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LIVE REPORT
Japanese
Skream! マガジン 2022年08月号掲載
2022.07.21 @日本武道館
Reported by 吉羽 さおり Photo by 森好弘
昨年秋冬の”UVERworld ARENA LIVE 2021~THE DAWN WILL BREAK~”(夜明けは近い)と題したアリーナ・ツアーを経て、”UVERworld LIVE HOUSE TOUR 2022~NEVER ENDING WORLD~”(世界は終わらない)と題したライヴハウス・ツアーで2022年をキックオフしたUVERworld。ツアーを終えたのも束の間、ライヴがしたいという思いで急遽決定したのが、日本武道館公演”UVERworld THE LIVE”の2デイズだ。開催が発表されたのはライヴの約1ヶ月半前という状況だったが、チケットは即完売した。ライヴがしたいというバンドのシンプルな衝動をそのまま冠した今回のタイトルだが、観客が求めるものもまた同様だろう。2デイズの2日目、7月21日の武道館内の熱気はまさにバンド、観客双方のエネルギーがせめぎ合っていた。観客はまだ歓声など大きな声を発することは叶わないが、終始、これぞライヴという高いテンションで満ちた夜となった。

開演前、ステージ中央にかかった紗幕には時刻が映し出され、1分前には自然と拍手が湧き、徐々にその拍手が大きな手拍子のカウントダウンとなっていく。SEで「NEVER ENDING WORLD」が流れるなか、ぐんぐんと会場内が高揚していくのを肌で感じる。そしてスタートしたのは「AVALANCHE」。凸型に張り出したステージの中央にライトが当てられ、TAKUYA∞がエフェクティヴで多重感のあるヴォーカルを響かせる。ゴスペル的なその始まりから、バンドが加わるとステージの景色が一気に開けて、ドラマチックにライヴの幕が開けた。派手なレーザーでの演出に加え、自分の信じることを追い求めることで、夜明けを切り開いていくことができるという歌の世界観にシンクロして、会場内も柔らかな明かりが灯されるなど、冒頭からバンド、音楽と一体となったエモーショナルな空間ができあがっている。その恍惚感から、”のっけからぶち上がっていこうぜ”(TAKUYA∞)の声で、「I LOVE THE WORLD」、「stay on」とダンス・チューンを連投。「stay on」では大合唱とはいかないが、彰(Gt)、克哉(Gt)、信人(Ba)がパーカッションで盛り上げて観客のボルテージをぶち上げていった。

前半にして早くもハイライトとなったのは、「在るべき形」。まだまだ音楽やライヴに対しての規制は厳しいものがある現在だが、そういうなかでこそ音楽が持つ力を示すチャンスだとTAKUYA∞は語る。ライヴ前半にして(3年ぶりだという)金銀テープが舞うなかで、熱いアンサンブルで聴かせた「在るべき形」はまるでコロナ禍でのこの数年の不安、葛藤、そのなかで見いだしていく思いをも投影するように響いた。いつどんなときに書かれた曲でも、不屈の精神や、誰と比較するでもない自身の美学が貫かれているからこそ、UVERworldの音楽は心にまっすぐに届き、問い掛ける。ライヴという生の場では、心を貫いていく威力も凄まじい。MCによれば、昨年のツアーなどコロナ禍のライヴは1日2公演がデフォルトで、ライヴにおけるフィジカルもメンタルもだいぶ鍛え上げられたということなので、バンドの馬力がさらに上がっている。その音が、その言葉が、観客の身体を射抜いていくスピードや破壊力は相当なものだ。

中盤はさらにギアを上げていく。重厚なリフと真太郎によるダイナミックなドラミングで爆走する「ace of ace」、エモーショナルに旅路を描いていく「Making it Drive」、そして自分の思う道を自分で生み出していく「Q.E.D.」でのパワフルな咆哮。曲のひとつひとつに拳が上がり、シンガロングの代わりに高く振り上げられ、大きなうねりを生んでいく。また8月17日にリリースとなるニュー・シングル「ピグマリオン」も披露された。優しく聴き手のそばに立っている、そんな温度、体温を感じる1曲だ。インストゥルメンタルを挟んでの後半は誠果のサックス、そして前のめりに叩き込んでくるラップと、グルーヴィなアンサンブルでステージから熱波を送り込む「Touch off」で、会場の温度を上げる。炎の特効もガンガン上がって、音とともに本当に熱波が来る感じだ。”自由だったあの頃を凌駕する一体感。音楽の力の見せどころだ”(TAKUYA∞)。そんな言葉に一斉に拳が上がって、”お前たちの力がいるんだ”と「IMPACT」ではジャンプを巻き起こして会場を揺らし、また「EN」では”今、UVERworldが大切に思っている曲を、すべてをかけて歌いたい”とスタートする。

TAKUYA∞のソウルフルなヴォーカルにより、怒濤のごとく即興的でリアルな温度や鋭さ、叙事詩的な壮大さを持った言霊で畳み掛けるように紡がれる歌、じっくりと築き上げていくバンド・サウンドとメンバーのシンガロングが、ずっしりと響いた。”次のライヴはこの曲を一緒に歌おう。次がダメならその次で”(TAKUYA∞)。悔しさも交じっている言葉だと思うが、そこからは音楽が止むことはない、UVERworldがこの先も音楽を止めることはないという、ポジティヴさが上回って聞こえてくる。今回の”UVERworld THE LIVE”は、そんなバンドのステートメントを突きつけるステージだ。ブレない思いで歩んできた自分たちのヒストリーと矜恃を歌う「One stroke for freedom」から、ラストに据えたのは「7日目の決意」。この日一番の大きな手拍子に乗せて、今を深く刻み込んでいくように、力強くその音を放つ。手応えのあるライヴに、もう1曲アンコールとして「MONDO PIECE」を披露して、”最高の場所でまた会おう”と締めくくった。ライヴ後には”UVERworld THE LIVE”がまだまだ終わらないと、[UVERworld “THE LIVE” /LIVE HOUSE & ARENA TOUR]を行うことを発表。年末までフル・パワーで駆け抜けていくという。

