サザン・桑田とは何者か 奥深い歌詞の世界を読み解く|NIKKEI STYLE – Nikkei.com

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ひらめきブックレビュー
サザンオールスターズ(以下、サザン)ボーカリストの桑田佳祐氏は、ソロ活動や作詞作曲などを含め音楽活動を44年以上にわたって続けている。そのハスキーボイスは世代を超えて人々を魅了し、これまでに1000に及ぶ楽曲を生み出してきた。
本書『桑田佳祐論』は、音楽評論家で『サザンオールスターズ 1978-1985』『EPICソニーとその時代』などの著書があるスージー鈴木氏が、桑田氏の楽曲から26作を厳選し、桑田氏自身の著作も引きながらその歌詞の世界を読み解く。
1980年代生まれの私は、「愛の言霊~Spiritual Message~」(96年)、「TSUNAMI」(2000年)などの作品に親しんで育った。サザンといえば、情熱的かつどこか切ない調子できわどい歌詞を歌いあげる「オトナ」のグループの印象だった。
本書は大ヒットしたデビュー作「勝手にシンドバッド」(1978年)の歌詞に改めて注目する。著者によれば桑田氏の歌詞は意味不明なものが多い。確かに「勝手にシンドバッド」はタイトル自体が意味不明だ。「砂まじりの茅ヶ崎」「胸さわぎの腰つき」といったキーフレーズは音韻がそろっており、考え抜かれた歌詞であることを感じさせる一方で、言葉の意味はよくわからない。それでも耳に残り、思わず口ずさんでしまう心地よさがある。
著者の言葉を借りれば、サザン以前の歌謡界やフォーク界では「意味が音を支配している」のに対し、洋楽では「意味と音が拮抗」し、歌詞の意味だけでなくリズム感や韻を重視する感覚があるという。そして桑田氏は、洋楽の感覚を日本語で実現しようとしたと分析する。その意味で桑田氏は、音楽界のイノベーターの1人と言えるのかもしれない。
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