の座を明け渡したことはいまだに不可解としか言いようがない。
 
「Jingle Bells」は今となってはもはやクリスマスと同義とも言える存在かもしれないが、元々1857年にジェームズ・ロード・ピアポントがこの曲を書いた当初は、アメリカの感謝祭シーズンを想定していた。最初にレコーディングしたのは1889年のエディソン・シリンダーで、後にビング・クロスビーやペリー・コモによるヴァージョンがミリオンセラーに輝いたが、1948年のフランク・シナトラによる至高のヴァージョンにはそう簡単に太刀打ちできないだろう。
 
1984年はアイコニックなバラードが数多く生まれた年で、そのうちの2曲、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの「The Power Of Love」と、かの有名なチャリティ・ソング「Do They Know It’s Christmas?」に阻まれたために、本来なら間違いなくクリスマスにチャートのトップを飾っているはずだったワム!の「Last Christmas」はとうとうこの年は1位になれず仕舞いだった。しかしながら、この曲は再発される度に全英TOP40にランクインし、現時点でその回数は13回を数えている。実のところ 「Last Christmas」は現在、全英チャート史において、“一度も1位になっていないにも拘わらず最も多くのセールスを挙げている曲”という記録を保持しているところだ。
 
平たく言うならクリスマス・アンセム界の怪物たる「White Christmas」は、今やありとあらゆるクリスマス・ソングの父ともいえる存在だ。アーヴィング・バーリンが生み出し、これまでにもはや数え切れないほどの回数レコーディングされているが、決定版テイクと言えばやはり1942年、ビング・クロスビーがデッカ・レコードに残したレコーディングだろう。世界的にもレコード史上最高のセールスを誇ると言われているこのシングルの推定売上枚数は、5,000万枚を超える。
Written By Tim Peacock
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