映画主題歌「HOURGLASS」や「AS ONE」をはじめ、ドラマ主題歌「AVALANCHE」、「EN」が作品のテーマ性をよりエモーショナルに語る役割を果たしたことも記憶に新しい。11枚目のフル・アルバムは、UVERworldというバンドのスケール感がまだ広がっていくこと、恐れることなくバンド像を打ち壊していく姿が刻まれている。スキルフルで音楽的な精度は上がっているが、その真ん中になぜここまで猛烈な衝動感や胎動感、あるいは飢餓感と言うべき叫びの激流があるのか。一昨年には結成20周年を迎えたが、そのパワーにまず圧倒される。フィーチャリング曲やコライト曲でバンド自身刺激を堪能し、ロック・ミュージックのフロンティア精神を開拓し続ける。前進するそのエンジンはバケモノのようにデカい。(吉羽 さおり)
目には見えないはずの時を、可視化させるために人類が生み出した時計。その中でも砂時計はガラスの中の砂がサラサラとこぼれ落ちてゆく様に、儚さや限りある時間の概念を投影することができる素敵アイテムだ。UVERworldのシングルと言えば、従来はハイエナジーでアップテンポなものも多かったが、今作の表題曲「HOURGLASS」はそれらと明らかに一線を画する仕上がり。じんわりと、心地よいテンポ感の中で紡がれる音像と歌詞には得も言われぬ滋味深さが漂う。そして、カップリング「Teenage Love」についても、タイトルから想像ができるようなワチャワチャ感はまるで皆無。いろいろな意味で、物事の本質とはなんなのかということを改めて考えさせられる1枚かもしれない。もの思う春のお供に最適かと。(杉江 由紀)
マッチの擦過音から始まる表題曲は、題名のとおり人の内側で燃え続ける魂の炎をUVERworldが音をもって描き出したものになるだろう。サスペンス性の高い内容で話題のアニメ”約束のネバーランド”のOPテーマとして起用されているこの曲において、まずイニシアチブを取っていくことになるのは、彰のザクザクとしたアコギのカッティングと、どこか情念さえ感じさせる誠果のサックス・プレイだ。そこに克哉の奏でる芯の太いギター・リフや信人が放つどっしりとしたベース・フレーズ、真太郎がストイック且つパワフルに叩き出す律動が重なり、さらにフロントマン TAKUYA∞が熱っぽいヴォーカリゼーションおよびポエトリー・リーディングを絡ませていくことで、実にエキサイティングな1曲へと仕上がった。(杉江 由紀)
UVERworldは、決して楽曲を大量生産するタイプのバンドではないだろう。だが、彼らがことあるごとに世の中へと向けて発信する音楽には、想いと愛と信念がもれなく詰まっており、そのクオリティも間違いなく”ハンパない”ものばかり。今作は、そんな彼らがメジャー・デビューして以来コツコツと作り続けてきた音楽たちの中から、”MEMBER BEST”と”FAN BEST”、そして”BALLADE BEST(Re-Recording)”というかたちで秀逸な選曲を実施した結果、珠玉の楽曲たちを一堂に会させたベストとなる。中でも、全曲を再録したという”BALLADE BEST(Re-Recording)”は必聴中の必聴。UVERworldがカッコいいのは当たり前のことだとして、ヤバいほど魂に響く名曲バラードたちは、どれも尊すぎる。(杉江 由紀)
磨き抜かれた音と、研ぎ澄まされた言葉だけで構成されているのが今作『TYCOON』だ。そこに”大君”を意味するタイトルを自ら冠したという事実が、また実に興味深い。Track.8「PRAYING RUN」を筆頭に近年のライヴにおける主力曲たちが音源化されているほか、既発シングル曲の大半がアルバムVer.にて収録されている一方、むろん書き下ろし曲たちの発する強い存在感も圧倒的。疾走する音像と、説得力ある歌詞が燦然とした光を放つTrack.3「シリウス」。ビター&スウィートなTrack.4「SHOUT LOVE」。作曲クレジットにバンド名が記されたTrack.5「IDEAL REALITY」に滲む、ドキュメント性……。全18曲、計78分59秒には、彼らの辿ってきた3年余りの日々が凝縮されている。(杉江 由紀)
シングルというと一般的には表題曲ばかりがもてはやされる傾向にあるが、フロントマン・TAKUYA∞が明言するとおり、今作は「DECIDED」だけでなく収録曲全3曲を通しての存在感を堪能すべきだ。映画”銀魂”の主題歌として使われることを意識しながらも、バンドとしての”今まさに思うこと”をストレートな音像に乗せて託したという「DECIDED」。かの名曲「MONDO PIECE」を凌駕するような、深いメッセージ性を孕んだ楽曲に仕上がっている「RANGE」。そして、TAKUYA∞と信人が曲タイトルどおりに熾烈にしてコミカルなディスり合いを演じる「DIS is TEKI」。それぞれがまったく別方向のベクトルを持っていながら、どれもがUVERworldならではの楽曲に仕上げているあたりはお見事。これは8月のアルバムも待ち遠しい!(杉江 由紀)
すげぇいい曲になったなぁって勝手にひとりでジーンときちゃってました
“6 vs 230″から始まった物語の盛大な幕引き 4万5,000人の男性CREWと実現させる 約束の”男祭り”東京ドーム公演
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2022.07.21 @日本武道館
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2020.12.21 @横浜アリーナ
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